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倉林明子 ·日本共産党

参議院本会議(2025-06-18)での発言

第217回国会 ·第第28号号 ·2,996字
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  会派を代表して、ただいまの報告に対して質問します。  参議院の行政監視機能の強化に向けて、昨年、ジェンダー主流化の必要性を提案しました。しかし、公表された二〇二五年ジェンダーギャップ指数は、昨年と同様、百十八位と先進国で最下位であり、世界から大きく遅れたままとなっています。  男女雇用機会均等法は、一九七九年に採択された女性差別撤廃条約批准に向けて制定されました。女性たちは職場における女性の地位向上と差別禁止を求めましたが、労働基準法の改悪により、男性並みの働き方との平等とされ、女性の残業や夜間・休日労働を規制緩和する保護抜き平等となったのです。均等法制定から四十年、雇用におけるジェンダー平等は進んだと言えるのでしょうか。  女性の賃金は、正規雇用でも男性の七八%、非正規雇用を含めると五六%と、いまだ大きな男女賃金格差が存在します。現在も働く女性の半数以上が非正規雇用です。とりわけ有期雇用契約は、契約の更新時期が近づくたびに雇い止めの不安に駆られ、体調を崩し、上司にも意見も言えず、ハラスメント被害の相談さえもちゅうちょするなど、労働者としての権利が奪われています。  恒常的な業務を有期雇用とすることで、待遇を低く抑え、雇用の調整弁とする働かせ方を早急に是正すべきではありませんか。  働く女性の半数以上が低賃金で不安定な非正規雇用で働いている実態そのものが間接差別にほかなりません。間接差別の対象範囲を拡大し、賃金を含め、あらゆる間接差別の禁止に踏み出すべきです。  国連女性差別撤廃委員会の勧告を踏まえ、雇用の分野におけるジェンダー不平等の根底にある、女性の無償労働を前提とした男性の長時間労働といった男女の固定的役割分担に基づく企業主導の働かせ方を是正する必要があると考えますが、いかがですか。  ハラスメントの被害もいまだ深刻です。均等法にセクハラの防止措置義務が導入されて十八年が経過します。しかし、いまだに多くの女性がセクハラ被害に苦しんでいます。救済制度も金銭解決のみ、額も低額です。被害者が求めているのは、被害の認定、謝罪、再発防止、職場で名誉を回復し、安心して働き続ける保障です。現在の防止措置義務を中心とした法整備では、被害者の声に応えられないことは明らかです。  ハラスメントに関する国際基準であるILO第百九十号条約の速やかな批准、ハラスメントを包括的に禁止する法整備の創設を求めます。  以上、厚労大臣の答弁を求めます。  日本が女性差別撤廃条約を批准して四十年。日本の女性差別、ジェンダー平等の遅れは依然として深刻です。選択議定書の批准を求める地方議会の意見書は、今年五月現在、三百七十二議会に上っています。条約を全面実施し、実効あるものにするために、調査制度と個人通報制度を定めた選択議定書を早期に批准すべきです。  政府は一九九九年の議定書採択直後に研究会を設置したものの、あれから四半世紀、いまだに結論が出されていません。女性差別撤廃委員会から、検討に時間を掛け過ぎているとして、速やかな批准をするよう繰り返し勧告されています。  外務大臣、一体いつまで検討を続けるのですか。批准できない理由を明確にお答えください。  選択的夫婦別姓の国会請願が初めて提出されてから五十年、法制審の建議から約三十年、事実上たなざらしにされ続けてきました。  初めての国会審議の中で明らかになったのは、同姓を強いる現行制度がもたらす理不尽さです。姓名は個人が生きてきた人生の象徴であり、改姓の強制は、人格権の大事な一部、アイデンティティー喪失の問題であり、積み上げたキャリアの喪失にもつながるものです。個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚した制度とは言えない現状は早急に解消すべきです。  女性差別撤廃委員会は、二十年以上前から四度の勧告を続けています。昨年の総括所見では、これまでの勧告に対しいかなる措置もとられていないと厳しく批判し、来年十月までに民法改正の進捗報告を求めています。これ以上の選択的夫婦別姓制度の先送りは許されません。速やかな導入を求めるものです。法務大臣の答弁を求めます。  締約国には、条約を遵守し、勧告を実施する国際的責任があります。条約実施に向けて、総括所見を生かし、国際的な水準でジェンダー平等を大きく前進させることを強く求めます。官房長官の答弁を求めます。  決定された骨太方針二〇二五の副題は、「「今日より明日はよくなる」と実感できる社会へ」としています。あしたの見通しどころか崩壊の危機が迫っているのが地域医療、介護の現場です。  自民、公明、維新の会は、病床十一万床を二七年度までに削減すると合意しました。既に、病床数適正化支援事業の活用を希望する病床数は五万床を超えています。病床が減れば、地域で働く医師、看護師の体制後退も避けられません。  コロナ禍で医療崩壊は現実のものとなりました。二年間で十一万床もの病床を削減して、どうやってパンデミックから国民の命を守れるのか。明確な答弁を求めます。  多くの患者が必要な医療を受けられず、施設や在宅に放置され亡くなったことなどなかったかのような病床削減は、到底容認できません。コロナ禍でどれだけの人がなぜ入院できず死亡したのか、まず国として検証すべきではありませんか。  ある日突然病院がなくなる、この警告が現実味を帯びています。急激な病院の経営悪化、閉院、倒産が相次いでいます。看護師の離職が止まらず、病棟閉鎖や、救急医療の受入れ停止や廃止などが広がっています。  骨太方針は、ケア労働者の処遇改善について二五年度末までに検討するとしていますが、余りにも遅過ぎます。医療崩壊を止め、医療従事者の賃上げを図るため、緊急に国費を投入し、診療報酬の基本の部分を引き上げるべきではありませんか。  介護現場も人手不足が深刻化し、介護事業所の撤退、倒産が続出、介護事業所ゼロの自治体も生まれています。介護職は一般労働者との賃金格差が拡大し、人材流出、介護基盤の崩壊が加速しています。介護関係者の私たちを見捨てないでほしいという叫びに正面から答えるべきです。  引き下げた訪問介護の基本報酬を直ちに元に戻し、期中改定を行い、介護報酬を底上げする、介護事業所の経営支援を直ちに行うべきです。あわせて、介護の事業が消滅、消失の危機にある自治体に対し、国費で財政支援を行う仕組みが必要です。いかがですか。  介護崩壊を止めるため、介護職の賃金を直ちに全産業並みに引き上げるべきです。  以上、厚労大臣の答弁を求めます。  国際労働機関であるILOは、二〇〇九年の総会で、人間らしい労働、ディーセントワークの核心はジェンダー平等であると位置付け、労働者の賃金や権利、社会保護などのあらゆる労働問題はジェンダー平等を促進する方向で解決すべきだとしています。ジェンダー平等が遅れた日本で、政府の責任で今踏み出すべきは、女性労働者が多くを占めるケア労働者の大幅な賃上げであること、その実現のために日本共産党は全力を挙げる決意を述べて、質問といたします。(拍手)    〔国務大臣福岡資麿君登壇、拍手〕

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