○国務大臣(上野賢一郎君) ただいま議題となりました医療法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
地域における医療提供体制については、二〇四〇年頃を見据え、医療、介護の複合ニーズを抱える八十五歳以上人口の増大や現役世代の減少等の課題に的確に対応できるようにするため、質が高く効率的で持続可能な体制を構築することが求められています。
こうした状況を踏まえ、地域における医療機関の機能分化、連携の推進、医師偏在の是正及び適正な医療の提供のための環境整備並びに担い手が不足する医療現場における業務効率化の促進により、良質かつ適切な医療提供体制を構築することを目的として、この法律案を提出いたしました。
以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。
第一に、二〇四〇年頃を見据えた新たな地域医療構想について、病床のみならず、入院・外来・在宅医療、介護との連携を含む将来の医療提供体制全体の構想とするとともに、地域医療構想調整会議の構成員として市町村を明確化し、在宅医療や介護との連携等を議題とする場合の参画を求めます。さらに、病床の機能に加え、医療機関機能の報告制度を設けます。
また、オンライン診療を医療法に定義し、その手続やオンライン診療を受ける場所を提供する施設に係る規定を整備するとともに、美容医療を行う医療機関に対する定期報告義務等を設けるなどの措置を講じます。
第二に、医師偏在是正に向けた総合的な対策として、都道府県知事が、医療計画において重点的に医師の確保を図る必要がある区域を定めることができることとするとともに、保険者からの拠出による当該区域の医師の手当の支給に関する事業を設けます。
また、外来医師が過多である区域において、無床診療所の開設希望者に対して、都道府県知事が必要とされる外来医療を確保するための要請を行うことができるようにするなど、無床診療所への対応を強化します。さらに、保険医療機関の管理者について、保険医として一定年数の従事経験を有する者であること等を要件とし、当該保険医療機関の管理運営に関する責務を課すこととします。
第三に、医療DXの推進を図るため、電子カルテ情報共有サービスを活用した電子カルテ情報の医療機関での共有等や感染症の発生届の届出、厚生労働大臣が保有する医療・介護関係のデータベースの仮名化情報の利用及び提供を可能とします。
また、社会保険診療報酬支払基金を医療DXの運営に係る母体とするため、法人の名称、目的及び組織体制等の見直しを行うとともに、厚生労働大臣は、医療DXを推進するための医療情報化推進方針を策定することとします。そのほか、公費負担医療を受ける患者等の利便性の向上に資するよう、所要の規定を整備します。
最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、令和九年四月一日としています。
政府としては、以上を内容とする法律案を提出いたしましたが、衆議院において、次の七つの事項を主な内容とする修正が行われたところであります。
第一に、厚生労働大臣は、医療計画で定める都道府県において達成すべき五疾病六事業及び在宅医療の確保の目標の設定並びに当該目標の達成のための実効性のある取組及び当該取組の効果に係る評価の実施が総合的に推進されるよう、都道府県に対し、必要な助言を行うものとすること。
第二に、都道府県は、その地域の実情を踏まえ、医療機関がその経営の安定を図るために緊急に病床数を削減することを支援する事業を行うことができることとするとともに、医療機関が当該事業に基づき病床数を削減したときは、厚生労働省令で定める場合を除き、医療計画において定める基準病床数を削減するものとすること。また、国は、医療保険の保険料に係る国民の負担の抑制を図りつつ持続可能な医療保険制度を構築するため、予算の範囲内において、当該事業に要する費用を負担するものとすること。
第三に、政府は、医療情報の共有を通じた効率的な医療提供体制の構築を促進するため、電子診療録等情報の電磁的方法による提供を実現しなければならないこと。
第四に、政府は、令和十二年十二月三十一日までに、電子カルテの普及率が約一〇〇%となることを達成するよう、クラウドコンピューティングサービス関連技術その他の先端的な技術の活用を含め、医療機関の業務における情報の電子化を実現しなければならないこと。
第五に、政府は、令和八年四月一日に施行される外来医師過多区域等に関する規定の施行後三年を目途として、外来医師過多区域において、新たに開設された診療所の数が廃止された診療所の数を超える区域がある場合には、当該区域における新たな診療所の開設の在り方について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。
第六に、政府は、都道府県が医師手当事業を行うに当たり、保険者協議会その他の医療保険者等が意見を述べることができる仕組みの構築について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。
第七に、政府は、この法律の公布後速やかに、介護・障害福祉事業者の賃金が他の業種に属する事業に従事する者と比較して低い水準にあること、介護・障害福祉従事者が従事する業務が身体的及び精神的な負担の大きいものであること、介護又は障害福祉に関するサービスを担う優れた人材の確保が要介護者等並びに障害者及び障害児に対するサービスの水準の向上に資することなどに鑑み、現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減を図りつつ介護・障害福祉従事者の人材の確保を図るため、介護・障害福祉従事者の適切な処遇の確保について、その処遇の状況等を踏まえて検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を機動的に講ずるものとすること。
以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
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REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=上野賢一郎
MCP: search_diet_speeches(speaker="上野賢一郎")