○国務大臣(加藤勝信君) 浜野議員からGX経済移行債を発行する理由についてお尋ねがありました。
政府としては、GXの移行に向けて長期、複数年度にわたる投資促進策を講じるため、受益と負担の関係を見える化するようにエネルギー特別会計を用いて歳入歳出を管理することとしています。
その上で、安定した財源を確保してGXを推進する観点も踏まえ、カーボンプライシングを導入し、大胆な先行投資支援を実現するために、そのカーボンプライシングの将来財源を裏付けとしてGX経済移行債を発行することとしております。
次に、自国通貨建てである日本国債に関し、債務不履行となる可能性や安定消化できている理由についてお尋ねがありました。
諸外国の例について申し上げますと、例えばアルゼンチンでは、変動相場制に移行した二〇〇二年以降にも自国通貨建ての国債の支払延期が行われた例があるものと承知をしています。
このような例を踏まえれば、一たび財政の持続可能性への信頼が損なわれれば、たとえ変動相場制の下での自国通貨建ての国債であっても、市場からの資金調達が困難となる可能性は否定できないものと考えております。
これまでのところ、日本国債の安定消化に支障は生じておりません。この背景には、我が国が厳しい財政状況の中にあっても、経済再生をしっかり図りながら、財政健全化目標を掲げて、財政健全化に向けた意思を示し、歳出改革努力を継続するなど、必要な政策対応を行うことで市場からの信認を維持してきたことがあると考えております。
各投資家の認識は、経済財政の状況や政府の対応などを踏まえて日々変化し得ることを踏まえれば、常に市場の信認の維持に努めていくことが重要であり、引き続き、財政健全化に向けた取組を着実に進めるとともに、国債の安定消化のため、市場の状況や投資家の動向などを注視し、市場参加者との丁寧な対話を行いながら、適切な国債管理政策に努めてまいりたいと考えております。
なお、金融機関が日銀に保有する当座預金につきましては、日銀に預けることが義務付けられている所要準備を超える金額、超過準備に対し日銀から利息が支払われており、その上で、各金融機関が保有している資金を日銀の当座預金として預けておくか国債等への投資を行うかといった資金の使途については、各金融機関の経営判断に委ねられているものと承知をしております。
次に、日銀の国債買入れについてお尋ねがありました。
国債買入れを含む金融政策の具体的な手法は、日銀に委ねられるべきと考えており、政府としてコメントすることは差し控えます。
その上で、一般論として申し上げると、財政の信認が失われる際に生じる金利急上昇への対応として、仮に中央銀行による大規模な国債買入れが行われたとしても、物価、金融情勢への期待が不安定な中、通貨供給量が過度に増加することによって過度なインフレを招くことで、家計の購買力の大幅な低下や預貯金等の国民が保有する資産の価値の毀損といった国民経済や企業活動に対する深刻な影響が生じる可能性があると考えております。
日銀による金融政策については、政府・日本銀行の共同声明に沿って政府と緊密に連携を図り、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現に向けて適切な金融政策運営が行われることが重要と考えております。
次に、物価動向についてお尋ねがありました。
現在の物価上昇の背景には、大きく分けて二つの動きがあると認識をしております。国際的な原材料価格の高騰や円安などを背景とした輸入物価の上昇を起点とした物価上昇、食料品価格の上昇が継続しているという面がある一方で、三十年にも及ぶデフレ下でのコストカット型の行動様式が変わり、賃金上昇が通じた持続的な物価上昇の動きが見え始めている段階にありますが、足下四月の消費者物価指数は総合で前年同月比プラス三・六%となるなど、インフレの状態であると認識をしております。
今後において、財政運営方針や金融政策運営への信認が損なわれるなど、金融市場の動向等を受けて過度なインフレが生じる可能性は排除できず、そうした点も踏まえた財政政策、金融政策が求められていると考えております。
最後に、財政支出による国力の維持強化についてお尋ねがありました。
骨太の方針二〇二四においては、財政健全化の旗を下ろさずこれまでの目標に取り組むことや、財政健全化の取組を後戻りさせないこと、他方で、経済あっての財政であり、現行の目標年度を含めた財政健全化目標により、状況に応じたマクロ経済政策の選択肢がゆがめられてはならないことが明記されており、政府としては、こうした方針に沿って、経済・物価動向等に配慮しながら、これまでの歳出改革努力を継続するとともに、必要な経済対策や税制改正を実施してまいりました。
今後とも、足下の物価高対策など必要な対策は丁寧に講じる一方で、災害の激甚化や安全保障環境の変化などを踏まえれば、国民の安全と安心を預かる政府としては、様々な有事に備え、財政余力を確保することも重要であると考えております。(拍手)
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