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藤巻健史 ·日本維新の会

参議院本会議(2025-03-12)での発言

第217回国会 ·第第6号号 ·3,178字
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻健史です。  会派を代表して、石破内閣総理大臣に質問いたします。  まず、所得税法等の一部を改正する法律案の立法趣旨を明確にしていただきたいと思います。  働き止めを回避するための税制改革、改正なのか、それとも国民の手取りを増やすための税制改革なのかという点です。  政府は百三万円を働き止めの壁だと認識しているのでしょうか。壁と聞くと、それ以上働くと税引き後収入が減ってしまうとの印象を持つ方も多いと邪推いたしますが、そうではなく、所得税が発生する金額との意味であり、単なる課税最低限の引上げと呼んだ方がよろしいのではないでしょうか。  ところで、この法律が成立した後の給与収入四百七十五万円と給与収入四百七十六万円の税引き後手取り額を御教授願います。この法律改正によって、ここに税引き後収入額の逆転現象が生じてしまうように思いますが、確認をお願いしたいと思います。  一生懸命働いて収入が増えると逆に手取りが減るという税制は、国民の勤労意欲を阻害するものと考えますが、いかがでしょうか。  本改正後の附則③で、令和八年度予算編成時に所得税の抜本的な改革に係る検討をするとあります。その際には、是非回避しなくてはいけない壁だと申し上げておきたいと思います。  次に、立法趣旨が国民の手取りを増やすためなのかについてお聞きしたいと思います。  まず、この税制改革によって大部分の給与所得者の方が約二万円前後の減税になると理解しておりますが、正しいでしょうか。  次に、この税制改革によって、政府の税収はどのくらい減少するのかをお教えください。  ポール・サムエルソン氏とともに二十世紀の二大エコノミストと呼ばれる、称されるミルトン・フリードマン氏は、予算は必ず均衡する、もし増税という見える形で均衡させないのなら、インフレという見えない形で均衡することになると述べています。  また、ウォーレン・バフェット氏が最近「株主への手紙」の中に書いた、愚かな財政運営が蔓延すれば紙幣は価値を失うとの文も日米ではかなり話題になりました。紙幣が価値を失うということはインフレになるということです。  彼らの言うことが正しいとするならば、減税だけだと物価高が生じてしまいます。二万円の減税をしても、物価高で家計が二万円以上の出費を余儀なくされたら、国民の手取りを増やそうとする税制改革が逆に国民の手取りを減らす税制改革になってしまいます。  減税による物価高を回避するためには、日本維新の会結党以来の主張であり、大阪で実行してきた行財政改革を行い、財政赤字拡大によってお金の価値の希薄化が生じ、物価高を引き起こすことを回避することが不可欠だと思いますが、お考えをお聞かせください。  国際通貨基金、IMFは、二月七日、日本に対し、財政赤字拡大のリスクがあると指摘し、検討されている所得税の控除の額についての改革は、追加歳入の確保、若しくは他分野の歳出削減によって賄わなければならないと強調し、財源確保を求めています。このIMFの指摘について、総理はどうお考えでしょうか。彼らの助言のように、追加歳入の確保、若しくは他分野の歳出削減をお考えでしょうか。  アメリカの財政赤字についての話ですが、三月三日にはヘッジファンド会社、ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオ氏が、今すぐ赤字削減に取り組まなければ三年程度のうちに深刻な債務危機に見舞われるリスクがあると論じました。  起業家イーロン・マスク氏は、DOGE、政府効率化省によって、五年間でアメリカ政府の歳出を三分の二まで減らすと行動を開始しています。  一方、日本の債務残高の対GDP比はアメリカの二倍と格段に悪いのにもかかわらず、米国で聞くような警告や行動は寡聞にして余り聞きません。  幸い、本税制改革の附則③には、令和八年度予算編成及び税制改正において、歳入歳出両面の取組を通じた本特例の実施に要する財源の確保について検討すると明記されています。この附則は、財源を必ず見付け出す、赤字国債の増発にはつなげないとの決意表明だと理解いたしましたが、それでよろしいでしょうか。  国民の手取りを増やすという意味でこの法案の趣旨に賛同いたしますが、財源を見付け得なかったり、行財政改革をせずに赤字国債の発行を財源とするようなことになったりすれば、物価上昇というしっぺ返しを被るとアメリカの偉大な経済学者や実務家が警告していることを忘れてはなりません。  物価上昇、すなわちインフレは、買物をするときにより多くのお金が財布から出ていくという意味では消費税増税と同じです。経済学ではインフレのことをインフレ税といいます。したがって、万が一物価高が生じれば、所得税減税によって今度は消費税増税で賄うと、こういうことと同じことになると思いますが、いかがでしょうか。そのようなリスクを除く意味でも、本改正案の附則には十分過ぎるほどの注意が必要なことを指摘しておきたいと思います。  特に、総務省が二月二十一日に発表した一月の消費者物価指数は、前年同月比三・二%上昇、食料品をも含む総合は四・〇%にもなっています。これは、インフレ対策で大わらわし、インフレ再燃を怖がっている今のアメリカよりも高い数字です。このようなときだからこそ、一層、物価上昇の誘因にはならないように財源の確保や行財政改革を着実に実行していかなければならないのではないでしょうか。  ところで、本税制改革の附則①には、所得税の抜本的な改革について検討するとありますので、所得税の在り方について質問いたしたいと思います。  多くの人の負担は少なく、少人数の人の負担のみが高いとの税制だと、働いても働かなくても結果は同じとなり、それこそ労働意欲を低め、国力を落とすことになると思います。そこで、確認いたします。  まず、日本の総人口約一億二千三百五十万人のうち、今回の税制改革により所得税総合課税の適用を受けるのは何人ぐらいになるでしょうか。そのうち、限界税率五%の納税者、限界税率一〇%となる納税者はおよそ何人くらいで、総合所得の所得税を払っている人の何割ぐらいになるのか、お教えください。一方、限界税率三三%となる納税者、四〇%、四五%となる納税者は何人ほどとなり、総合課税の所得税を払っている人のどのぐらいの割合となるのでしょうか。  次に、五%の税率、一〇%の税率を引き上げる、すなわち課税最低限を引き下げない限り所得税による国の大幅税収増は無理だと認識していますが、その辺を確認したいと思います。  税収が不足していけば金持ちから取れと主張する方がいますが、金持ちが少なく、幾らこの層の税率を上げても国の税収はほとんど増えません。今後、行財政改革が成功せず、歳出増を増税に頼らざるを得なくなったとき、一%引き上げると国の税収はどのくらい増えるのかをお聞きいたします。五%の税率、一〇%の税率、四〇%の税率、四五%の税率を一%引き上げるとどのくらいの国の所得税収になるのか、お教えください。  国が増税を余儀なくされる事態になったら、良い悪い、好むと好まざるとを得ず、消費増税か課税最低限の引下げ、若しくはインフレ税しかなくなります。  三月六日の答弁で首相は、国民も苦しいが財政も苦しいと答弁されていましたが、まさにそのとおりだと思います。財政が苦しくなれば、国民はより多くの負担を強いられることになると思います。最後に、この点について見解をお聞かせ願えればと思います。  以上で質問を終わります。(拍手)    〔内閣総理大臣石破茂君登壇、拍手〕

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