○岡本参考人 タムスグループの岡本です。
今日は、このような機会をいただいて、ありがとうございました。
僕は、三十三年前に診療所を開業しました。三十三年間、この業界をずっと見てきています。元々、余り人の前でしゃべるのは得意じゃないので、余り出てこないんですけれども、この一年半、診療報酬が変わってから、周りの先生たちの目つきが変わって、僕は、先週もお話しした先生から、先生、毎晩僕は寝るごとに三百万円ずつ借金が増えるんです、夜も寝られませんと言われました。そんな話をいっぱい聞くようになって、僕もきちっとお話を一回しに行かなきゃいけないのかなと思いました。
うちの病院、診療所、介護施設、保育園、全部で常勤の職員は今七千人ぐらいいます。みんなで必死にやっていますけれども、本当に大変です。そんな中で、今日お話しさせていただければと思います。
僕たち医療法人は、公益性を重んじつつ、経営環境の急変にも直面しており、もう破綻寸前です。現場の努力が報われるような公平な報酬、補助、制度運用を確保して、地域医療を持続可能な形で支える制度設計を何とかお願いしたいと思います。
一番最初は、診療報酬、実質的な引上げをお願いしたいと思っています。医療現場のコスト上昇を踏まえ、診療報酬を実質的に一〇%、何とか引き上げてほしい。
その理由というのはもう皆さん御存じだと思うんですけれども、医療機関では物価、人件費、建設費などの上昇が経営を圧迫しています。大体このくらい、八・二%、一四・四%、インフレになっているんですけれども。診療報酬、上がったというんですけれども、大体、誰も取れない点数が上がって、みんなが取れる点数は下がったりするので、上がらないんですね。これは、働いている側はみんなそうだと思います。ですから、何とか上げていただいて、普通に賃上げできるような、そういう業界にしてほしいと思っています。
あと、次は、診療報酬制度関連事務の簡素化です。三十三年間で物すごく増えました。関東厚生局に電話しても、関東厚生局の人も今すぐには答えられません、三日ぐらいかかります。本当に、算定ルールや同意書などの事務手続を簡素化して、現場の事務の負担を軽減してほしいです。
これ以上複雑になると、僕たちの業界で働いている人たちの能力ではもう対応できません。できないとどうなるかというと、多分、皆さん、診療を受けられなくなっちゃいます。書類対応に混乱して、医療機関と患者さん、双方がもううんざりしています。
三番、紹介会社依存構造の是正。人材紹介手数料の上限や取引の透明化を図る制度を設けて、医療・介護業界の紹介会社依存を是正してほしい。
医師、看護師の紹介手数料は高騰の一途をたどり、医師では四〇%以上の事例も出ています。毎年の医師、看護師、関連職種の異動の数から推計するに、医師、看護師についてそれぞれ三千億円程度、ほかの職種を含めると七千億円程度が人材紹介会社に流れています。そのお金は国民の保険料ですから。二〇二五年の四月から紹介手数料の平均率公表制度が義務化されていますが、歯止めになっていません。
これはうちの会社の例なんですけれども、常勤の医師は十月末現在で百三十一名、常勤のナースは九百十八名います。昨年払った紹介手数料が、医師が常勤と非常勤で、ここにあるように一億四千五百万円。非常勤が九百三十万円。ナースが二億四千二百万円。非常勤が八百五十万円です。とんでもない金額になっています。
元々、僕たちは統制経済なんですけれども、そこと資本主義のつなぎ目のところに必ずゆがみが出てくるんですけれども、そのゆがみを放置するとこういうことが起こってしまうんですね。別に紹介会社が悪いとは言いませんけれども、何かルールを作ってもらわないと、中小の病院とかは、お医者さんもナースも紹介手数料を払えなくて集められない状態です。何とかしてほしいです。
あとは、四番目、医療法人と株式会社参入の公平性の担保。これもそうです。統制経済に株式会社が入ってくると、いろいろギャップが起こってきます。株式会社による不動産所有型、委託型などの医療参入スキームについて、制度上の公平性が担保されるように見直しを求めます。
一部の医療法人買収案件で、土地、建物、機器を株式会社が所有し、医療法人に賃貸する方式が見られる。こうした構造が補助金制度などで不公平を生むおそれがあるため、透明性の高い運用ルールの整備が必要だと思います。
あと、五番目は、病院建設費高騰への支援です。地域医療構想に沿って必要とされる病院に対しては、新築、建て替え費用の三分の二程度の補助を是非検討してほしいと思います。
今、やむを得ず建て替えている病院が、あと、造っている病院があるんですけれども、千葉県では坪単価は二百四十二万円でした、もう一度計算したら。東京都では三百十四万円です、今。十年前、十一年前にオープンした江戸川区の病院が、これは税込みですけれども七十九万円だったので、四倍近くになっているんですね。ですから、もう建て替えは皆さんできなくなっています。老朽化施設が多くて、建て替えが物すごく困難です。安全確保のためにも、何とか支援していただかないと。もちろん、今の診療報酬の下では、この高い建築コストは賄うことができません。
あと、最後は、病床削減補助金制度の拡充、是非続けてほしい。病床削減を希望する医療機関に対して、現行の一床当たり四百十・四万円の補助金制度を恒久化してほしい。
厚労省のこの交付金で、一床当たり四百十万円の支援枠が設定されています。これは、この間のときは七倍ぐらいでなかなかみんな通りませんでした。
これは何で必要かといったら、建物を壊して、更地にして、退職金を払うのに、もう内部留保もないんです。ですから、何かだらだらやっている病院も結構あるんです。手切れ金だと思って渡してやってください。病院をやっていても、四か月ぐらいレセプトを出したら多分四百万円ぐらいになるので、これはやってあげないと。
僕たち、堅気なんですね。そうです、破産とか倒産とか、全然考えたことがないんです。その真面目なお医者さんたちが、地域医療をやって今それに直面して、本当に顔つきがみんな変わっています。ですから、これも何とか続けてあげて、静かに幕引きできるようにしてあげないと、かわいそうというか、今までやってきた先生たち、何とか終わらせてあげられればと思っています。
僕からは以上です。(拍手)
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国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=岡本和久
MCP: search_diet_speeches(speaker="岡本和久")