○参考人(細谷雄一君) ありがとうございます。
ロシアや中国が求める国際秩序ということでございますけれども、一般的によく指摘されるのが、中国やロシアは、多極的な世界、つまりはアメリカ一極、アメリカの圧倒的な力によって自分たちの価値、利益を押し付けられることがないような、中国やロシアも同等に自らの主張ができる世界をつくりたい、これがまず第一にあるんだろうと思います。そして、このことは、部分的には例えばフランスのような国、インドのような国も共感しているわけでございますので、そういった潮流というのは一定程度ある、BRICSなどは恐らくそういった志向性が強いんだろうと思います。
二つ目は、ロシア、中国が本来こだわっていたのは国家主権、つまり、ロシアの場合はチェチェンであって、中国の場合は新疆ウイグルのような、国際的に自国の国内での人権侵害などが批判されるということを嫌って、国家主権、主権の中の問題には口出しをするべきではない、中国の場合にはこれは台湾が入るわけですけれども、そういった主張をしていた。ところが、ロシアが今回ウクライナに主権を侵害したということは、実は従来の中国、もちろんロシアもそうなんですが、中国の主張と整合性が合わないんですね。つまり、ウクライナの東部四州を侵攻するということになると、これは彼らが考えるウクライナの国内の問題に対して主権を侵害して軍事介入を行ったわけですから、実はこれはロシアや中国が今まで主張していたロジックと矛盾する行動でもあるということでございます。
したがって、今ロシアや中国がどのような世界を望んでいるか。従来は防御的な、つまりはアメリカから人権など民主主義に関して、あるいはヨーロッパから干渉されることを嫌うということと、もう一方では、国家主権、自国の国内の問題については他国からの批判を受けないというような、主権を絶対化するような視点が強かったわけですけれども、これがいろいろと実は破綻し始めているということで、極めて防御的であると。ところが、一方で、中国の場合は数というものを非常にこだわっている。したがって、例えば一帯一路などの援助を通じて自らの立場に共鳴するような国々を世界に増やしていくと、BRICSには部分的にそういった部分もあるんだろうと思います。
つまり、そこで出てくるロジックというのは反米主義ですね、つまりアメリカが世界に自分たちの価値観を押し付けるんだということが、これが中東、イスラム諸国、アジア、アフリカで一定程度の共鳴を持っているということで、このことがやはり国際社会を混乱させているということ、つまり欧米が自らの価値観を押し付けているというような、言わば中国やロシアの心理戦、情報戦というものが一定程度浸透している部分もあると、これは今日の市原先生のお話にもあったとおりかと思います。
そういったものに対して、やはり日本が、つまり欧米ではない日本がそこに入る意味というのは実は非常に大きくありまして、むしろアジアの一国として、欧米のロジックというものが、あくまでも欧米の利益にこだわるのではなくて、普遍的な利益や価値を体現しているというふうに転換をするという、実は日本は非常に重要な役割を担っているというふうに考えております。
細谷雄一 の他の発言
2025-02-26 · 参議院外交・安全保障に関する調査会
○参考人(細谷雄一君) ありがとうございます。貴重な御質問、御意見いただきました。大変重要な課題だと感じております。
私の方から簡潔にお答えさせていただきたいと思います。
…
2025-02-26 · 参議院外交・安全保障に関する調査会
○参考人(細谷雄一君) ありがとうございます。
慶應義塾大学法学部の細谷と申します。
今日は、貴重な時間をいただきまして、このような私の方から説明をさせていただけることを大…
2025-02-26 · 参議院外交・安全保障に関する調査会
○参考人(細谷雄一君) 貴重な御質問ありがとうございました。
恐らく日本には二つの戦略を同時に進めることが必要だろうと思います。
まず第一に、今までは、例えばアメリカ、同盟…
2025-02-26 · 参議院外交・安全保障に関する調査会
○参考人(細谷雄一君) ありがとうございます。
やはり、おっしゃるとおり、国際社会の多数の国は、大国の一方的な都合によって現状変更し、領土を膨張するということに対して強い違和感…
2025-02-26 · 参議院外交・安全保障に関する調査会
○参考人(細谷雄一君) よろしいでしょうか。ありがとうございます。
なぜ今、自国中心主義が広がっているのか。これはもうポピュリズム、ナショナリズム、いろいろなものがございますけ…
2025-02-26 · 参議院外交・安全保障に関する調査会
○参考人(細谷雄一君) ありがとうございます。
まさにおっしゃられたとおり、経済的な相互依存が戦争を防ぐという考え方、これは元々のイギリスのマンチェスター学派と呼ばれるような、…
2025-02-26 · 参議院外交・安全保障に関する調査会
○参考人(細谷雄一君) 重要な問題提起、御質問、ありがとうございました。
まず第一に、一般的に今のトランプ大統領の政治、内政、外交については、専門家の間でよく指摘されるのが、こ…
2025-02-26 · 参議院外交・安全保障に関する調査会
○参考人(細谷雄一君) ありがとうございます。
国連の安保理常任理事国入りというものでございますけれども、重要な日本外交のこれまでアジェンダであったと思います。
私は、二つ…
API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=細谷雄一
MCP: search_diet_speeches(speaker="細谷雄一")