○細野委員 自民党の細野豪志でございます。
今日、こういう形で衆議院で参議院の合区について議論ができるということを心より歓迎したいというふうに思いますし、幹事の皆さんの御努力に心より敬意を表します。
私は、地方の声を大切にする立場から、この問題について意見を述べたいと思います。
まず、最高裁の判決を振り返りたいと思います。
昭和の時代までは、都道府県代表の性格を重視をし、一票の格差が五倍を超えていたとしても合憲判決が出ておりました。大きな転換点になったのは平成二十四年の判決でございます。この判決を一つの大きな契機として、投票価値の平等をより重く置く議論が裁判所でも国会でも非常になされてきたという経緯がございます。その判決ではこういう指摘があります。都道府県を選挙区の単位としなければならないという憲法上の要請はなく、こう言い切ったわけですね。これを受けて合区に国会はかじを切るということになりました。
この最高裁の判決なんですけれども、憲法論、法律論としては極めて正しいということなのかもしれないけれども、私は、大きな問題が二つあるというふうに考えています。
一つは、国民の意識との大きな乖離です。
私は、この問題は、やや話が違いますが、甲子園の各県代表と似ているのではないかと思っているんですね。といいますのも、今、四十七都道府県、全部代表を出していますが、一九七八年までは各県代表じゃなかったんです。私は滋賀県出身だったんですが、滋賀県は長く京都と京滋大会というのをやっておりまして、平安高校がむちゃくちゃ強くて甲子園に出られなかった。その後、福井県と合併したんですが、そこでもなかなか甲子園に出られなくて、私が小学校に入るまでしばらく、甲子園で一回も勝っていないのは滋賀県だけという状態が続いたわけですね。じゃ、滋賀県民が京都代表を応援するか。応援しないですよね。こういう心理が働く。
実際に数字でもはっきり出ております。例えば二〇二五年の参議院選挙、私は高知に応援に入りましたが、高知県では非常に関心が高かった。なぜなら、自民党の候補も野党の候補も高知出身でございましたので、大変盛り上がっておりました。ただ、一歩徳島に入ると、候補者がいないものですから、何党支持というよりは選挙そのものに関心がない、自分たちの選挙とみなしていないという、甲子園で代表校がいないと応援しないのと同じような現象が起こっているわけですね。実際に投票率で見ますと、高知県の投票率は五六・九%だったのに対して徳島県の投票率は五〇・五%と、六・四%もの差があるわけですね。
すなわち、各県は県民性というのを極めて強く持っていて、その代表が出ないことに対して非常に大きな温度差が出てきているという国民の実態をこの最高裁判所の判決は反映をしていないというのが一つ。
もう一つは、行政の実態との乖離です。
政令指定都市以外は、様々な行政を都道府県単位で行います。道路などのインフラの整備、教育、福祉、また補助事業も全て都道府県を通します。一人の参議院議員が二つの県の行政事務に的確に対応し得るかどうか、ここは極めて怪しいと考えなければなりません。また、多くの皆さんが指摘をされているように、過疎地というのは行政需要が多いですから、その様々な行政の需要、さらには様々な住民の要望というものにとても対応し切れていないという実情もあるわけですね。そういう行政の実態、政治の実態と裁判所の判決というのは残念ながらずれているというふうに思います。
先ほど中道の國重幹事の方から非常に大事な御発言があったと思います。私もそれは理解します。参議院の役割を変えることによって、この合区の問題にじかに対応しなくても様々柔軟な対応があるのではないか。御発言は分かります。ただ、少なくとも、最高裁のこれまでの判決の経緯を見ていると、投票の価値の平等というのを非常に重視をする傾向というのはより強くなっていますね。その中で、仮に参議院の役割を衆議院と相対的に変えたとしても、都道府県に各一基数を与えるという考え方に転換するのは現行憲法上は極めて難しいのではないかというふうに思います。
自民党は、この考え方の下で四十七条と九十二条の改正案を提案をしています。率直に言って、九十二条は、地方自治の現状から考えると条文の密度が余りに低過ぎる。本来あるべき地方自治の考え方をきちっと書き込むのが本来の姿だと思います。
私は、最後に、こういう国民の感情、国民の認識とのずれも含めて、しっかりと衆議院でこの議論を集中的に行っていくべきだということを申し上げて、発言を終わりたいと思います。
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