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大森江里子 ·中道改革連合・無所属

衆議院本会議(2026-03-05)での発言

第221回国会 ·第第5号号 ·4,664字
○大森江里子君 中道改革連合の大森江里子でございます。  本日議題となりました政府提出の財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案、所得税法等の一部を改正する法律案、関税定率法等の一部を改正する法律案について、会派を代表して質問をさせていただきます。(拍手)  私は、このほど、高市総理が平成元年に出版された「アズ・ア・タックスペイヤー」を読ませていただきました。その中で印象に残りましたのは、アメリカでは、住民が国会議員に質問や意見を述べたり手紙などを送る際に、必ず冒頭に、アズ・ア・タックスペイヤー、納税者としてとつけ加えたりすることを紹介しておられたことです。そして、その言葉によって、おのずと議員も襟を正して耳を傾けている、そのことがとても新鮮で感銘を受け、記憶に残っていると書いておられます。  日本国憲法第八十四条には、租税法律主義が明記されております。租税制度は政治そのものと言えます。  私は、これまで税理士として、納税者の申告納税のお手伝いをするだけでなく、日々の税務相談を通じて、納税者の皆様と苦楽を共にし、現場の声を間近で聞いてまいりました。納税者からお預かりした貴重な税金、いわば血税の使い道を決めることもまた政治の極めて重要な役割であり、だからこそ、今国会では真摯かつ丁寧な議論を推し進めていくことが必要不可欠です。  であるにもかかわらず、本日の本会議ではなぜ四本もの法案を束ねて審議入りする必要があるのでしょうか。いずれの法案も重要な法案であり、本来は一つ一つ丁寧に審議すべきではありませんか。  高市内閣の一員として、国民の税金をお預かりする側に立たれた片山財務大臣の、国会における税制の議論、そしてその使い方の予算の審議に対して、真摯かつ丁寧な議論を進めるとの御決意をまずお聞かせいただきたいと思います。  次に、各法案の具体的な論点について、片山財務大臣に質問いたします。  まず、所得税法等の一部を改正する法律案に関連して、所得税のいわゆる年収の壁の引上げについてお伺いいたします。  本法案では、中低所得者への配慮と物価高への対応の観点から、課税最低限を現在の百六十万円から特例的に百七十八万円まで引き上げるとされています。  現在の課税最低限が百三万円から百六十万円に引き上げられた経緯は、まず、一昨年末の与党税制調査会において、物価高に苦しむ国民生活への支援として、近年の物価動向を踏まえ、課税最低限を百三万円から百二十三万円に引き上げ、さらに、昨年二月、課税最低限は生活保護基準額を下回るべきではないとの考え方から、当時、公明党が制度設計を行い、令和七年の課税最低限を百六十万円へ引き上げ、それ以降は物価動向にスライドさせて引き上げることを決定いたしました。  本法案では、具体的に二年ごとに物価上昇率に応じて控除額を自動的に見直す物価スライドの仕組みが導入されており、この枠組みに基づけば、令和八年の課税最低限は百六十八万円となるものと承知しております。しかしながら、本法案では、特例として、先取りして百七十八万円まで引き上げるとされています。  財務大臣にお伺いいたします。  百七十八万円という水準の具体的な算定根拠は何でしょうか。生活保護基準額、物価動向、自公国の三党合意との関係を含め、制度設計上どのような考え方でこの水準を設定されたのか、明確にお示しください。  課税最低限は物価動向にスライドさせるとの恒久的な見直し枠組みを設けたにもかかわらず、なぜ今回あえて先取りして引き上げる必要があるのでしょうか。就業調整対策や中低所得者支援との関係、また制度の整合性や持続可能性をどのように整理しておられるのか、財務大臣の御見解をお伺いいたします。  これまでの税制改正で確立されてきた生活保護基準額を勘案する仕組み及び物価連動の自動見直し制度という基本理念は、政治的な思惑や政権の枠組みの変化などにかかわらず、尊重されるべき原則であると考えます。政府として、今後もこの枠組みを維持し、発展させていくお考えに変わりはないでしょうか。財務大臣に明確な御答弁を求めます。  課税最低限の百七十八万円への引上げによる減税額をどの程度と見込んでおられるのでしょうか。また、その財源をどのように確保されるお考えでしょうか。責任ある積極財政を掲げている高市内閣の財務大臣として、その具体的な財源確保策を明確にお示しください。  消費税のインボイス制度導入に係る経過措置の見直しについてお伺いいたします。  今回の改正案で、免税事業者等からの課税仕入れに係る税額控除に関する経過措置、いわゆる八割控除について、最終的な適用期限を二年延長した上で、控除できる割合の引下げペースや引下げ幅を見直すこととしております。  特例措置の延長は、免税事業者が取引から排除されないよう配慮する観点から評価いたします。しかし、引下げペースや引下げ幅が当初よりも短期で細かくなっているため、現場では、経理が煩雑になると心配の声もあります。  私はこれまで、改正のたびにますます複雑になっていく昨今の税制に経理担当の方たちが苦労しながら対応している姿を見てきました。どうか、そのような現場の声も拾い上げていただき、更なる措置を御検討いただきたいと思いますが、財務大臣の御見解をお伺いいたします。  NISAの拡充についてお伺いいたします。  ゼロ歳から十七歳までを対象として、つみたて投資枠が年間投資枠六十万円、非課税保有限度額六百万円と拡充されます。そして、十二歳以降は、資金の使途が子のためのものであり、子の同意を得た場合のみ、親権者等による払出しを可能とする制度となっております。  しかし、今回拡充される投資枠に拠出するのは、実質的に資力のある親や祖父母であり、結果的に格差の固定化につながるのではないかとの懸念もあります。与党の令和八年度税制改正大綱では、格差の固定化につながらないよう配慮しつつと書かれていますが、具体的にはどのような方策をお考えか、財務大臣にお伺いいたします。  賃上げ促進税制の抜本的見直しについてお伺いいたします。  法人の賃上げ促進税制については、大企業向けの措置を前倒しで令和七年度末をもって廃止し、中小企業を中心とした支援へと重点化することとされています。今回の見直しでは、従業員二千人以下の中堅企業向けの措置についても、令和八年度末で、延長せず予定どおり終了することとされております。  中堅企業は、地方経済や地域雇用の中核を担う極めて重要な存在です。こうした中で、今回あえて中堅企業向けの賃上げ促進税制を打ち切るに至った理由について、財務大臣の御見解をお伺いいたします。  特定生産性向上設備等投資促進税制の創設についてお伺いいたします。  産業競争力強化法案における認定国際経済事情激変事業適応計画を提出し、認定を受けた事業者は、税額控除限度超過額を三年間繰越控除できますが、現時点でその詳細は明示されておりません。企業の予見可能性に配慮して、詳細を早く示すべきではありませんか。どのようにして、いつ頃、全体像が明らかにされるのか、赤澤経済産業大臣にお伺いをいたします。  次に、特例公債法案についてお伺いいたします。  今回の改正案で、特例公債の発行可能期間は令和十二年度まで五年間延長されますが、国会のチェックを適時適切に受ける方が、我が国の財政へのマーケットの信認が高まるのではないかとの考えもあります。  新設される行財政改革の徹底についてお伺いいたします。  改正案第五条の第一項として、政府は、経済・財政一体化計画を推進する中で、歳出及び歳入の改革、持続可能な社会保障制度を構築するための改革その他の行財政改革を徹底するものとするという条文を新たに追加することとされています。これは、高市総理の掲げる責任ある積極財政を意識したものと思いますが、その具体的な中身について、財務大臣にお伺いをいたします。  これに関連して、同条第二項で、政府は、前項に規定する行財政改革の一環として、租税特別措置及び補助金等の適正化について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするという条文を新たに追加することとしています。  政府は、昨年十一月二十五日、内閣官房行政改革・効率化推進事務局に租税特別措置・補助金見直し担当室、日本版DOGEを設置し、租税特別措置や補助金等の適正化を進めていると聞いております。  こうした取組について、具体的にどのような適正化を進めようとしているのか、財務大臣にお伺いいたします。  最後に、関税定率法等の一部を改正する法律案についてお伺いいたします。  いわゆる越境電子商取引の拡大で、我が国における令和六年の輸入許可件数は約一億九千万件となっており、コロナ禍前の約四・一倍と急激に増加している現状があります。さらに、訪日外国人旅客数は四千二百万人を突破し過去最多を記録するなど、円滑な人流、物流へのニーズが高まっております。  その一方で、昨年、水際での押収量が三トンを超えた不正薬物を始め、金、知的財産侵害物品等の流入、密輸リスクも増大していると認識しております。  国民の皆様の安全と安心を守るため、こうしたリスクに対応し、水際取締り能力の強化に取り組む観点から、税関の体制強化は必要不可欠な課題と考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、財務大臣の方針をお聞かせください。  関連して、もう一点お伺いいたします。  アメリカの連邦最高裁判所は、二月二十日、国際緊急経済権限法に基づいて大統領が関税を課すことはできないとの判決を下しました。ただ、輸入者が既に支払い済みの関税の還付方法や、トランプ政権がこれまでの交渉で合意した各国、地域で異なる関税率の取扱いについては触れておらず、この判決を受けてトランプ政権は新たな関税措置を発表するなど、当面、予見可能性が低い状態が続く可能性があります。  総理は、二月二十五日の本会議代表質問において、関税の還付に関しては、今後、米国の下級裁判所において改めて審理されることとなると承知をしております、政府として、米国と意思疎通を継続してまいりますと述べられておられましたが、我が国として、対象企業と綿密に連携を図りながら、主体的に対応を図るべきと思いますが、政府の対応について、城内日本成長戦略担当大臣にお伺いいたします。  以上、今回の法案に関連して、様々な論点を提示してまいりました。言うまでもなく、税制は国家の根幹を成す制度であり、その法案の審議は、形式的な手続にとどまることなく、与党も含めた徹底した質疑と十分な説明責任の下、慎重かつ丁寧に行われるべきです。それは、お預かりした税金の使い道を決める予算の審議においても同じであります。  国民並びに納税者の皆様への関係大臣の真摯かつ誠実な御答弁を期待して、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔国務大臣片山さつき君登壇〕

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