○牧野委員 こんにちは。参政党の比例九州ブロックからこの度初当選させていただきまして、今日が初めての質問の機会ということで、発言の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私たち参政党は、国民負担率というものを、現在、税と社会保険料を合わせた負担率の合計が約四六%ということでかなり重たい負担になっているというところを、どうにかして三五%程度、日本の経済がまだ元気だった昭和の終わり頃、およそ三五%でありましたので、それぐらいを目指して上限を設定できないかということを訴えております。
その中で、今日はまず、現在、片山財務大臣の所信にもありましたけれども、債務残高の対名目GDP比、これを安定して引き下げていくということを重要な財政指標としていくということは伺っております。一方で、プラス、私たちとしては、そこにもう一つ、ネットの資金需要という観点から、これを新たな財政指標に加えた方がいいのではないかということを提案したいというふうに考えております。
まず、質問に入るに当たりまして、昨年の十二月二日、参議院の方の国土交通委員会にて、我が党の安藤裕議員の質疑にて日銀から回答がございましたように、民間銀行が貸付けを行う際には信用創造によって貸し借りが生じた瞬間に無から新たな預金通貨が生じる、このことは政府による国債発行においても全く同様でありまして、政府が国債発行を通じて支出を行うと、それと同額の預金通貨が民間部門に発生するということは日銀から答弁をいただいたとおりでございます。
このことに関して、本質疑の時間を短縮するために、この点については既に答弁をいただいた自明のことであるという前提に立ちまして、以下、質問をさせていただきたいと思います。
まず、資料一を御覧ください。
こちらの図は、流通している貨幣は全て誰かの負債であって、借入れと同時に無から発生して、返済によって消失する存在であるということを前提として、我が国のマクロ経済の全体像を模式的に表したものになります。
まず、GDPというもの、これについては、マネーストック、すなわち世の中に出回っている貨幣の総量に流動性を掛け算したものがGDPとして表記されますので、この図においては、マネーストック、青いお金ですね、これを水槽の水位、そして、流動性というのを水分子の運動、すなわち温度として表現しております。また、実体経済の成長というのは、時代が求める物やサービスの供給能力をどれだけ高めることができるかということによってもたらされますが、この図においては水槽の容積の拡大として実体経済の成長というものを表現しております。
民間銀行が貸出しを行うときには、信用創造によって貸し借りが生じた瞬間に無から新たな預金通貨が発生します。これが、この右側に書いております民間借入れ、銀行によるマネーストックの発行という、右側の、民間の蛇口になります。これは政府による国債発行においても全く同様であって、新規国債発行によって財政支出を行いますと、市中銀行は保有する日銀当座預金で国債を買い入れ、そして政府は調達した日銀当座預金を使って必要な公共投資などの支払いを行います。すると、この緑のお金、マネタリーベース、日銀当座預金ですね、こちらが直接マネーストックとして、市中の新たな民間預金通貨としてマネーストックが増えていくというふうな仕組みになっています。これが左側、政府の蛇口の方になります。
ここでポイントは、これが民間であろうと政府であろうと、誰かが新規の資金需要によって借入れをした瞬間にこの世の中に新たな預金通貨という形で貨幣、マネーストックの水位が増えて、逆に、市中銀行に返済を行う又は徴税による国債償還を行った瞬間に世の中から貨幣が消失して水槽の水位が下がるということがポイントです。このプロセスにおいて、新たに借り入れられた資金は支払いを通じて誰かの所得になって、そして次々と水槽の中を循環していきますから、借りたての資金は流動性が特に高い資金、すなわち、この図においては熱いお湯が注がれているというところで表現されております。
ここから具体的な質問の内容に入っていくんですけれども、二〇一二年からアベノミクスにおいては異次元金融緩和という政策が取られまして、日銀が市中銀行から大量の国債の買いオペレーションを行いました。結果、市中銀行が保有する日銀当座預金、マネタリーベース、緑のお金は、四百兆円を超えて大幅に増加いたしました。しかし、ここで問題だったことは、幾らこのマネタリーベースが増えたところで、デフレ経済下において民間の方に新たな借入れをして資金調達をしようというふうなプレーヤーがいなければ、実体経済に影響を与えるマネーストック、青いお金の量は増えてはいかない、すなわち民間の蛇口は閉まったままになってしまうということです。
当時、アベノミクスの第二の矢として機動的財政出動というものが掲げられていましたけれども、実際には、後の質問で触れます骨太の方針の中にプライマリーバランス黒字化目標というものが書き込まれ、さらに予算増額のシーリング規定が盛り込まれていたために、政府の蛇口を開く十分な財政出動がなされなかったものと認識しております。結果、民間企業から見れば、政府支出による投資予見性を確保することができず、設備投資は伸び悩んで、政府と民間の蛇口が両方とも閉まった状態になってしまいました。
こうして、マネーストックが十分に増えず、賃金上昇が起こりにくい状況がつくられておきながら、更にそこに追い打ちをかけたのが二度にわたる消費税の増税と社会保険料の増大による手取りの減少です。可処分所得の減少によってGDPの六割を占める個人消費は減退し、需要の減少が更なるデフレ圧力となってしまいました。
民間人、民間企業は、日銀に直接口座を持っておりませんので、この緑のお金、マネタリーベースに直接触ることはできません。デフレで民間の蛇口が閉まっている状況においては、政府こそがこの大量に蓄積したマネタリーベースを財政赤字を通じて直接マネーストックに変換できる唯一のプレーヤーです。
そうであったにもかかわらず、このプライマリーバランス規律というものに縛られて政府の蛇口を十分に開けることができず、マネーストックが適切に増えなかったことが、日銀がずっと目指していた二%のインフレ目標というものに幾ら時間がたっても到達できなかったことの一因であるというふうに考えております。
次に、資料の二枚目を御覧ください。
こちらのグラフは、青線で表した非金融法人企業、そしてオレンジで表しました一般政府、それぞれの資金過不足の推移、左軸の何兆円ですね。それと、その合計であるところのネットの資金需要、先ほどの水槽の絵でいいますところのマネーストック、青いお金の推移ですね。その年度ごとの増減幅、これが右軸の対名目GDP比、パーセントで、一九九四年度以降についてまとめられたものになります。
このグラフが真ん中のゼロより上のプラスの領域にあれば、借入金を返済してマネーストックを消している状態、逆にマイナスの領域にあれば、新たな借入れが発生してマネーストックが増えている状態というふうに見ることができます。
このグラフを見ますと、日本経済が安定して成長していた一九九〇年代後半までは、マネーストックが年間でGDP比のおよそマイナス五%程度、当時の金額にしましておよそ二十から三十兆円ほど安定して増えていたということが分かります。
しかし、バブルの崩壊後、民間企業は一気に借入れの返済に走り、この青い線がずっと上の方に増えていますね。そして、反対側で政府の赤字も増えはしましたが、トータルで見たネットの資金需要はGDP比でマイナス二・五%程度まで落ち込みました。特にアベノミクスが始まった二〇一二年度以降、政府は赤字の幅を減らし続けて、このオレンジの線がずっとゼロに向かって上がっていますね。そして、コロナ前の二〇一八年度には、ネットの資金需要、このグレーのバーはほぼゼロ%にまで落ち込んでしまいました。これが、先ほどの図で私が説明していた政府と民間の蛇口が両方閉まってしまったという状態です。
その後、コロナ禍で一時的に財政支出が増えましたけれども、コロナ後は民間部門のゼロゼロ融資の返済なども始まりまして、二〇二四年度にはネットの資金需要はプラス三%、名目GDPを約六百兆円と試算しますと、一年間で世の中から約十八兆円もの貨幣が消失したというふうな計算になっております。
財務大臣は、昨日の所信の中でも、政府債務残高対名目GDP比を安定して引き下げることを重要な財政指標として掲げられておりますけれども、それだけでは、先ほどの水槽の図において、政府の蛇口の状況にのみ目を向けているという状態になってしまいます。
そこで、財務大臣にお聞きします。
我が党は、この右側の民間の蛇口の開き具合を含めてトータルで経済状況を把握し、そして成長に必要なマネーストックが安定して増えていける環境をつくること、そして同時に、民間部門の投資が過熱しているような状況においては適切に政府支出を絞って経済のバブル化を防ぐということも必要です。そのために、ネットの資金需要というもの、これを財政指標の一部として導入して、そして、名目GDP比でマイナス五から七%程度、マネーストックが年間およそ三十から四十兆円程度増えていくということを目指して財政支出の範囲を柔軟にコントロールしていくということを提案したいというふうに考えておりますけれども、この案に対する財務大臣のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
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国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=牧野俊一
MCP: search_diet_speeches(speaker="牧野俊一")