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石破茂 ·自由民主党・無所属の会 ·内閣総理大臣

参議院本会議(2025-02-12)での発言

第217回国会 ·第第4号号 ·5,939字
○内閣総理大臣(石破茂君) 福山哲郎議員の御質問にお答えを申し上げます。  共同声明における黄金時代の趣旨についてお尋ねを頂戴をいたしました。  今回の日米首脳会談において、トランプ大統領との間で、世界に平和と繁栄をもたらす日米関係の新たな黄金時代を追求する決意を確認をいたしました。ここで言う黄金時代とは、インド太平洋地域の平和と安定の基盤である日米同盟を一層強化し、日米関係を新たな高みに引き上げていくことを通じて世界の平和と繁栄に貢献していく、そうした日米首脳の決意を示した表現であると、このように認識をいたしております。  共同声明における法の支配の文言の交渉経緯についてでございますが、法の支配は自由で開かれたインド太平洋の中核的な理念であり、今回の共同声明でも、自由で開かれたインド太平洋を堅持することを確認いたしております。また、私からは、力又は威圧によるあらゆる現状変更への試みに強く反対する旨を申し述べ、これを共同声明でも確認しておりますが、これはまさに法の支配の重要な要素であります。  共同声明の交渉の詳細に関しましては、外交上のやり取りでございまして、この場で御紹介することは差し控えますが、我が国として法の支配を重視する立場に全く変わりはなく、この立場を踏まえて、様々な課題につきトランプ大統領と議論を行ったところでございます。  対米投資についてのお尋ねを頂戴をいたしました。  今回の会談におきまして、トランプ大統領に対し、日本企業による対米投資額を現在の七千八百三十億ドルから一兆ドルといういまだかつてない規模まで引き上げたい、そのために共に取り組んでいきたいとの意思をお伝えをいたしました。日米の緊密な経済関係を更に拡大・発展させる余地は大きく広がっており、今後、良好なビジネス環境が維持・強化されれば、自動車分野に加え、AIや先端半導体、あるいはエネルギー等の分野において対米投資が進んでいくことが想定されます。期限を切ってはおりませんが、こうした民間の投資を政府において把握し、必要に応じ両国における環境整備を進めてまいります。  米国による関税措置についてでございます。  トランプ大統領の関連の発言については承知をいたしております。今般の会談の時点では、御指摘の関税措置については正式に発表されておらず、会談で議論はありませんでしたが、いずれにせよ、我が国といたしましては、まずはこれらの措置の内容や我が国への影響を十分に精査しつつ、措置の対象からの除外を米国に働きかけるなど、必要な対応を行ってまいる考えでございます。  日本製鉄によるUSスチールへの投資計画やトランプ大統領との関係についてのお尋ねを頂戴をいたしました。  今回のトランプ大統領との首脳会談では、本件は、どちらかが利益を得るというような単なる買収ではなく、日本の技術と資金を活用し、米国に大胆な投資を行うことで、米国や世界が求める優れた製品を共に生み出し、日米がウィン・ウィンになるものにしようという認識を共有したところでございます。具体的な計画につきましては、民間の関係者において検討・調整が進められていくものと考えております。  トランプ大統領による関税措置に関する発言につきましては承知をいたしておりますが、具体的な中身は明らかとなっていない点があり、我が国としては引き続き注視し、適切に対応いたしてまいります。  法の支配は自由で開かれたインド太平洋の中核的な理念であることは先ほど申し述べたとおりでございます。私からは、力又は威圧によるあらゆる現状変更への試みに強く反対する旨を述べ、これを共同声明でも確認をいたしておりますが、これはまさに航行の自由の尊重を含めた法の支配の重要な要素でございます。  また、共同声明で、自由で公正な経済秩序に支えられるインド太平洋地域の成長の促進に向け、日米が協力していくことも確認をいたしました。  米国からのLNG輸入及びアラスカLNGプロジェクトについてのお尋ねを頂戴をいたしました。  今般の日米首脳会談におきましては、相互に利益のある形で、日本へのLNG輸出増加も含め、両国間でエネルギー安全保障の強化に向けて協力していくことを確認をいたしました。米国からは既に年間五百万トンを超えるLNGを輸入しておりますが、更なる購入について、経済性や供給開始時期、供給量等も踏まえ、官民で検討してまいります。  アラスカLNGプロジェクトにつきましては、これまでも米国から打診はございましたが、パイプラインの建設動向などを踏まえ、今後更に検討が進められるものと承知をいたしております。日米相互に利益のある形となるよう、日米の民間関係者間の議論を経済産業省を中心に促してまいります。  米国からの装備品売却、南西地域における米国のプレゼンス向上及び防衛力強化についてでございます。  一月三十一日に、アメリカ国防省から米国議会に対しまして、米国政府が我が国へのSM6の売却を承認した旨通知しており、トランプ大統領が言及した装備品の売却はこのことを指すものと承知をいたしております。防衛省において、令和四年度以降、継続的にSM6の取得を進めているところであり、引き続き着実な整備に取り組んでまいります。  また、共同声明における日本の南西諸島における二国間のプレゼンスの向上は、南西地域における自衛隊の部隊配備など、我が国としての努力と同時に、日米同盟の抑止力、対処力を強化するため、南西地域における共同訓練など、日米間の取組についても不断に取り組んでいくことを確認したものでございます。  お尋ねの日米首脳共同声明における防衛力の抜本的強化に関する取組に関する記述につきましては、現行の国家安全保障戦略及び国家防衛戦略に基づく既存のコミットメントを再確認したものであり、二〇二七年度より後の防衛費につきましては、これまでどおり、何ら決まっているものではございません。  その上で、二〇二七年度より後の防衛力整備の具体的な内容につきましては、その時点での安全保障環境等を踏まえ、今後何が必要かを検討し、実施すべき事項を積み上げることとなります。  地位協定の改正及び在日米軍の綱紀粛正についてのお尋ねを頂戴をいたしました。  さきのトランプ大統領との首脳会談では、まずは強固な信頼関係を築くことを重視し、安全保障分野を含む日米関係全般について意見交換を行い、日米同盟の抑止力、対処力を高め、日米が直面する地域の戦略的課題に緊密に連携して向き合っていくことで一致をいたしました。  私から沖縄の負担軽減の必要性を説明もいたしました。  米軍関係者による事件、事故は、地元の皆様に大きな不安を与えるものであり、あってはならないものでございます。重要なことは、昨年七月の発表を含め、これまでに米側が発表した一連の再発防止策が実際に事件、事故の再発防止につながることであります。米側に対しましては、在日米軍の綱紀粛正と再発防止の徹底を働きかけており、引き続き、こうした働きかけを行うとともに、日米間で協力をいたしてまいります。  米中関係、国際機関への台湾の参加についてでございます。  米中両国の関係の安定は、国際社会にとっても極めて重要であると考えております。先般の日米首脳会談におきましても、トランプ大統領との間で、東シナ海や南シナ海等における力や威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試みに反対することを確認するとともに、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調しました。  我が国といたしましては、引き続き、同盟国である米国との強固な信頼関係の下、中国に対して大国としての責任を果たしていくよう働きかけてまいります。  トランプ大統領とは、国際機関への台湾の意味ある参加への支持を確認いたしました。引き続き、台湾の国際機関への参加について、台湾に関する基本的立場を踏まえつつ、WHOなどそれぞれの国際機関に台湾が参加することの意義などを総合的に踏まえて対応いたしてまいります。  北朝鮮問題についてでございますが、今般の会談では、北朝鮮情勢について認識を共有し、核・ミサイル問題に共に対処する必要性、北朝鮮の完全な非核化に対する確固たるコミットメントに加え、日米韓の連携を更に強化していくことの重要性を確認いたしました。  拉致問題に関しましては、私から、いまだに肉親と再会することができない拉致被害者御家族の苦しみ、切実な思いを大統領に直接伝達した上で、一日も早くこの問題を解決したいという決意を伝え、大統領に対し、米朝間の交渉の可能性も念頭に、改めて理解と協力を求めたところでございます。これに対し、トランプ大統領から拉致問題の解決に向けた全面的な支持を得たことは大きな成果であり、このことは拉致問題の解決に向けた我が国の主体的な取組に寄与するものであったと考えております。  首脳会談におけるWHO、パリ協定、ガザ情勢の扱いについてでございます。  今回は初めての会談であり、主に二国間関係やインド太平洋地域の諸課題を取り上げました。日米両国、そして国際社会が直面する課題は極めて多く、今回の首脳会談でそれらの全てを取り上げる時間はございませんでしたが、自由で開かれたインド太平洋を堅持し、世界に平和と繁栄をもたらすとの首脳間の共通認識を踏まえ、今後、両国政府間で話し合ってまいります。  その上で、我が国として、将来の独立したパレスチナ国家とイスラエルが平和かつ安全に共存する二国家解決を支持する立場に変わりはございません。  UNRWA及びICCについてお尋ねを頂戴いたしました。  今回の首脳会談で全てを取り上げる時間はございませんでしたが、自由で開かれたインド太平洋を堅持し、世界に平和と繁栄をもたらすとの首脳間の共通認識を踏まえ、今後、両国政府間で話し合ってまいりたいと考えております。  その上で申し上げれば、パレスチナ難民支援においてUNRWAは不可欠な役割を担っており、六年度補正予算や七年度予算において拠出金を計上いたしております。我が国といたしましても、現地の状況を踏まえながら、人道支援に必要な措置をタイムリーに講じていく考えでございます。  我が国は、重大な犯罪行為の撲滅と予防、法の支配の徹底のため、世界初の常設国際刑事法廷であり、元最高検検事で我が国出身の赤根智子氏を所長とする国際刑事裁判所、ICCを一貫して支持いたしております。そのICCが独立性を維持し、安全を確保しながらその活動を全うできますよう、今後の関連の動向を重大な関心を持って引き続き注視をいたしてまいります。  首脳会談における国際援助の扱いについてでございます。  今回の首脳会談では国際援助について取り上げることは時間はございませんでしたが、自由で開かれたインド太平洋を堅持し、世界に平和と繁栄をもたらすとの首脳間の共通認識を踏まえ、今後、両国政府間で話し合っていきたいと考えております。  我が国は、これまでに、米国との間で、二国間対話に加え、G7、G20や国連等のマルチの取組において緊密に連携してきており、引き続き、米国との間で意思疎通を図りつつ、開発協力分野において積極的な役割を果たしていく考えでございます。  地域情勢等に係る記述についてでございますが、今回の共同声明は、日米協力やインド太平洋地域における連携を中心に、日米首脳間の一致した認識を示したものでございます。  御指摘のロ朝軍事協力については、これを抑止し対処する必要性を確認したところでございます。  その上で、ロシアによるウクライナ侵略に関しましては、我が国として、ロシアによる侵略を終わらせ、一日も早くウクライナにおける公正かつ永続的な平和を実現すべく、今後とも、米国を始めとする国際社会と緊密に連携して取り組んでいく考えでございます。  中東情勢に関しましても、我が国として二国家解決を支持する立場に何ら変わりはなく、関係国、機関とも緊密に意思疎通をしながら、喫緊の人道支援に加え、中長期的な復旧復興支援においても積極的な役割を果たしてまいります。白紙に戻るということはございません。  核兵器禁止条約についてでございます。  核兵器禁止条約に関する対応につきましては、これまでオブザーバー参加をした国々の状況等に関する検証を行いつつ、熟慮をいたしておるところでございます。第三回締約国会合が本年三月に開催予定であることを念頭に置き、適切に判断をいたします。  気候変動対策、選択的夫婦別氏制度、同性婚制度についてのお尋ねを頂戴をいたしました。  気候変動は人類共通の待ったなしの課題であり、全ての国の取組が重要であることに変わりはございません。我が国といたしましては、脱炭素と経済成長の実現に向け、気候変動問題に積極的に取り組んでまいります。  全ての人々が生きがいを感じ、尊厳が損なわれることなく、多様性が尊重される包摂的な社会を実現することは重要であり、私どもの政権でも、このような方針の下、地域共生社会の実現などの取組を進めてまいります。  その上で、夫婦の氏の在り方につきましては、内閣府が行った令和三年の世論調査を見ましても国民の御意見が分かれていることなどから、政府といたしましては、家族の形態や国民意識の変化、家族の一体感や子供への影響など、様々な点を考慮の上、国会において建設的な議論が行われ、より幅広い国民の御理解が形成されることが重要であると考えております。  自民党総裁として申し上げれば、いつまでも結論を先延ばしにしてよい問題とは考えておらないと、かねてから申し上げているとおりでございます。党としての考え方を明らかにすべく、議論の頻度を上げ、その熟度を高めてまいります。  同性婚につきましては、これが認められないことにより負担を感じておられる方々のお声は十分に承知をいたしております。他方で、同性婚制度は、国民生活の基本に関わるものであり、国民一人一人の家族観とも密接に関わるものでありますため、政府といたしましては、国民各層の御意見や国会における御議論の状況、同性婚に関する訴訟の状況等についても注視していく必要があると考えております。  以上でございます。(拍手)     ─────────────

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