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石破茂 ·自由民主党・無所属の会 ·内閣総理大臣

参議院本会議(2025-04-18)での発言

第217回国会 ·第第14号号 ·4,701字
○内閣総理大臣(石破茂君) 木戸口英司議員の御質問にお答えをいたします。  合衆国の関税措置に係るトランプ大統領の認識及び我が国の対応についてのお尋ねをいただきました。  今般の協議における議論の詳細につきましては、外交上のやり取りであり、言及を差し控えますが、その上で、トランプ大統領からは、国際経済において合衆国が現在置かれている状況について率直な認識が示されると同時に、日本との協議が最優先であるとの発言があったとの報告を受けております。  赤澤大臣においては、お尋ねのベッセント財務長官を含む合衆国政府関係者との間で時間を掛けて率直かつ建設的な議論を行いましたが、日米間では依然として立場に隔たりがあります。  政府といたしましては、今回の協議も踏まえつつ、引き続き、政府一丸となって最優先かつ全力で取り組んでまいる所存でございます。  なお、米国の関税措置について、まずは影響を十分に分析をし、その上で資金繰り対策などの必要な対策を講じていく考えであり、新たな経済対策について検討しておるという事実はございません。  昨年末に発生した大規模なサイバー攻撃事案の検証と法案への反映についてのお尋ねをいただきました。  本法案を検討するに当たって開催したサイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議では、過去に国内外で発生したサイバー攻撃事案を踏まえた議論が行われ、昨年十一月に提言をいただいたところであります。  御指摘の年末年始にかけて発生いたしました航空会社等に対するサイバー攻撃は、有識者会議から御提言をいただいた後に発生をしたものでありますが、内閣サイバーセキュリティセンターにおいて事案の分析を行い、本年二月四日に同種事案への具体的な対策を明記した注意喚起の文書を公表しておりますが、本件に関して事業者から寄せられた御要望も法案の検討に当たって参考とさせていただいたところでございます。  本法案による新たな制度の運用に当たりましては、その時々のサイバー空間の情勢、個別のサイバー攻撃の手法などの分析結果を活用し、我が国のサイバー安全保障に万全を期してまいります。  官民連携の強化についてのお尋ねをいただきました。  お尋ねのサイバーセキュリティ協議会は、サイバーセキュリティ基本法に基づくものであり、官民が相互に連携し、サイバーセキュリティの確保に資する情報を迅速に共有することにより、サイバー攻撃による被害の予防と拡大防止に一定の成果を上げてきたものと認識をいたしております。  他方で、国家を背景とした高度なサイバー攻撃への懸念の拡大や社会全体におけるデジタルトランスフォーメーションの進展を踏まえますと、官民連携の取組を更に強化する必要があるものと考えております。  このような問題意識の下、サイバー対処能力強化法案における情報共有及び対策に関する協議会につきましては、政府が新たな権限の下で収集した情報を内閣総理大臣が整理、分析し、その結果をサイバー攻撃による被害防止のために協議会の構成員に共有する旨を規定しております。また、政府が保有する秘匿性の高い情報についても共有できるよう、協議会の構成員による安全管理措置を法定しているほか、守秘義務違反に対する罰則の引上げも行っております。  この新たな法律の下で、官民連携を一層強化し、我が国全体のサイバーセキュリティの強化を図ってまいります。  通信情報の利用についてのお尋ねです。  サイバー対処能力強化法案に基づき政府が取得する通信情報には様々なものがございますが、通信情報の分析対象となるのは、何ぴとにも閲覧などの知得をされない自動的な方法によって選別された重大なサイバー攻撃に関係があると認めるに足りるIPアドレス等の機械的情報でございます。メールの本文やIP電話の通話内容のようなコミュニケーションの本質的内容に係る情報につきましては、何ぴとにも閲覧などをされることのないまま消去することとしております。  自動的な方法により選別される機械的情報には、例えば一定のメールアドレスのように、ほかの情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなる情報も含まれる可能性がありますが、こうした情報につきましては、ほかの情報と照合しない限り特定の個人を識別できないようにする非識別化措置を講ずることとして、プライバシーの保護にも十分配慮することとしております。  また、本法律案では、政府が取得した通信情報について安全管理措置を講じなければならないこと等を定めております。これらの措置が適切に講じられているか否かについては、独立性の高いサイバー通信情報監理委員会が検査を行うことといたしており、これにより、通信情報の利用等が法律にのっとって適正に実施されることを確保しております。また、通信情報を保有する行政機関の職員が通信情報が記録されたデータベースを正当な理由なく提供した場合などには、最高で四年以下の拘禁刑などの罰則を科すこととしております。  このように、通信の秘密の尊重等のため所要の枠組みが設けられているところであり、政府としては、引き続きこうした本法案の内容を丁寧に説明をし、広く御理解をいただけるように努めてまいります。  通信の秘密の尊重に関する衆議院での修正についてであります。  衆議院における法案修正では、サイバー対処能力強化法の運用に当たって、通信の秘密を尊重しなければならない旨を明記する規定が追加されたものと承知をしております。  国会で行われた法案修正について政府の立場から評価をすることは差し控えますが、この法案が可決されました場合には、こうした修正に係る御議論の内容を十分に踏まえながら、関係職員への周知や啓発等により、通信の秘密を尊重、徹底するよう取り組んでまいります。  サイバー通信情報監理委員会の承認を得るいとまがない場合の対応等についてであります。  この度の法案では、警察官及び自衛官がアクセス・無害化措置を実施する際には、権限行使の適正性を組織的に判断するため、警察庁長官等、又は防衛大臣が指揮を行うこととしております。  サイバー通信情報監理委員会の承認を得るいとまがない場合であっても適正に措置が行われますよう、平素から訓練、研修を徹底するとともに、適切に指揮を行ってまいります。  また、サイバー通信情報監理委員会は、アクセス・無害化措置の事後通知を受けた場合には、実施された措置が適切かどうかを確認し、必要に応じて勧告するものとされております。  政府としては、こうした勧告を受けることがないよう、常に法令を遵守し、措置の適切な実施に細心の注意を払ってまいりますが、仮に勧告がなされた場合には、これに従い、同種事案の再発防止に万全を期すなど、適切に対応いたしてまいります。  アクセス・無害化措置の実施に関する総論的な対処方針について、また、対処方針と監理委員会の判断が異なる場合についてのお尋ねをいただきました。  国、基幹インフラ事業者等に対する一連の重大なサイバー攻撃の発生又は予兆を認知し、アクセス・無害化措置を実施する必要があると認められる場合には、国家安全保障の観点からこれが適切に行われるよう、私自身が議長を務める国家安全保障会議で速やかに審議をした上で総論的な対処方針を定めることとなります。ここに言う総論的な対処方針とは、そのような一連の重大なサイバー攻撃、いわゆるサイバー攻撃キャンペーンの対応における基本的な方針であります。  その上で、この総論的な対処方針に基づき、サイバー安全保障担当大臣の指導の下で、内閣官房に置かれる新組織が、国家安全保障局と緊密に連携して、個別のアクセス・無害化措置の執行についての警察、自衛隊の役割分担等を速やかに決定し、その後、措置の実施主体たる警察又は自衛隊が個別の措置についての法的手続に入ることとしております。  仮に、この手続において国家安全保障会議で決定した総論的な対処方針に基づくアクセス・無害化措置がサイバー通信情報監理委員会に承認されなかった場合には、当該措置は実施されないこととなります。  他方、政府としては、承認を得られないことにより、必要な措置が実施できず、国、基幹インフラ等を守れないということがないように、常に法令を遵守し、適切な決定が行われますように細心の注意を払ってまいります。  サイバー攻撃に関する国際法のルール整備への我が国の参画についてのお尋ねです。  これまでの国連における議論の結果、国連憲章全体を含む既存の国際法がサイバー行動にも適用されることが確認されており、我が国も積極的に議論に参加してまいりました。  現在、国連全加盟国が参加可能なサイバーセキュリティに関する議論の場として、国連総会決議に基づき、国連オープン・エンド作業部会が設置されております。ここにおいて、これまでの議論の成果を基礎としつつ、サイバー行動に関する国際法を含め、国家の責任あるサイバー行動に関する議論が行われているところでございます。  引き続き、こうした国際社会における議論に積極的に関与いたしてまいります。  国会に対する報告についてお尋ねをいただきました。  衆議院における法案修正では、サイバー通信情報監理委員会から国会への報告内容に含まれるべき事項を具体的に列挙する規定等が追加されたものと承知をいたしております。  この国会への報告を通じて、能動的サイバー防御に係る制度の運用状況を国会に御確認いただくことは、運用の透明性を高め、国民の皆様の信頼を得ていく上で極めて重要であると考えております。  この報告では、御指摘の承認の件数だけではなく、勧告、違反の通知、懲戒処分の要求などの概要についても報告することとされておりますが、法律が規定する事項を上回る内容を国会に報告するか否かは、高い独立性を持つサイバー通信情報監理委員会において判断するべきものと承知をいたしております。  同委員会による報告に加えて、国会から、国会法等に基づく更なる報告等のお求めがありました場合には、関係法令にのっとって適切に対応いたしてまいります。  国際協調についてでございます。  サイバー空間における脅威には、どの国も一国だけでは対応できません。自国の体制及び能力を強化するとともに、同盟国、同志国と連携して対応していくことが重要であります。  今般の立法措置により我が国としてアクセス・無害化措置の実施が可能となりますが、効果的に制度を運用するため、同盟国、同志国とは情報収集、分析の段階から、より一層の連携確保に努めてまいります。  今般のアクセス・無害化措置は、国際法上許容される範囲内において、警察権に基づく必要最小限度の措置として行うものであり、いたずらに国同士の緊張関係を高めるものではないと考えておりますが、我が国の取組が国際的にも十分理解されることは重要であることから、平素から国際的なサイバーセキュリティの議論の場で情報発信を行うなど、我が国の考え方について積極的に説明をいたしてまいります。  残余の御質問につきましては、関係大臣から答弁をさせていただきます。  以上でございます。(拍手)    〔国務大臣平将明君登壇、拍手〕

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