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中野洋昌 ·中道改革連合・無所属

衆議院本会議(2026-03-13)での発言

第221回国会 ·第第6号号 ·3,860字
○中野洋昌君 中道改革連合の中野洋昌です。  私は、会派を代表して、ただいま議題となりました令和八年度一般会計予算、令和八年度特別会計予算、令和八年度政府関係機関予算、以上三案につきまして、反対の立場から討論いたします。(拍手)  今回、高市総理の施政方針演説を伺い、今後の国会審議において総理を始め閣僚の皆様と正々堂々、切磋琢磨する議論が行えると決意を新たにしておりました。  しかし、予算審議が始まり、その期待は大きく裏切られました。予算の中身に立ち入る前に、今回の政府・与党の数の力に物を言わせた極めて強引な国会運営については、厳しくたださざるを得ません。  そもそも、事の発端は、一月二十三日、通常国会が召集され、まさにこれから予算の審議が始まろうとするその日に、高市総理が衆議院を解散したことにあります。例年どおりのスケジュールに当てはめれば、この時点で予算の年度内成立が極めて厳しい状況になることは誰の目にも明らかでしたが、それでもなお解散を強行したのは、ほかならぬ高市総理御本人でした。  総理御自身も、通常国会冒頭の解散により国会日程が窮屈になっていることは認めると答弁されました。しかし、その自覚があるのであれば、年度内成立ありきで拙速に審議を推し進めるのではなく、率先して、丁寧な予算審議を実現するための環境を整備するのが筋ではありませんか。  総理は繰り返し、国民生活に支障を生じないように年度内成立を目指すとおっしゃいます。国民生活に影響が出ないようにしたいという思いは、我々も全く同じです。だからこそ、我々は、早期に暫定予算を編成し、国民生活の安定と予算審議の充実を両立させるべきであると申し上げてきたのです。  加えて、通常、暫定予算は必要最低限の中身に限られますが、学校給食費の負担軽減や高校無償化など、党派的な対立が少なく、本予算の成立を待てば国民生活に負担を生じさせかねないものについては、これを組み込んでいくということも具体的に提案をさせていただき、暫定予算の成立に協力をすることを明言してきました。にもかかわらず、これに耳を傾けることなく、日程ありきで物事を進めることは、本当に議会制民主主義のあるべき姿なのでしょうか。  我々が今審議をしているのは、総額百二十二兆円という史上最大規模の予算であり、国民一人当たり百万円にも上る貴重なお金の使い道です。したがって、本来であれば、例年どおりの審議時間を確保することはもちろんのこと、今まで以上に充実した審議が求められるはずであります。しかしながら、高市総理の強い意向の下、逆に、例年よりも相当に少ない審議時間で本日を迎えることになったことは、痛恨の極みであり、大変に残念であると申し上げざるを得ません。  政府・与党が無理やり審議時間を圧縮しようとした結果、今回の予算審議は異常事態が相次ぎました。その中でも、三月二日、この日は基本的質疑の二日目、つまり予算の審議が始まって僅か数日後の理事会で、与党が三月十三日採決ありきのスケジュール表を提示をしてきたことは、常軌を逸していると断じざるを得ません。改めて言うまでもなく、予算委員会に限らず、全ての国会日程は、与野党合意の下で決定されるのが基本であり、与党が一方的に採決までのスケジュールを示すなど前代未聞であります。  そして、この際に示された十三日採決ありきのスケジュールで審議を進めるため、予算委員会は、与野党の合意に基づかず、委員長の職権で委員会が立てられることが常態化しました。その結果、きめ細かな審議を実施するために開催されてきた分科会が三十七年ぶりに未開催となったほか、例年、四日あるいは五日行われてきた総理入りの集中審議が僅か一日半にとどまるなど、充実審議とはほど遠い運営がなされてきました。そのほかにも、一般質疑であるにもかかわらず、予算を所管する財務大臣が不在のまま審議を進められたこともありました。  また、先ほどの本会議で、与党議員から、総理と閣僚を委員会に長時間張りつけるべきではないとの指摘がありましたが、それでは、なぜ、今回の委員会は、我々が出席を求めていない大臣が答弁もしないのにずらりと並んでいたことがあったのでしょうか。これまで、政府・与党は、全大臣を予算委員会に張りつかせることについて、行政の停滞を招くので控えてほしいと主張してきたはずであります。こうした主張も踏まえ、昨年、国会改革の一環で、与野党合意の下に、質問通告のない大臣の出席は求めないことと整理をされたにもかかわらず、それを覆してまで大臣を張りつかせるのは、まさに国会改革への逆行にほかならないのではないでしょうか。  そうした中で、残念ながら高市総理の答弁の機会は大幅に減少いたしました。報道機関の調査によれば、昨年の臨時国会と今国会の予算委員会における基本的質疑を比較をすると、実に四割以上も答弁回数が減少しているとされます。  そもそも、国会審議において、総理と直接質疑をできる機会は、基本的質疑と集中審議以外にはほとんどありません。責任ある積極財政始め、総理が重要な政策転換を行うとされたこの令和八年度予算案の審議において、総理御自身のお考えを説明していただく機会が極めて限られていたということは、立法府全体にとっての大きな損失だったのではないでしょうか。  加えて、ほかの委員会においても、例えば文部科学委員長が遅刻をし委員会が流会をするなど、気の緩みと言わざるを得ない事象で委員会運営に影響が出ていることも大変に遺憾であります。とりわけ、文部科学委員会は、いわゆる高校無償化や三十五人学級の実現を図るための重要な日切れ扱い法案を抱えています。  高市総理は、さきの施政方針演説で、今年度末までに成立が必要な法案の早期成立に御協力くださいと呼びかけられましたが、そうおっしゃるならば、まずは政府・与党を律するのが先ではないでしょうか。  以上申し上げたとおり、この間の国会運営は看過し難いものがありますが、予算そのものの抱える問題についても指摘をさせていただきます。  本予算は、昨年十二月末に閣議決定をされたものであり、今般のイラン情勢の緊迫化、ホルムズ海峡封鎖等による国民生活への影響は考慮されておりません。特に原油については、供給の急減により価格が高騰し、第三次オイルショックともいうべき事態が生じる可能性もあり、早急な対応が求められるところであります。しかしながら、高市総理は、予算の組替えや追加の予算措置は現段階で考えていない旨、答弁をされました。  石油備蓄の放出や基金の残額を用いたガソリン補助金の再開など、当座の対応は行われておりますが、原油の先物価格が大きく上昇をし、今後、暫定税率の廃止をもってなお、ガソリン価格が二百円、あるいは最悪のシナリオでは三百円に達し、実体経済に深刻な影響が生じることが想定をされる現状にあって、全く十分な対応とは言えません。  こうした状況に鑑みれば、イラン情勢の影響が需要期である夏まで及ぶことを想定しつつ、国民生活の予見可能性を高めるため、燃油、電気、ガス価格の引下げに係る財政措置を早急に講じることが必要です。  また、昨年同様、物価高が国民生活に重くのしかかる中で、法人税とたばこ税の税収増で防衛財源が賄える見込みがあるにもかかわらず、昨年は見送った防衛増税を実施することは、国民生活を軽視するものであり、到底容認できるものではありません。  こうした認識の下、我々は、本予算について、撤回のうえ編成替えを求める動議を提出いたしました。  本動議は、国民生活を守るため、燃油、電気、ガス価格の引下げや防衛増税の撤回など、必要最低限の内容に限定して予算の変更を求めるとともに、特例公債の発行減額により、責任ある積極財政により揺らぎつつある財政に対する市場の信認の維持を図るものでありますが、与党の反対に遭い、否決されるに至りました。  本動議が否決された以上、既に申し上げたとおり、政府提出の原案には様々な課題が存在していることから、令和八年度予算については反対をするものであります。  最後に、今、議場におられる全ての国会議員の皆様に改めて問います。  私たち立法府に所属する議員は、国民の負託を得てこの場におります。今回、予算委員会の質問時間が短縮をされ、また、分科会も開催されなかったことで、一度も質問の機会を得られないまま予算案の採決を迎えざるを得なかった議員も多いのではないでしょうか。  国民の声、現場の声を行政府に届け、国会の審議を通じて予算の執行や今後の政策に反映させることは、議会制民主主義の基本であり、私たち立法府にしかできない役割であります。  国会は、国権の最高機関であり、政府の下請機関では断じてありません。これまで先人が長い時間をかけて積み重ねてきた先例が踏みにじられ、多くの議員がその議論の機会そのものを奪われた現状を、やすやすと許してよいのでしょうか。  我々は、議会人としての矜持を持って、これに強く抗議をするものであります。  我々中道改革連合は、引き続き、国会における熟議を通じて、よりよい社会を実現をしていくべく、全力を尽くしていくことをお誓い申し上げ、反対討論といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手)

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