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大野真人 ·日本労働組合総連合会広島県連合会会長

衆議院予算委員会(2025-02-14)での発言

第217回国会 ·第第10号号 ·3,148字
○大野真人君 改めまして、皆さん、こんにちは。御指名をいただきました連合広島の大野と申します。  本日は、まずもって、このような意見反映をさせていただける機会をいただきまして、ありがとうございます。広島県に居住して働く者の立場、そして納税者の立場から意見を述べさせていただきたいと思います。  まず初めに、予算案全体感について触れておきたいと思います。  二〇二五年度予算案につきましては、一般会計の歳出総額は三年連続で百十兆円超えとなる約百十五・五兆円と、過去最大の予算編成となっております。必要な予算の積み上げということを理解をした上でですが、歳入の柱となる税収は七十八兆四千四百億円となっていますが、国の借金に当たる公債金が約二十八兆六千四百九十億円となっております。一方で、国債費は二十八兆二千百七十九億円となっていますが、歳出全体の約四分の一が借金の返済に充当されていることや、国債費を上回る公債金が充当されているこの予算編成は、日本の財政の硬直化が年々深刻化しているというふうに感じています。将来にツケを回す構造には不安を抱かざるを得ないという思いをまずはお伝えしておきたいと思います。  二点目は、地方創生についてです。  石破内閣は地方創生を重要政策課題と位置づけ、地方創生交付金は倍増となる二千億円としています。東京一極集中を是正し、地方回帰に焦点を当てる政策として一定の評価はしておりますが、広島県においても、人口減少や人口流出に歯止めをかける政策に生かされるものと、その効果に大きな期待を寄せているところであります。  一方で、東京一極集中を是正するという目標に照らし合わせて、この財政規模が十分と言えるのか、また、施策としての継続性を担保するためには、単年度のみの施策では実効性に乏しく、より長期的に展開されるべきと考えております。地方創生が、地方の実情に合った地方自治体の特効薬とは言わないまでも、継続することによってその効果が期待できる漢方薬としての作用をすることを期待したいと考えております。  あわせまして、こうした交付金については歓迎はしつつも、国主導の中央集権的体制から、自治体に権限や財源を移譲して自治体固有の課題に主体的に取り組めるように、真の意味での地方分権、地方主権となることを望みます。  三点目は、人口減少についてです。  日本全体の構造的な課題として、人口減少と少子高齢化が挙げられます。  広島県の人口につきましては、自然減に加えまして社会減も増加傾向となっておりまして、緩やかではありますけれども、一九九八年の二百八十八万人をピークに、今年の二〇二五年には二百七十一万人まで減少する見通しとなっています。  その社会減となっている背景の一つですが、若者の就学や就職による転出に問題があると考えております。あるアンケート調査によりますと、県内出身大学生の広島県への愛着、これは全国平均より高いということになっておりますが、働きたい企業や業種、職種の不足を理由に県外への就職を選択するという層が一定程度存在しているという結果になっています。成案は持ち得ておりませんけれども、近年、移住希望地としての人気度が高い広島県であるがゆえに、就業地としての魅力を高めていく、その必要があると感じております。  一方で、少子化は、今当たり前の社会の全ての根幹を揺るがすことにつながります。社会保障制度を始め、公共サービス、交通手段の維持など、多くの課題が挙げられます。少子化対策は喫緊の政策課題だと認識しておりますけれども、間違いなく訪れる十年後、二十年後、三十年後の人口減少社会に向けて、将来のビジョンを描き、持続可能で包摂的な社会の構造の構築に向けて、与野党の垣根を越えた議論を是非お願いしておきたいと思います。  四点目は、賃金引上げについてです。  昨年の春闘につきまして、連合広島全体の賃上げですが、六・〇四%と過去最高の水準を記録して、全国平均を上回る結果となりました。そのうち三百名未満の中小組合は四・五三%と、こちらも過去最高という数字にはなりましたが、企業規模間の格差は更に拡大するという結果になっております。  一方で、賃上げは実現したものの、実質賃金がプラスに転じていないこと、また、今後も物価上昇が見通される中での今次春闘となります。具体的に、連合広島としては、賃金引上げは定期昇給を含めて五%以上とし、中小組合は更に格差是正分を一%上乗せする六%以上としております。  その賃上げ原資を生み出すためには、サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配と、働き方を含めた公正な取引が最重要課題と考えております。そのためには、労務費の適切な価格転嫁のための価格交渉に関する指針を周知するとともに、この指針を反映したパートナーシップ構築宣言を一層拡大する必要があります。  広島県においては、年々、宣言する企業は増加しておりますけれども、現段階では十分に浸透し切っているとは言えない状況となっています。また、広島県の価格転嫁は進みつつありますけれども、やはり二次、三次請負になるほど厳しい状況がまだまだ見受けられます。  政府においても、賃上げということのみを強調して発信するのではなくて、賃上げの原資を生み出すために、労働に対する価値を認め合い、適正な評価がされるよう、経団連、経済界に対しての働きかけをお願いしておきたいと思います。  特に、直接価格交渉を行っているのは購買担当者です。その購買担当者にその思いを徹底することが重要であって、全ての企業間取引において、宣言に基づいた商慣行の早期浸透を期待をしております。  そして、このことは公契約にも同様の対応が必要と考えております。とりわけ建設業は、他の産業と比較して労務費は低く抑えられています。労働時間が長いなどの理由から就業者が減少し、担い手の確保が困難な状況にもなっています。先ほどの価格転嫁とも関連した内容となりますが、国としての後押しとなる法的な対応も含めて取組を進めていただくことを要望します。  最後、五点目になりますが、核兵器廃絶に向けて意見を申したいと思います。  人類史上初めてとなる原子爆弾が投下され、十四万人もの命が犠牲になったこの広島では、今年の八月六日に被爆八十年という大きな節目を迎えることになります。  連合広島としては、「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」、その思いを継承し、広島県被団協の皆様とも連携をしながら、核兵器廃絶と世界の恒久平和の実現に向けて地道に取り組んでおります。  そうした中で、昨年十二月に日本被団協がノーベル平和賞を受賞されました。被爆地広島としての大きな誇りであると同時に、このことを契機に、核兵器廃絶に向け大きな一歩を踏み出さなければならないと考えております。  その一歩となり得る、来月、三月ですが、開催されます核兵器禁止条約第三回締約国会議へのオブザーバー参加について、多くの国民の期待や被爆者からも参加を求める声があるにもかかわらず、いまだ明言を避け続けています。  唯一の被爆国である日本が締約国会議へオブザーバー参加することは、核兵器の非人道性を世界に発信するだけではなく、軍縮に向けた環境をつくり出す動機づけなどの効果をもたらすことにもつながると考えております。  是非ともオブザーバー参加いただき、核兵器廃絶に向けた機運をより一層高めていただくことを要望しまして、私からの発言とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)

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