○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。
私は、会派を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案に賛成の立場から討論いたします。
初めに、今回我々は賛成の立場を取りますが、例えば、防衛増税の入口となるようなたばこ税の増税に関しては、日本維新の会としては従来から反対であり、改正案の全ての項目に賛成するものではないことを申し述べておきます。その上でなお、大きく三つの理由から賛成いたします。
まず第一に、三十年間動かなかった百三万円の壁を引き上げるべきという国民の声に応え、基礎控除と給与所得控除を見直し、総額一・三兆円の減税につなげた点であります。
長引くロシアのウクライナ侵略や、エネルギー価格の高騰、急激な円安などによって物価が高騰し、今や消費者物価指数の上昇率は、政府目標の二%を大きく上回る水準にあります。賃金と物価の好循環を目指す中、増えない手取りと高い物価のギャップに苦しむ方々が今まさに数多くいる現状において、手取りを増やすため、必要な減税と社会保険料の引下げは不可欠です。
一方で、これまで所得税は、勤労意欲や事業意欲を阻害しない配慮といった観点から、何度も税率の引下げや累進性の緩和が繰り返され、本来あるべき所得の再分配の機能が低くなってしまったのは事実です。
また、急速な少子高齢化によって我が国の人口ピラミッドの形が大きく変わったため、多くの現役世代においては所得税負担よりも社会保険料負担の割合の方が高くなるという事態が起きています。現に、多くのサラリーマンの給与明細を見れば、所得税や住民税よりもはるかに高額の社会保険料が差し引かれているのが現実です。
社会保険料は一定の金額でその負担上限が決まっており、逆進性があります。社会保険料負担が重い、考えようによっては、給与所得で暮らす現役世代にとって、この社会保険料が世代間格差の拡大を助長しているという側面も見逃せません。
今回、自民党、公明党と我々日本維新の会が、この格差拡大の原因となっている現役世代の社会保険料負担を引き下げる方向で協議を開始することに合意いたしました。そして、この協議に先立って、いわゆる百三万円の壁を引き上げる議論が始まったこと、すなわち野党が政策で切磋琢磨し合う形で国民負担を下げることに取り組み、持続可能な社会保障制度を構築しようとしている姿勢こそ、まさに民主主義の原点であると確信しています。
国民の負担を軽減し、更に持続的な制度を実現すべく、今後も粘り強く真摯に協議を重ね、政策実現に全力を尽くしてまいります。
第二に、大学生、特定親族特別控除の創設により、アルバイトをしなければ生活できない学生が働きたくても働くことのできない状況を改善する制度となった点です。
大学生の本分は、言うまでもなく学業です。アルバイトに追われて、本来取り組むべき大切な研究や、次世代の価値を創造すべき起業といった形のイノベーションを起こす機会が失われるようなことがあっては、日本の未来にとって大きな損失です。
高等教育の質を下げてはならないことは、現在審議されている大学修学支援法の改正案においても重要な論点であり、学生たちが学びにしっかり集中できる環境を整えることは国の責任であると考えます。
第三に、ガソリン税の暫定税率撤廃に向け、自民党、公明党、日本維新の会で協議の場が設けられた点です。
我々日本維新の会としては、暫定税率の廃止を継続してマニフェストに掲げ、何度も法案を提出してまいりました。今、物価高騰の中で、ガソリン価格の高止まりは家計や物流、地方の暮らしを直撃しています。
もちろん、廃止に向けては、地方自治体への影響を考慮して、関係者と丁寧に調整するとともに、安定財源の確保などの課題に対しては責任を持って対応していくことが求められています。私たちは、現実的で迅速な準備を進め、可能な限り早期の暫定税率の廃止を目指してまいります。
最後に、これらの減税施策の推進に当たり、インフレ率には注意を向け続ける旨を申し述べます。
今、我が国の財政は、税収で補えない部分を国債の発行によって賄っています。発行された巨額の国債が日本銀行に残存する場合、利上げをすることができず、インフレが加速する懸念も否定できません。財源を見出さず、行財政改革をせず、赤字国債の発行を財源とすることとなれば、物価上昇というしっぺ返しを被ると米国の経済学者や実業家が警告していることを無視してはなりません。だからこそ、日本維新の会が結党より主張してきました行財政改革は、今こそ徹底して進めていかなければなりません。
二月に交わされた自民、公明、維新の三党による合意文書には、「各施策の実現に当たっては、政府全体で徹底した行財政改革を行うことなどにより安定財源を確保する。」と記載されています。
財政の健全化に向けた行財政改革の実施と、そのために協議の場が開かれ、政策において切磋琢磨すること、そして政策が確実に実施されていくのを今後もしっかりと見定めていくことを前提に、賛成の討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
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