○安達悠司君 参政党の安達悠司です。
参政党は、日本の国益を守り、世界に大調和を生むという理念を掲げて、国民が政治に参加することでより良い日本をつくっていくと、こういった政党です。今回初めて参議院の憲法審査会で発言させていただきます。よろしくお願いいたします。
日本国憲法について、これまで改憲若しくは護憲といういずれかで議論がされてきましたけれども、参政党は、創憲ということで一から憲法を作り直す立場を取っています。
憲法はよく権力者を縛るものと言われますが、これは一つの側面にすぎないと考えております。憲法の本当の意味は、国の組織の在り方やそういった成り立ちを、国の組織の在り方を示す基本法であって、国のビジョンや仕組みを描いていくものです。権力の濫用には注意しつつも、時代に合わせて憲法をよく考え、国民がより豊かで幸せになっていくようにすることが大切だと思っております。
では、なぜ創憲なのかを御説明します。
一つは、まず日本国憲法の制定過程に問題があるからです。日本国憲法は、御存じのように、昭和二十一年十一月三日に連合国軍総司令部、GHQの作った草案に基づいて、主権が制限されている状態の中、占領下で制定されたものであり、国民の自由な意思に基づいて作られたものではありません。
また、二つ目として、日本の伝統や文化など、日本固有の価値観や考え方がほとんど取り入れられておらず、GHQによる占領下で言論統制の下つくられた歴史認識に基づいています。
三つ目に、日本国憲法には、外国の侵略から国を守ると、こういった仕組みが備わっていません。当時の時代背景があることは承知していますが、日本の憲法がいまだに占領時代に外国の草案に基づいて作られたままでいるというのはおかしくないでしょうか。
だから、参政党は、日本国憲法を、部分的な修正ではなく、根本的に、前文からもう一度日本人が自分たちで考えて、一から作り直す必要があると考えております。
次に、では、どのように憲法作りを行っていくかについてお話ししたいと思います。
私は、日本人が自分たちで憲法を考えて作っていくことは十分に可能だと思いますし、現にそのような歴史もあります。
我が国最初の成文憲法は、今から約千四百年前に聖徳太子が作った十七条憲法です。
明治時代に入りますと、近代憲法を制定する機運が高まり、国民が自分たちで憲法を考えて草案を作ってきました。例えば、明治十四年頃には東京のあきる野市で五日市憲法草案というものがありまして、これを作ったのは当時の二十代から四十代の若者たちであり、半年ほど掛けて二百四か条の草案を作りました。これを御覧になった上皇后陛下は、平成二十五年でありますが、政治参加への強い意欲や自国の未来に懸けた熱い願いに触れ、深い感銘を覚えたことでしたとおっしゃられております。
また、大日本帝国憲法が制定されたときの国民の感動や一体感は非常に大きなものがありました。当時の自由民権運動を指揮してきた板垣退助自身が、明治四十三年に書かれた「自由党史」の中で、このような趣旨のことを述べております。一たび憲法が制定、発布され、立憲政体が確立されると、前日まで死をもって争っていた者も、たちまち忘れたかのように誠に和気あいあいとしている、これは、我が国、二千五百年以上続く国家観念に基づく美質がそうさせるのであると、また、まるで百戦より凱旋した兵士のように、これを歓喜し、国民が、まるで敵国を降伏させた勝利を祝するかのように、両手を額に当ててこれを慶賀し、国中挙げてことごとく陛下のお幸せを喜ぶ者ばかりであったと。
つまり、憲法を一から作るというのは、国民に活力とエネルギーを与え、完成したときには国中の思いを統一する非常に大きな力があると、こういうことを強調したいと思います。
今、日本は、三十年以上、投票率が低下し、政治への無関心、未来が明るいとは思えないような無気力、諦めに似た危機感が広がっております。もちろん、これは経済的要因も大きいと思いますが、ただ、もう一つ、国の未来をつくっていく憲法について、日本人が自分たちで自由に知恵やアイデアを出し合ってクリエーティブに作っていく機会が封じられてきたことにも原因があるのではないでしょうか。
憲法を考えることは、国の未来を日本国民が考えることです。国のビジョンや仕組みを生み出すエネルギーを持っているのが憲法なんですね。
参政党は、今年の五月、新日本憲法の構想案を公表いたしました。参政党の考え方としては、令和四年に出したように、三つの原則を掲げていまして、国の守りの強化、国民の自由と権利の尊重、日本の国柄を反映した憲法と、こういった三つに基づいて作ってまいりました。二年以上掛けて勉強会やワークショップを行い、各地で草案を出し合ってもらったものを取捨選択し、党員たちの意見をまとめて、議論のたたき台として作ったのがこの憲法案です。食料自給率やエネルギー、情報、教育、国防の在り方など様々なアイデアを盛り込んでおります。
ただ、参政党は、決して一つの草案や条文案にこだわるのではなく、国民が自分たちで様々な場で草案を作っていくことで、広く国民運動を起こしていきたいと考えております。本日も、国民民主党の川合議員からは情報や統治機構の課題について、公明党の谷合議員からは政党を憲法に設けることについて、また片山議員からは国防軍の創設という様々な分野の提案もいただいております。
憲法作りは、専門家や一部の法学者、法律家だけが進めるものではなく、国民が政治に参加し、専門家とともに行っていく必要があると考えております。是非、学校教育や、これから社会人向けの法教育などでも、憲法を一から作る教育を行ってみてほしいと考えています。国民主権の下では、憲法を考えるのはまさに国民自身なのですから、主権者教育としても憲法を一から考えるということは大変重要だと思っております。
また、海外では、これまで多くの国が憲法改正を行っています。例えばスイスでは、食料安全保障や農業、外国人の出入国、通貨や金融政策に関する規定もありますし、ほかの国でも、文化や歴史的遺産の保護、環境権、天然資源に関する規定など、公共の福祉をより具体化し、国民の権利を守る仕組みを設けている国があります。このような海外の憲法改正の動きの調査も是非行っていくべきだと思っております。
参政党としては、憲法改正については、与党が提案している四項目の論点にとらわれることなく、前文や日本の歴史と国柄、公共の福祉の内容、国防の在り方や国民の権利を外国からどう守るかといった視点も幅広く議論すべきだと考えております。
なお、緊急事態条項につきましては、感染症の蔓延の要件が入っている場合、人為的に緊急事態をつくらされるおそれがあるため、反対を表明しております。
参政党は、改憲、護憲の二分論ではなく、一から憲法を作り直す創憲を公約に掲げ、党内で実践してまいりました。国民が知恵やアイデアを自由に出し合い、専門家とともに全国各地で草案を作っていくことで、国民が国の未来を真剣に考え、本当の国の自立に向けた第一歩にしていきたいと考えております。
以上で参政党の意見表明を終わります。ありがとうございました。
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REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=安達悠司
MCP: search_diet_speeches(speaker="安達悠司")