○内閣総理大臣(石破茂君) 竹詰仁議員の御質問にお答えを申し上げます。
我が国のサイバー対処能力を高めるための取組についてでございます。
令和四年に閣議決定をした国家安全保障戦略では、サイバー安全保障分野での対応能力を欧米主要国と同等以上に向上させることを目標に掲げ、その柱として能動的サイバー防御を導入することといたしました。
この度の法案では、欧米主要国と同様に、政府から民間への情報提供、一定のインフラ事業者からのインシデント報告や、通信情報の利用、アクセス・無害化などについて、必要な枠組みや権限を設けることといたしております。また、サイバー安全保障分野の政策を一元的に総合調整をする新たな組織を設けることといたしております。
今後、更なる体制強化も進めながら、御指摘のインテリジェンス能力の強化を含め、サイバー安全保障に係る取組を総合的に推進し、国家安全保障戦略を掲げた目標の実現に努めてまいります。
協議会の運用等についてでございます。
サイバー対処能力強化法案では、サイバー攻撃による被害の防止に必要な情報共有等を官民で行うための協議会を組織することといたしております。協議会の構成員には資料の提出等の求めへの応諾義務等もあることから、協議会の構成員に加えるに当たっては当事者から事前の同意を得ることとしております。このため、法が施行されていない現段階において協議会に参加する事業者数の見込みをお示しすることは困難でございますが、基幹インフラ事業者はもちろんのこと、これらの事業者と取引のある事業者や、国として守るべき機微技術を保有する事業者などにも協議会に参加をしていただくことを想定いたしております。
協議会の構成員に対しましては、重要経済安保情報保護活用法のセキュリティークリアランス制度を活用しつつ、政府から秘密を含む被害防止情報を提供することを想定いたしております。協議会の具体的な運用の在り方等につきましては今後検討を進めていくこととなりますが、協議会に参加することの意義、メリットを感じていただけるよう運用に努めてまいります。
このような取組を通じ、民間事業者を含めた我が国全体のサイバーセキュリティの強化を図ることにより、安定的な経済活動や我が国の技術的優位性を確保し、産業競争力の強化に寄与してまいります。
通信情報の安全管理措置についてでございます。
この度のサイバー対処能力強化法案では、内閣総理大臣は、取得した通信情報について、その安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない旨を規定いたしますとともに、サイバー通信情報監理委員会がその遵守状況を継続的に検査することといたしております。
安全管理措置の具体的な内容としては、例えば通信情報の取扱いの業務を行わせる職員の範囲を適切に定めることなどが挙げられますが、詳細については今後内閣府令で定めることといたしております。サイバー通信情報監理委員会とも協議をし、パブリックコメントの内容も考慮した上で適切な安全管理措置が講じられるよう検討を行ってまいります。
安全管理措置のために必要な予算規模につきましては、現時点でお示しすることは困難でありますが、法案が成立いたしました場合には、必要な予算が十分に確保できますよう取り組んでまいります。
アクセス・無害化措置に関する訓練や誤った措置を回避するための方策についてのお尋ねです。
警察及び自衛隊におきましては、これまで、大規模なサイバー攻撃を想定した訓練、研修、国内外の学術機関への職員派遣などを行ってきたところであり、例えばNATOの研究機関が主催するサイバー防衛演習にも参加するなどいたしております。引き続き、こうした取組を推進し、各国が持つ知見や技術も積極的に吸収をしながら、アクセス・無害化措置に当たる職員の能力向上に努めてまいります。
警察官及び自衛官がアクセス・無害化措置を実施する際には、権限行使の適正性を組織的に判断するため、警察庁長官等又は防衛大臣による指揮を受けなければならないことといたしております。アクセス・無害化措置については、あらかじめ高い独立性を持つサイバー通信情報監理委員会の承認を得なければならないこととし、当該措置が法律にのっとって適切に実施されることを確保いたしております。
先ほど申し上げたアクセス・無害化措置に従事する職員の能力向上の取組に加え、当該措置に係る規定を適切に運用することにより、万が一にでも誤ったアクセス・無害化措置が行われることのないように取り組んでまいります。
サイバーセキュリティ人材の育成、確保についてでございますが、サイバー攻撃の脅威が深刻化する中、サイバーセキュリティ人材の確保や育成は重要な課題であると、このように認識をいたしております。
政府といたしましては、今後、御指摘の有識者会議からいただいた御提言も踏まえ、サイバーセキュリティ人材に求められる役割、知識などを明確化することで、長期的なキャリアパスの明示を図るとともに、サイバーセキュリティの重要性に対する経営層の方々の御理解を促進し、サイバーセキュリティ人材の地位向上や処遇の改善などにつなげてまいりたいと考えております。
防衛省・自衛隊におきましては、これまで、サイバー専門部隊の拡充や情報システムのリスクを常時継続的に分析、管理する枠組みの導入、諸外国との共同演習などといった取組により、サイバー分野における最新の知見を積極的に導入しながらサイバー防衛能力を構築してきておるところでございます。
今後も、サイバー分野の専門教育の拡充や、諸外国とのサイバー防衛協力の強化などを進め、サイバー専門部隊の隊員が専門性を継続的に高めることができますよう、必要な取組を進めてまいります。
偽情報対策についてであります。
インターネット空間では、世界各国の情勢や多様な知識、意見を容易に入手できるという利点があります一方で、真偽不明の情報に翻弄されるおそれも存在しております。御指摘の偽情報も、適切な意思決定を阻害し、民主主義や国家安全保障に悪影響をもたらし得るものでございます。
政府におきましては、令和四年に閣議決定した国家安全保障戦略に「偽情報等の拡散を含め、認知領域における情報戦への対応能力を強化する。」と明記いたしました上で、外国からの偽情報等の収集、集約、分析や、偽情報等に対する対外発信などの対策を内閣情報官、内閣広報官、外政を担当する内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長を含めた体制において一体的に推進をしております。
今後、生成AI技術の更なる発展に伴い、これを悪用した偽情報の脅威が増大していくことも強く懸念されております。AIにつきましては、イノベーションの加速とリスクへの対応を両立させる法案を今回、今国会に提出しているところでございますが、引き続き、偽情報対策に関する諸外国の事例についても情報収集を行いつつ、効果的な対策について不断の取組を進めてまいります。
以上でございます。(拍手)
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API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=石破茂
MCP: search_diet_speeches(speaker="石破茂")