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柴田巧 ·日本維新の会

参議院本会議(2025-05-28)での発言

第217回国会 ·第第22号号 ·3,678字
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。  私は、会派を代表して、ただいま議題となりました日本学術会議法案について質問をいたします。  日本学術会議は、設立から七十六年を経た今、その役割が国民から見えなくなっており、既にその役割を終えたとの声すら上がっています。それゆえ、本法案が学術会議の抜本的改革を実現する第一歩となるのか否か、そういう観点から以下お尋ねをしていきます。  まず、学術会議のこれまでの活動に関する評価及び本法案による変化についてです。  本法案は、我が国のナショナルアカデミーである日本学術会議について、その求められる使命、目的を果たすことのできる組織として機能強化を図る上で、現在のような国の機関のままの改革では限界があるため、国から独立した法人格を有する組織として新たに設立しようとするものと承知をしております。  学術会議には、いわゆる政策のための科学、サイエンス・フォー・ポリシーの観点から、例えば気候変動、人口減少、エネルギー、安全保障など、近年複雑化、深刻化が進む様々な社会課題に対し、科学的エビデンスや学術的な知見を適切に整理し、世界的、社会的にインパクトのある提言を行うことなどが期待されているところです。  そこで、こうした観点から見て、これまでの学術会議の活動に対しどのように評価し、本法案によりどのような変化を期待しているのか、坂井大臣にお伺いをいたします。  次に、安全保障に資する研究についてお尋ねします。  学術会議は、昭和二十五年に「戦争を目的とする科学研究には絶対従わない決意の表明」、また、昭和四十二年に「軍事目的のための科学研究を行わない声明」、そして、平成二十九年には「軍事的安全保障研究に関する声明」等と、安全保障に資する研究に対し否定的な発信を繰り返し行ってきました。特に平成二十九年の声明では、「軍事的安全保障研究と見なされる可能性のある研究について、その適切性を目的、方法、応用の妥当性の観点から技術的・倫理的に審査する制度を設けるべきである。」としました。  この声明のフォローアップとして令和二年八月に出された「「軍事的安全保障研究に関する声明」への研究機関・学協会の対応と論点」によると、この提言を受けて何らかの審査制度を設けたり検討しているかの設問について、回答が得られた百三十五の大学等研究機関のうち、声明をきっかけに新たに審査制度を設けたが一二・六%、新たに審査制度を設けるかどうかを検討中が三二・六%で、合わせると半数近くになります。このように、軍事的安全保障研究に関する審査制度の整備をめぐる議論に声明が重要なインパクトを与えたことを示しています。  光石日本学術会議会長は、五月九日の衆議院内閣委員会で、平成二十九年声明はいわゆるデュアルユースに係る研究のような安全保障に資する研究を一律に禁止する趣旨のものではないと答弁していますが、同声明は、審査制度というハードルを設けることを提唱し、多くの研究機関がそれに応じたことで、結果として我が国の安全保障に資する研究にネガティブな影響を与えてしまったのではないでしょうか。中谷防衛大臣の見解をお伺いをいたします。  次に、組織形態の在り方についてお尋ねをします。  本法案は、学術会議を特殊法人として設立し独立性、自律性を高めることで機能強化を図ろうとするものでありますが、学術会議からは、総理任命の監事による監査、中期的な活動計画や年度計画の策定、それらに対する内閣府に置かれる日本学術会議評価委員会の関与、選定助言委員会の設置を含む会員選任の仕組み等について、政府の関与が大きく、独立性、自律性に懸念があるとする声明が決定されています。  監事による監査や評価委員会の関与などは、財政民主主義の観点から必要最小限のものではないかと考えられますが、それですら支障があるというのであれば、独立性、自律性の確保と財政民主主義の要請の両立の実現は極めて困難ではないでしょうか。  そこで、学術会議の求めるような独立性、自律性を確保するためには、本法案によりまずは特殊法人として設立するとしても、国費に依存しない財源基盤を早急に整え、公益法人など純粋な民間法人への速やかな移行を目指すべきではないでしょうか。坂井大臣の見解を求めます。  続いて、会員選任、会長選任への説明責任等についてお尋ねをします。  会員選任について、透明性、国民への説明責任などの観点から、選任理由等の公表は当然に行うべきことでありますが、本法案では、第二十九条第二項で、会議は、選任された会員の研究又は業績の内容及び選任した理由、その他の措置を講ずることにより、会員の選任の過程を国民に明らかにするよう努めなければならないとして、努力義務にとどまっています。  第二十一条第四項並びに第二十二条第五項において、会長や副会長については選任理由等の公表が義務化されていますが、会員についても同様に選任理由等の公表を義務付けるべきではないでしょうか。そこで、努力義務規定とした理由は何か、坂井大臣にお伺いをします。  現在の学術会議の会員について、選考理由や抱負を記載した資料が学術会議により公表されていますが、国民に積極的に説明しようという気があるのかと疑いたくもなるような、学術会議ウェブサイト上の非常に分かりづらいところに掲載されています。また、選考理由は、これまでの活動や受賞歴など簡潔な内容しか書かれておらず、抱負の記載についても一言か二言程度しか述べられていない会員が多いのが現状です。  そこで、本法案に基づき選任理由の公表等が努力義務化されていることになりますが、これまでの学術会議の取組も含め、今後どのような対応がなされることを期待しているのか、坂井大臣にお伺いをします。  現行日本学術会議法第八条に基づく会長互選の仕組みはまさにブラックボックス状態であり、選任理由について説明するような資料も見当たりません。有識者懇談会の最終報告書では、例えば学術会議の内部に会長選考委員会、仮称を置くなどして、会長候補者の資質や業績を整理し、会員間で会長候補についての十分な情報を事前に共有することが考えられると記載されていましたが、本法案では会長選考の具体的な仕組みについては一切規定されておりません。これは、学術会議の独立性、自律性、自主性に配慮して条文上規定を置かず、内部規則に委ねることにしたとのことでありますが、新たな学術会議において、これまでのようなブラックボックス状態の仕組みが継続されることがあってはならないと考えます。  そこで、会長選考は、学術会議の運営全体に多大な影響をもたらす極めて重要なものであることに鑑みて制度設計の検討を行うべきでありますが、坂井大臣の御見解をお伺いをします。  学術会議の法人化のメリットとして、会員が国家公務員ではなくなることから、外国人を会員として選任できるようになることが挙げられています。海外の知見を活用する観点から、外国人会員の重要性は否定しないものの、昨今の国際情勢に鑑みると、研究インテグリティーや研究セキュリティーの観点についても十二分に考慮する必要がありますが、どのように認識し、学術会議にどのような対応を求める考えか、坂井大臣にお伺いをします。  第三十四条に秘密保持義務規定が設けられていますが、対象は会議の役員、役員以外の会員及び職員に限られています。例えば、現在の連携会員のような立場の者や、運営助言委員会の委員等については対象外ということになるのでしょうか。そうであるとすれば、当然、そうした者に秘密情報を共有することは秘密保持義務違反に問われることになるという認識でよいのか、併せて坂井大臣にお伺いをします。  最後に、財政的支援についてお尋ねをします。  特殊法人への移行後も、当面は国からの財政的支援が継続されることが見込まれ、学術会議が策定する年度計画を踏まえ、活動に必要な予算額が査定されることになります。現在の学術会議においては、翌年度の活動内容を示すような年度計画は策定されていないものと承知をしていますが、どのようにして必要な予算額が査定されているのか。また、慣例により前年度同程度の予算措置が続けられているかのような疑念を持たれないようにするためにも、法人化後は予算措置の明確な根拠を求められると考えますが、併せて坂井大臣の見解をお伺いします。  終わりに一言申し上げます。  日本維新の会は、国民生活のあらゆる分野で最新の科学研究や学問的知見が生かされるべきだと考えています。その一端は、現在開催中の大阪・関西万博でじかに感じることができるでしょう。今後、国民を豊かにする科学が一層発展することを願って、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)    〔国務大臣坂井学君登壇、拍手〕

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