○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山康江です。
会派を代表して、高市総理の所信表明演説に対して全て総理に質問いたします。
代表質問に当たり、委員長の職にある中、本会議登壇に御理解いただきましたこと、各会派の皆様に感謝を申し上げます。所掌であるこども・子育て・若者政策以外の案件について質問をさせていただきます。
まずは、高市総理、御就任おめでとうございます。殊更女性だからという言われ方は私自身好きではありませんが、それでも、歴史的な初の女性総理誕生は、率直にうれしく思います。
総理は、所信表明冒頭の決意で、政治への信頼を回復するための改革にも全力で取り組んでまいりますと力強く宣言されました。現在は政治への信頼が揺らぎ、失墜しているとの基本認識こその発言だと拝察いたしますが、総理は、何が問題で、どう改善するべきとお考えか、お聞かせください。
私は、やはり政治への信頼回復には政治と金の問題の解決が最重要だと考えます。信頼失墜の最たる要因は、一昨年末に表面化したいわゆる裏金問題にあることは論をまちません。
総理は、裏金に関わった議員も政務三役等に起用しています。とりわけ、選挙を経ないまま起用された参院側の官房副長官には、参院自民党からさえ疑問が噴出し、機能不全に陥っています。若くて優秀か否かは関係ないんです。総理は、この問題は解決済みと判断したのでしょうか。それとも、参議院を軽く見ているんでしょうか。このままでは前に進みません。
裏金問題を契機に、政治資金透明化の議論が加速しました。その一つが企業・団体献金の在り方です。
廃止論もありますが、私たちは、献金元が企業、団体であるか否かにかかわらず、非公開かつ非課税のお金こそが問題との立場です。寄附の流れと使途の監視を強化し、お金で政治や政策がゆがめられない仕組みをつくることこそが重要との観点から、昨年末、政治資金監視委員会設置法案を提出しました。
加えて、今国会では、企業・団体献金の受皿を政党本部と都道府県連に限定し、上限規制も厳格化する政治資金規正法改正案を公明党とともに共同提出する方針です。それこそが政治への信頼回復、さらには政治の安定につながると考えますが、いかがですか。
この重要な課題への対応が、総理任期中に結論、では遅過ぎます。連立を組む日本維新の会も企業・団体献金には厳しい姿勢ですので、一歩踏み込んだ総理の御決断をお願いいたします。
総理は、各党からの政策提案をお受けし、柔軟に真摯に議論してまいりますとの決意も力強く述べられました。
政治の安定の一手段として、自由民主党と日本維新の会による連立政権を樹立したとのことですが、夏の参院選を経て、両党合わせても衆参共に少数与党である事実を重く受け止め、高市総理には、真に私たち野党の声、提案に耳を傾け、議論するだけではなく、決断と前進、そして実行に踏み切っていただくことを強く期待しますが、いかがですか。力強い決意の答弁を求めます。
政権の基本方針と矛盾しない限りとのただし書が文字どおり運用されれば、政権の基本方針を盾に野党からの建設的な提案や議論が一方的にはねつけられることにもなりかねません。
そこで、確認です。政府や与野党の議論の大前提となるこの基本方針とは何ですか。十月二十日に交わされた連立政権合意書ですか。
さて、日本は、失われた三十年を乗り越え、再び将来に向けて豊かな経済を実現し、成長できるか否か、大きな分岐点にあります。こうした中で、私たち国民民主党は、五年前の九月に結党し、翌年の衆院選公約から積極財政を掲げ、給料が上がる経済、手取りを増やす政策を提案し続けています。その積極財政を総裁選で強く主張され、今般の所信でも経済財政政策の基本方針の柱として掲げられていること、心から歓迎し、期待申し上げます。
ただし、一抹の不安は、高市総理が責任ある、という枕言葉を殊更に強調するようになったことです。いかなる施策も、財政等様々な制約を考慮する必要があるのは当然です。責任ある、と書き足したことで、いわゆる緊縮財政派に押されて必要以上に妥協を許すことにならないかを懸念します。
そこでお伺いいたしますが、高市総理が掲げる責任ある積極財政とは何か、単なる積極財政とは何が違うのか、明確にお答えください。
ガソリン暫定税率廃止については、与党の代表者が最終盤まで財源論を振りかざし、年内廃止が危ぶまれていましたが、ようやく合意にこぎ着けることができました。まさに総理がおっしゃる好循環による税収増加を実現するためにも、御英断に敬意を表します。
さて、もう一つの三党合意である、いわゆる百三万円の壁について、所信では、今年の年末調整では百六十万円まで対応、と述べられていますが、実際は所得階層ごとに複雑に分かれ、百六十万円まで控除されるのは年収二百万円以下、納税者の五%のみです。
最低限度の生活を維持するために必要な部分、それを除いた残余に対して課税されるべき、これが基礎控除の政策趣旨であり、改めて、その引上げに当たっては、物価上昇率ではなく、これまで我が党が主張しているとおり、健康で文化的な最低限度の生活を営める賃金として定められている最低賃金の上昇率に合わせるべきで、改めて一律百七十八万円への引上げを提案します。減税はすなわち国民の所得増となるため、消費拡大による税収増も勘案すべきであり、経済の好循環実現のためにも是非総理のリーダーシップで決断をお願いいたします。
担税力に応じた公平な税制の実現という意味では、百三万円の壁だけではなく、いわゆる一億円の壁の見直しも重要です。岸田政権下で決定された課税強化策は、所得三十億円超の僅か三百人が対象という中途半端なものでしたが、今後一億円の壁の是正を具体的にどのように進めていくのかをお聞かせください。
就任早々、数々の外交日程をこなされ、特にトランプ大統領とは、同盟関係の重要性を確認したほか、安全保障や経済での具体的な約束など、日米関係の深化、再構築の重要な機会となったことは一定の評価をいたします。
しかし、関税や投資をめぐる七月の合意や九月の共同声明、了解覚書の実施をうたう、今回の文書の副題にしかすぎない「日米同盟の新たな黄金時代」という言葉が、経済のみならず日米関係全般の新たな未来像のように扱われていることには違和感を禁じ得ません。だからこそ、トランプ大統領に言うべきはしっかり言っていただきたい。そういった立場から幾つか質問してまいります。
まずお伺いしたいのは、高市新政権の発足直後で、日米両国民だけでなく、アジア、そして世界の各国が今後の日米関係に注目を寄せている時期にもかかわらず、共同声明の作成や、共同記者会見の実施が見送られたことです。そのように判断した理由を総理に伺います。
日・ASEAN首脳会議の共同声明では真っ先に国際レベルでの法の支配を堅持と明記し、重要性をしっかりと確認し合った法の支配という言葉が日米首脳会談では見当たりません。なぜですか。国際社会で最も尊重すべき普遍的価値である法の支配に関して、トランプ大統領とどのように確認し合ったのか、お聞かせください。
九月には関税交渉の結果、日本からアメリカへの八十兆円規模の投資を柱とする了解覚書を日米間で交わしました。投資先は米国大統領が決める、利益の九〇%をアメリカが取るという、まさにアメリカ・ファーストを体現するかのような内容となっています。「行政上の了解であり、法的拘束力のある権利・義務を生じさせるものではない。」とされるものの、従わなければ追加関税も辞さないというトランプ大統領の強い意思が見え隠れしており、高市総理も総裁選時は懸念を表明されていましたが、今回それを追認したんでしょうか。
総理は、所信で「自由で開かれたインド太平洋」をうたい、閣僚への指示書ではルールに基づく多角的貿易体制の強化等を打ち出しています。日米同盟の重要性は理解いたしますが、米国との合意は自由貿易体制下の国際ルールとは必ずしも相入れないのではないでしょうか。改めて国際ルールが大前提ということの確認を求めます。
投資増と引換えに関税引下げを勝ち取ったものの、本来の関税は引き上げられ、大打撃を受けている側面も見逃せません。この負の影響を差し引いてもなお新たな黄金時代と評価するに値する、我が国が具体的に獲得した成果をお示しください。
レアアースの供給確保のための枠組みを確認したことは大きな前進です。総理は、経済安全保障の一環として、国産資源開発の重要性を経済安全保障担当大臣等に指示していますが、世界有数の埋蔵量とされ、記者会見でも共同開発の可能性に言及した南鳥島周辺海域でのレアアースについて、今後具体的にどのように共同開発を進めていくのか、お聞かせください。
総理は、ノーベル平和賞に推薦したいとトランプ大統領に伝えたそうですが、是非強く進言していただきたいことがあります。トランプ大統領がちらつかせているICC、国際刑事裁判所への制裁についてです。
ICCは、戦争犯罪や人道に対する犯罪などを行った個人を処罰できる常設の国際刑事法廷であり、法の支配の下、正しく裁判することで平和構築に貢献しています。我が国は最大の資金拠出国であり、現所長の赤根智子さんほか、加盟以来、一貫して裁判官を送り出すなど、その活動を強く支援してきました。
そのような中、今年二月にトランプ大統領は、ICC職員への制裁を可能にする大統領令に署名、一部の職員が既に制裁を受け、業務に支障が生じています。九月には、ICC本体への制裁も検討中との報道がありました。是非、日本はICCを守る、と世界に向けて発信すると同時に、強い同盟関係があるからこそ、制裁を思いとどまるよう、高市総理から大統領へ進言することを約束してください。
日中首脳会談では、総理と習近平主席との間で、戦略的互恵関係を包括的に推進し、建設的かつ安定的な関係を構築するという日中関係の大きな方向性を改めて確認された上で、総理からは、中国での邦人襲撃事件や邦人拘束に対して、安全確保や拘束中の邦人の早期釈放を求めたほか、香港、新疆ウイグル自治区等の人権問題への深刻な懸念もお伝えいただきました。
そこで、総理にお願いと提案です。
二〇二一年九月、世界中で法の支配が脅かされ、人権問題が深刻化する中、岸田政権下で国際人権問題担当補佐官が創設されました。初代補佐官は中谷前防衛大臣であり、国連や各国の人権担当官と精力的に会談を重ね、政治主導でこの分野の課題解決をリードされてきましたが、僅か二年でこのポストが消滅してしまいました。
今や世界を取り巻く状況は、ようやく停戦合意を迎えたものの、依然予断を許さないガザ情勢など、紛争のたびごとに人権・人道被害は深刻化しています。
今こそ、自由や民主主義と並んで普遍的な価値である、人権重視の世界秩序構築に向けて、我が国の役割は重要です。そのためにも、再度、人権問題担当補佐官を設置すべきです。いかがですか。
今年は戦後八十年の節目の年、残された戦後補償問題、空襲被害者への救済についてお聞きします。
総理は、総裁選時に、全国空襲連の公開質問状に対し、大変重要なテーマ、被害者の御年齢を考えると対策が急がれる問題、貴連絡協議会の皆様とともに、超党派の空襲議連の先生方ともしっかりと協議させていただきたいと回答されました。当事者の皆様の期待も膨らんでいます。
総理、まさに時間がありません。石破前総理は三月の予算委員会で、行政が何ができるかということはよく考えて対応してまいりたい、戦後八十年という節目の今年こそ、空襲被害者の救済に乗り出してこの問題に決着を付けるべきだと表明されましたが、残念ながらまだ動いていません。いよいよ高市総理の出番です。救済実現に向け、御決断をお願いいたします。
続いて、防衛力にとどまらない総合的な安全保障についてお聞きします。
所信でも、経済、食料、エネルギー、健康医療など項目を立てており、総理もその重要性を強く認識されていると考えています。
二〇二二年五月成立の経済安全保障推進法は特定重要物資の指定等を規定していますが、その対象範囲は極めて限定的で、国民民主党は、当時から、食料や医療も含めた国民と国土を危機から守るための総合的な安全保障を訴え、対案も提出してきました。
総理が経済安全保障担当大臣時代に行った具体的な特定重要物資の指定は、食料安全保障分野では肥料のみで、重要物資であり戦略物資であるはずの食料は外されました。なぜ特定重要物資に指定しなかったのか、改めて、総合的な安全保障確立のためにも、食料を加えるほか、所要の見直しが不可欠と考えますが、総理、いかがですか。
総理は、総裁選中に、食料安全保障の重要性を力強く訴え、カロリーベースの食料自給率が一〇〇%を超える欧米を引き合いに出し、限りなく近づけていくと高らかに宣言されました。大変心強く感じています。
しかし、所信では自給率への言及はなく、閣僚指示書では、新しい食料・農業・農村基本計画の目標達成、つまり、二〇三〇年のカロリーベース食料自給率四五%を御指示されています。当然、四五%を通過点に、その後の更なる高みも視野に入れた指示のはずですが、はた目には目標の後退に映ります。
そこで、総理に伺います。今後、一〇〇%に近い水準の食料自給率を目指しますか。目指すのであれば、いつまでに、どのように目指しますか。
米は、品目別自給率一〇〇%超が可能な大切な基幹作物であり、主食です。アジア・モンスーンの気候にも適し、気候変動激化の中で最も安定生産が見込めるのも水田農業です。自給率向上のためには、日本の食料安全保障の基盤である米の生産拡大、米生産農家の安定的な手取り増加は急務です。
そして、米をめぐる昨今の混乱からの教訓は二度と米不足を起こさないことであり、それには増産は必須です。一方で、需要がなければ価格が暴落、農家経営にも打撃を与え、結果的に生産減少を招き、供給不足になるという悪循環にもつながりかねません。
だからこそ、受け身にも見える需要に応じた生産ではなく、需要喚起対策にこそ重点的に予算を付け、積極的な需要喚起を伴う増産をうたうべきですが、今後の米生産方針についてどのようにお考えでしょうか。
EUでは、共通農業政策として、経済的に成り立つ農業収入の確保支援、インカムサポートを導入し、農業経営を支えています。直接支払の受益は生産者と消費者双方に分配されると分析されており、農産物価格の引下げ効果も確認されています。まさに、我が党がかねてから提案している食料安全保障基礎支払の出番です。全ての田畑をフル活用できるその環境、必ずつくりますとの総裁選での力強い決意を実行する意味でも、全ての田畑を荒らさず耕作する、それを応援することで農家の手取りを増やし、農業の持続可能性を後押しすると同時に、適正価格を実現し、物価高に苦しむ国民生活を助ける。このことこそが、総理の目指す一〇〇%に近い自給率達成の必須条件だと考えます。導入に向けた早急な議論を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
これはまさに、総理のおっしゃる危機管理投資そのものであり、農業にこそ積極財政が必要です。安全保障のための備蓄制度の拡充の必要性も含め、総理の御所見を伺います。
さて、近年、全国各地で野生鳥獣、特に熊の市街地への出没が増加、とりわけ今年は人身被害が過去最多を記録するなど、深刻化しています。これまでは市街地での銃器使用には警察の許可が必要でしたが、鳥獣保護法改正による緊急銃猟制度導入により、自治体の判断でより迅速な駆除が可能となり、九月の法施行後、既に複数の緊急銃猟が行われています。しかし、責任の所在の曖昧さ、人手不足等、課題も山積しています。
先週、党として、官房長官に対し、緊急銃猟制度のノウハウ、マニュアル等の自治体への共有、提供とともに、実施時の市町村の責任や、警察との連携の在り方及び警察の役割、自衛隊による後方支援の必要性、ハンター等の報酬や責任、補償等の明確化による人材育成と、それらに向けた財政支援の拡充等を提案しましたが、その後、政府でも支援策を検討していると伺っています。
改めて、熊による被害防止の課題に対して今後どのような対策を講じようとしているのか、総理の現状認識と見解をお伺いします。
加えて、根本対策も必要です。市街地への熊の出没の原因は、猛暑や台風の頻発化による餌となる木の実の不作、生息域の拡大、冬眠期間のずれや無冬眠個体の出現など、気候変動による自然的影響が指摘される一方、かつて人間が手入れをしていた緩衝地帯たる里山が、過疎化や高齢化、燃料転換などで放置され、山と人里との境界線が曖昧になっていることも大きいと考えます。
総理は、こうした現状に対してどのような対策を講じるべきとお考えですか。
農林漁業や農山漁村の振興は、単にもうかるか否かという産業政策の側面からだけではなく、例えば市街地の暮らしを様々のリスクから守ることや、地域社会そのものの維持など、多面的価値を評価し支援する観点が必要です。所信では、これらの視点が抜け落ちていましたが、地方創生や安全保障との関連で、講じるべき施策の方向性について見解をお聞かせください。
これに関連して、林地などでのメガソーラーは、景観悪化に加えて山林崩壊や保水力低下を招いている側面があります。脱炭素をうたいながら、逆に環境や生態系の破壊につながっている負の側面に対して総理はどのような見解をお持ちか、今後の対応方向も含めてお答えください。
もう一点、国境離島についてお伺いします。
総理は、自民党政調会長だった二〇二二年三月に、沖縄県尖閣諸島について、実効的に日本の領土だと示せるよう、様々な工作物の設置、施政権が及んでいると明確に示せる形をつくっていくことが非常に大事だと述べられました。この思いは変わっていませんか。
魚釣島では、一九七八年に人為的に持ち込まれたヤギの大繁殖による食害が深刻化しています。昨年四月、石垣市と共同で海洋環境調査に入った当時東海大学教授で現在我が党所属の山田吉彦議員からは、食害で木の根や草が減り、生態系を維持できない島になり始めているとの深刻な状況報告と早急な対応の提言を受けています。総理、この状況に対して何らかの対処をいただけないでしょうか。
続いて、教育についてお伺いします。
所信表明後の十月二十九日、自民党、公明党、日本維新の会の三党で、来年度からの高校無償化の制度設計で合意したと伺いました。
私立高校への支援金上限額の引上げや、教材費など授業料以外を支援する高校生等奨学給付金の拡充が内容で、所要額は約六千億円、財源は既存の教育予算を原資としない方向と聞いていますが、財源のめどはあるんでしょうか。暫定税率廃止をめぐっては財源を理由に議論が停滞したことを考えると、財源あってこその政策推進だと思いますが、いかがですか。
そこで、提案です。
私たち国民民主党が結党以来掲げる教育国債の発行を検討すべきではないでしょうか。人づくりこそ国づくり。まさに教育や人づくりは未来への投資であり、未来からお金を前借りして投資し、将来、大きく育った人材から投資分を回収する、こういった趣旨です。
人づくりこそ国づくりの一環として教育無償化の必要性を訴えてきましたので、大きな方向性は賛同しますが、その上で問題提起をさせていただきます。
高校無償化は、相対的に私学支援が厚くなることで公立高校が不利になるとの懸念の声を多く聞きます。実際、例えば山形県では、令和二年から公立高校の定員充足率が大きく低下する一方、私学への助成拡大に比例するかのように私立高校の充足率が逆転、大きく上がっています。私立は、スクールバスを多方面に展開し、県境も越えて生徒を集めるなど、人気が高まる一方で、公立は、少子化の中で積極的な投資がなされず、校舎も古いままぼろぼろで、人気低下に歯止めが掛かっていません。今年地元の県立高校を卒業した娘も、私立はいいなあ、校舎がきれいでと羨ましがっていました。
また、無償化の恩恵が、私立が林立する大都市圏に集中し、過疎地域等からの生徒の流出を加速させる弊害も指摘されています。
総理は、日本の高校教育の在り方についても見直しを進めますと表明されていますが、是非、これらの懸念点も含めて、地方創生の拠点でもある地域唯一の公立高校や専門学校を消滅させないよう、私立との競争という観点ではなく、得意分野のすみ分けや、交通アクセス確保を含めた魅力向上に向けた抜本的支援策をセットで講じていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
脱炭素を進める上でも、観光振興の意味でも、重要な役割を担うのが、地方も含めた鉄道ネットワークです。
高市総理は、インバウンド観光の重要性を訴え、国交大臣にはオーバーツーリズム対策の推進を指示していますが、地方の観光振興を進める上で重要な鍵となるのが、外国人観光客にとっても安全性、利便性が高い足である鉄道ネットワークの維持強化です。
海外では、いち早く鉄道の有効性を再認識し、ネットワークの拡大を進めています。高齢化による交通弱者の増加も相まって、我が国でも公共交通としての鉄道の役割は大きいと考えますが、総理の基本認識をお聞かせください。
ところが、今、ただでさえ地方の鉄道は恒常的な赤字に苦しむ中、度重なる自然災害による鉄路の被害が追い打ちを掛けています。
通常、自然災害という不可抗力による被災時には様々な支援措置があります。とりわけ公共性の高い施設の復旧には、国が責任を持って支援するという考え方に立って通常よりも高い補助率が適用されています。
ところが、鉄道は、公共交通と呼ばれ、公共性が高い施設にもかかわらず、災害時でも高率の補助が受けられません。なぜか。民間事業者だからというのが常套句ですが、鉄道の復旧も公共土木施設等と同様の支援を行うべきではないでしょうか。
現行制度では、地方の赤字ローカル線は被災のたびごとに確実に消えてしまいます。災害復旧は最優先、を具体化する制度に見直すよう、高市総理の御決断をお願いします。
加えて、公共交通に対する国の関与の在り方も見直す必要があります。
公共の名を冠している以上、現在のような国による民間や地域の取組への支援ではなく、国が主体的に役割を果たす方向に公共交通施策を大転換するべきではないですか。
交付金を除く令和七年度当初予算ベースで道路整備予算の六十八分の一程度にとどまっている鉄道を含む公共交通に関する予算を大胆に増額する必要性と併せてお答え願います。
私たち国民民主党は、現在、補正予算編成に向けた国民の懐を更に豊かにするための経済対策を作成中であり、近日中に提案させていただく予定です。総理には、こうした私たちの政策提案にも真摯に耳を傾けていただき、対決より解決の姿勢で共により良い未来を切り開いていただくことを心から期待申し上げ、代表質問といたします。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕
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