○内閣総理大臣(石破茂君) 田村貴昭議員の御質問にお答えいたします。
年金と物価高騰についてのお尋ねです。
公的年金制度では、前年の物価等の変動に応じて年金額を改定することを基本としながら、マクロ経済スライドにより、長期的な給付と負担のバランスを確保することで、将来にわたって持続可能な仕組みといたしており、こうした仕組みの下で年金を着実に支給していくことが重要であると考えております。
その上で、政府といたしましては、所得や年金額の低い高齢者の方々には年金生活者支援給付金制度を設けており、こうした施策等により、高齢者の方々の暮らしが安定するよう、引き続き支援をいたしてまいります。
物価高につきましては、低所得者世帯向けの給付金などに加え、随時、ガソリン価格の定額引下げ、電気・ガス料金支援といった施策を追加するなど、あらゆる政策を総動員しておるところであり、家計や事業活動に与える影響に細心の注意を払いながら、引き続き対策に取り組んでまいります。
マクロ経済スライドについてでございます。
平成十六年の制度改正で導入されたマクロ経済スライドの仕組みは、現役世代の保険料上限を固定し、過重な負担が生じないようにした上で、年金額について一定の調整を行い、長期的な給付と負担のバランスを確保するものでございます。
マクロ経済スライドの仕組みの結果、年金額の実質的な価値が緩やかに減額されることは御指摘のとおりですが、これは経済状況によって変わり得るものでありますことから、政府としては、賃上げと投資が牽引する成長型経済を目指し、年金の給付水準が将来も維持できるように努めてまいります。
政府として、この仕組みを百年安心であると申し上げたことはございませんが、五年に一度の財政検証に基づき、適切に年金制度を改正するなど、着実に運営をいたしてまいります。
マクロ経済スライドについてでございます。
基礎年金のマクロ経済スライドを早期終了させる措置につきましては、今後も経済が好調であれば発動の必要がないものであるとともに、次の財政検証の結果により適切に検討し必要な対応を講ずることなどから、具体的な仕組みについては今回の法案に規定しないことといたしたものでございます。
マクロ経済スライドは、将来世代の負担が過重にならないよう、保険料の上限を固定しつつ、その範囲内で給付を行う仕組みであり、これを単に停止することは考えておりません。また、こうした仕組みの下で、積立金は将来の年金受給者の給付水準を確保するために計画的に活用していくことといたしており、これを特定の世代のためだけに使うことは適当ではないと考えております。
被用者保険の更なる適用拡大などについてでございます。
被用者保険の適用拡大や標準報酬月額の上限の見直しは、将来の給付の充実につながる重要な改正事項であります。
今回の改正案は、昨年末の厚生労働省における審議会、社会保障審議会年金部会でございますが、審議会の議論の整理や与党の御議論において、更なる適用拡大や標準報酬月額の上限の見直しについては、被保険者や事業主の負担が増加することに留意しつつ検討された結果、幅広い合意が得られたものとして提案をしているものでございます。
中小企業支援、最低賃金及び非正規雇用労働者についてでございます。
中小企業支援につきましては、五月十四日に開催された新しい資本主義実現会議において、賃金向上推進五か年計画の策定に向け、四本柱から成る施策パッケージをお示しいたしました。中小企業等が賃上げできる環境を整備するため、政策を総動員いたしてまいります。
最低賃金につきましては、政府として、地域間格差の是正に配意しつつ、引き続き、二〇二〇年代に全国平均千五百円という高い目標に向かって、たゆまぬ努力を続けてまいります。
非正規雇用労働者については、誰もが希望する働き方の実現に向け取り組むことが重要であると考えており、引き続き、望まない非正規雇用を減らすための正社員への転換の支援や、同一労働同一賃金の推進等に取り組んでまいります。
最低保障年金制度についてでございますが、いわゆる最低保障年金につきましては、多額の税財源が必要になること、これまで保険料を払ってきた方々と払ってこられなかった方々との間の公平性をどのように確保するのかといった課題があるものと考えております。
政府といたしましては、低所得の年金受給者に対する年金生活者支援給付金の支給や、今回の法案にも盛り込んだ被用者保険の適用拡大などを通じて、高齢期の所得保障に取り組んでまいります。
障害年金の認定状況についてでありますが、御指摘がございました障害年金の認定状況に関しましては、一連の報道も踏まえ、厚生労働大臣から、日本年金機構等に対して、令和六年度における認定状況の実態把握のための調査を行うよう指示が行われており、六月中旬をめどにその結果を公表できるよう作業が進められているものと承知をいたしております。その結果を踏まえまして、必要な対応を行います。
消費税減税についてでございます。
急速な高齢化等に伴って社会保障給付費が大きく増加する中、全世代型社会保障制度を支える重要な財源であること、高所得者にも負担軽減がなされるため、物価高の影響を最も受けている低所得者への支援という意味では効率性に乏しいこと等から、消費税につきましては、その引下げは適当ではないと考えております。
物価高に対しましては、お一人二万円から四万円の所得税減税や、世帯当たり三万円の低所得者世帯向けの給付金などに加え、随時、ガソリン価格の定額引下げや電気・ガス料金支援といった施策を追加するなど、あらゆる政策を総動員しているところであり、家計や事業活動に与える影響に細心の注意を払いながら、その対策に取り組んでまいります。
以上でございます。(拍手)
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API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=石破茂
MCP: search_diet_speeches(speaker="石破茂")