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石破茂 ·自由民主党・無所属の会 ·内閣総理大臣

参議院本会議(2025-01-29)での発言

第217回国会 ·第第3号号 ·2,928字
○内閣総理大臣(石破茂君) 本日誕生日をお迎えになりました川合孝典議員の御質問にお答えをいたします。誕生日、誠におめでとうございます。  いわゆる百三万円の壁の更なる引上げについてお尋ねを頂戴をいたしました。  昨年十二月二十七日に閣議決定をいたしました令和七年度税制改正の大綱を踏まえ、法案提出に向けた作業を進めております。  昨年十二月二十日、三党の幹事長間で、十二月十一日に合意した内容の実現に向け、引き続き関係者間で誠実に協議を進めると、こういうことが確認をされております。合意を踏まえた対応につきましては、引き続き政党間で協議が進められていくものと承知をいたしております。誠実に協議を進めるということに忠実に私どもも努力をいたしてまいります。  いわゆる百三万円の壁の引上げの財源についてでございますが、令和六年度当初税収との比較で令和七年度税収が八・八兆円増加しておりますのは御指摘のとおりでございます。  一方で、現下の厳しい財政事情等を踏まえた議論が必要であるということも併せて考えなければなりません。具体的には、令和七年度予算では、これまでの歳出改革努力を継続する中で、過去最高と見込まれる税収を充ててもなお二十八・六兆円の新規国債を発行していること、令和七年度末の国の債務残高は約千百二十九兆円に上る見込みであることなどを踏まえました議論が必要であると考えております。  百三万円の壁の引上げの政策効果についてでございますが、今般の基礎控除の十万円の引上げなどによる所得税の減収額〇・七兆円程度につきましては、政府経済見通しにおいて、家計の可処分所得の押し上げ効果として見込んでおります。  現下の厳しい人手不足の状況におきまして、特に大学生のアルバイトの就業調整に対応するため、特定親族特別控除を創設することといたしており、これにより、雇用者報酬の〇・一兆円程度の増加を見込んでおります。これらによりまして、令和七年度の個人消費は〇・一ポイント程度押し上げられるものと見込んでおるところでございます。  課税最低限と生活保護費の関係についてでございますが、所得税の課税最低限は、生計費だけではなく、公的サービスを賄う費用を広く分かち合う必要性も含めて総合的に検討して定められているものでございます。御承知のとおりであります。  一方、生活保護制度は、御指摘のように、憲法第二十五条の理念に基づき、生活困窮者の方々に対して必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とするものでございます。  保有資産につきましては、課税最低限は保有状況を考慮せず適用されております。一方、生活保護制度は、その目的に鑑み、資産、能力、その他あらゆるものを最低限度の生活の維持のために活用することが受給の要件とされております。  地域差につきましては、課税最低限は全国一律に定められております。一方、生活保護制度は、所在地域などに応じまして必要な事情を考慮して基準が設定されておるものでございます。  以上のように、両者はその趣旨、目的、仕組みが大きく異なるものでございますため、生活保護費と課税最低限の額を単純に比較をすることは適切ではない、このように考えております。  ガソリン税についてでございますが、昨年十二月、自民、公明、国民民主の三党の幹事長間におきまして、いわゆるガソリンの暫定税率を廃止する、具体的な実施方法などについては引き続き関係者間で誠実に協議を進める、これが自民、公明、国民民主の三党の幹事長間の合意でございます。  今後の政党間の協議の内容や方向性について現時点で予断を持ってお答えはいたしませんが、政府といたしましては、当該協議の結果を踏まえた上で適切に対応いたしてまいります。  就職氷河期世代への支援の成果についてでございます。  就職氷河期世代の方々に対し、令和元年から関係省庁一体となって集中的に取り組んでまいりました。その結果として、個別施策について見ますれば、非正規雇用労働者を正社員化した企業への助成金は十三万人を超える方に活用されましたほか、ハローワークの職業紹介により約五十三万人が正社員として就職しておられます。  全体的には、令和元年から令和五年までの間に、正社員は八万人、役員は十三万人増加をし、合わせて二十一万人の処遇改善がなされたところでございます。他方で、不本意非正規雇用労働者は九万人減少したなど、着実に成果が得られておるものでございます。こうした中で、就職氷河期世代の不本意非正規雇用者比率や無業者比率は、全世代の中でも低い水準となっております。  このような支援は、議員御指摘のように手じまいするというようなことは全くございません。来年度以降は、就職氷河期世代を含め、幅広い中高年層を対象に効果的な支援を行うことといたしております。引き続き、相談、リスキリングから就職、定着までの切れ目のない支援に取り組んでまいります。  就職氷河期世代の方々も高齢となられる、これが近づいております。五十歳代になられる方々もおられるわけでございます。今、両親の方と同居しておられる、また、その家に住んでおられるということがいつまでも続くとは限りません。そういうような時限性があることもよく承知をいたしております。引き続き、御指摘を踏まえながら対処いたしてまいりたいと考えております。  就職氷河期世代や女性の低年金問題についてのお尋ねでございますが、公的年金制度は、我が国の社会保障制度の一つとして、社会全体で高齢期の生活を支える制度であり、老後の所得保障の核としての役割を果たしております。そのため、いわゆる就職氷河期世代や女性の方々も含めて、年金の給付水準を確保して高齢期における生活の安定を図ることが重要でございます。  現在の制度でも、産前産後及び育児休業期間中については保険料を免除するとともに、将来の年金給付につなげる措置があるほか、年金生活者支援給付金の支給により、低年金の方も含めた低所得の年金受給者に対する経済的支援を行っておるところでございます。  今回の年金制度改正におきましては、将来の年金が適切に確保されますよう、短時間労働者に対する被用者保険の更なる適用拡大などを含めた年金法改正案を取りまとめてまいります。  国民の声を迅速かつ正確に集約することで政策に生かすための取組についてお尋ねを頂戴をいたしました。  AI・デジタル技術の活用で、より多くの情報を効率的に利用でき、高度な情報処理を行うことができるようになる可能性がございます。  一方で、セキュリティーを確保した上で、AIなどを活用するに当たりましては、費用面、データの取扱い、AIを政府自身が独自に開発することが適当かどうかなどについて整理すべき点もございます。その活用の進め方につきまして、今後検討を深めてまいります。御指摘ありがとうございました。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣赤澤亮正君登壇、拍手〕

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