○国務大臣(岩屋毅君) 外務大臣の岩屋毅です。
政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、御挨拶を申し上げますとともに、所信を申し述べます。
世界は、今なお続くロシアによるウクライナ侵略、現下の中東情勢、気候変動を始めとする地球規模課題に直面し、対立と分断が深刻化しています。そうした中、グローバルサウスと呼ばれる途上国、新興国の存在感が引き続き増しており、国際協力の重要性は一層高まっています。
我が国は、全ての人が平和と安定、繁栄を享受できるよう、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持するとともに、誰一人取り残さないというSDGsの理念と人間の安全保障の理念の下、国際社会を分断から協調に導いてまいります。
こうした外交を推進する上で、我が国の特色である、人間を中心に据えたきめ細かな開発協力は、最も重要なツールの一つです。
二年前に改定した開発協力大綱では、新しい時代の人間の安全保障を指導理念に掲げつつ、途上国との社会的価値の共創により、当該国の課題解決と同時に、我が国の課題解決や経済成長にも資するODAを推進していくことを表明しました。
この開発協力大綱の下、我が国のODAは、国際社会の平和と安定、そして繁栄、及び我が国の国益の実現に貢献すべく、次の三点に重点的に取り組んでまいります。
第一に、新しい時代における質の高い成長の実現のための取組の推進です。
我が国の強みを生かして途上国の社会課題への解決策を共につくり上げるオファー型協力として、カンボジアとの間ではデジタル分野で、フィジーとの間では防災・気候変動分野で、それぞれ協力を進めていくことを確認いたしました。
こうしたオファー型協力を一層推進することを通じて、官民が連携する形で途上国の質の高い成長を実現し、同時に我が国の課題解決や経済成長につなげてまいります。
第二に、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持と強化です。
自由で開かれたインド太平洋の理念の下、法制度整備支援や平和構築、連結性と強靱性強化の実現に資する取組を引き続き力強く進めてまいります。
また、ロシアによるウクライナ侵略が四年目に入り、国際社会の随所で法の支配に大きな挑戦がもたらされる中、ウクライナを引き続き支援してまいります。未来を見据えた復旧復興支援において、我が国の知見や技術を生かした貢献を行ってまいります。
第三に、複雑化し、深刻化する地球規模課題への国際的取組の主導です。
昨年九月の国連未来サミットの結果も踏まえ、人間の安全保障の理念に立脚し、二〇三〇年までの国際社会全体でのSDGs達成に向け、食料、エネルギー、環境、気候変動、国際保健、防災、女性・平和・安全保障、いわゆるWPSといった分野に取り組んでまいります。
これらの取組を力強く進める上では、新たな時代に合わせたODAを支える制度と基盤の改善と強化が不可欠です。
民間資金フローの増大や途上国の開発ニーズの複雑化といった環境変化を踏まえ、独立行政法人国際協力機構法、すなわちJICA法の一部を改正する法律案を今次国会に提出いたしました。民間資金動員の促進や国内外の課題解決力を有するパートナーとの連携強化といった新しい仕組みを構築してまいります。
公的資金を原資とするODAは、国民の理解と協力が基盤であることは言うまでもありません。今後も、ODAが国民生活や経済成長に寄与していることを含め、ODAの必要性を分かりやすく説明してまいります。
本年はJICA海外協力隊発足六十周年であり、また、八月には横浜で第九回アフリカ開発会議を開催いたします。アフリカは累計で海外協力隊の最大の派遣先でもあります。人と人との信頼を基礎として、我が国とアフリカが協力して、アフリカ及び国際社会の様々な課題に対する解決策を共につくり上げてまいります。
以上の施策を前進させるべく、外務大臣として全力を尽くしてまいる所存です。
石井委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。
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国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
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MCP: search_diet_speeches(speaker="岩屋毅")