○伊佐進一君 中道改革連合の伊佐進一です。
中道改革連合を代表し、副首都法案とその修正案に反対、同日選を禁止する大都市法改正法案に賛成の立場から討論いたします。(拍手)
私たちは、一極集中の打破や首都機能のバックアップ、副首都の議論については、全く反対するものではありません。災害が激甚化する中、むしろ重要な課題だと認識をしております。
しかし、だからこそ、今回の法案の進め方は余りに拙速と言わざるを得ません。副首都をどう定めるかなどは、国家の統治機構の根幹です。与党自民党の内部の会議ですら、有識者を何度も招致し、議論を重ねてこられました。それを国会においては、僅か数時間の議論で強硬に前に進めるなど、数の力に任せた余りに強引な進め方です。
首都機能の移転については、かつて、一九九二年十二月、国会等の移転に関する法律を成立させ、一九九六年に国会等移転審議会を設置、三年の審議の後、衆参で特別委員会を設置するなど、丁寧な議論が進められてきました。
こうした国会での議論を無視するかのように、本法案では、副首都の指定などに国会の関与は認めておらず、自治体が手挙げ方式で決められるとしており、理解に苦しみます。
副首都の指定だけではありません。そもそもの副首都が担うべき機能や基盤の整備、必要な体制の整備の支援など、統治機構の基本的な事項を定める基本方針にも国会は関与することができません。有識者の意見などを踏まえて政府が決定するということとしています。副首都指定のための要件までも政令で定めることとしており、国家統治の基本に対して国会の関与は極めて限定されています。
そもそも、首都の定義すら現行法制度上存在しておりません。首都の議論がないままに副首都の法整備を急ぐ。更に理解不能なのは、副首都の機能など基本的事項を定める基本方針が策定される前に、なぜか副首都が指定されるということです。何をそんなに急いでいるんでしょうか。国会が十分な議論をないがしろにしてでも間に合わせないといけない、特定の地域の事情などがあるんでしょうか。
副首都の整備のために必要な財政も、何ら納得できる説明がありません。
かつて、国会等移転法に基づいた一九九七年の議論においては、首都機能移転の費用として最大十四兆円、国会機能を除くなど半分であれば七兆円が必要と試算されております。
本法案によって副首都が指定されれば、交通通信体系の整備や移住等の促進、地域における大学振興、創業の促進、規制緩和の推進、民間投資促進の税制措置など、様々なインフラ整備やソフト支援が行われることになります。法案審議においても、その大まかな予算を何度質問しても、今後検討する、整備方針で決めるとしか答えがありませんでした。
副首都は、道府県の手挙げによって幾つでも指定される仕組みとしているため、同じようなインフラ整備が二重三重で行われることになります。必要な予算額も、また財源の見通しもないまま、自治体の言われるままに二重三重で同じようなインフラ整備を進めるのでしょうか。それ自体、国家として二重行政、三重行政そのものだと指摘したいと思います。
道府県と市との連携の要件については、現状、具体的には特別区の設置か連携協約と示されています。医療、介護や福祉、防災や給付などの各種の事務で基礎自治体の役割がますます期待される中で、基礎自治体の権限を奪い、弱くしていく特別区を要件とすることは、本当に適当でしょうか。あえて特別区を要件とせずとも、道府県と市との間での連携協約で十分ではないでしょうか。
ちなみに、私の地元の大阪では、府市が既に一体条例を締結しています。その条例においては、第一条、本市及び大阪府の一体的な行政運営を推進することに関し必要な事項を定める、第二条、本市及び大阪府の二重行政を解消するとともに大阪の成長及び発展を図ることにより、副首都大阪を確立とあります。既に、二重行政の解消どころか、副首都の文言まで入っています。この一体条例で十分であるのに、更に特別区を要件に加える理由は一体何なんでしょうか。何のための特別区であり、何のための都構想なんでしょうか。
現在特別区を設置している東京都は、一九四三年に東京府と東京市を廃止して誕生しましたが、その趣旨には、帝都における従来の府市併存の弊を解消し、一元的にして強力な遂行を期すとあります。
時は大戦の真っただ中、東京府知事は官選として国が任命をしていましたが、東京市長は市議会の選挙によって選出されておりました。この統治機構に手を加えて都知事に強大な権限を集中させ、さらに、官選として国の任命権の下に置く。戦争遂行を強力に推し進めることを意図して始まったのが東京都制であり、また特別区でした。特別区や都への名称変更は、単なる地方自治体の統合や名称変更にとどまらず、かつて統治機構を民主的な自治から国家の統制へとシフトさせた歴史の分水嶺だったことを私たちは十分に認識しておく必要があります。
次に、同日選禁止法案について申し述べます。
本法案に関連する最も大きな課題は、民主主義をゆがめる可能性のある、住民投票と議会選挙の同日選の取扱いです。
私の地元大阪では、府知事選挙、市長選挙、府議会議員選挙、市議会議員選挙が来年の四月に同日で行われる見込みです。大阪市の存続を決める重要な住民投票にもかかわらず、もしこれが同日選となれば、人を選ぶ選挙の公示日以降は住民投票運動が制限されてしまいます。また、投開票日においては、人を選ぶ選挙の候補者としては活動できませんが、住民投票運動としては活動することが可能になります。さらには、人物を選ぶ選挙と制度を選ぶ住民投票では根拠法も判断要素も異なるにもかかわらず、人に政策が引きずられる可能性があり、また、住民に十分な情報が届かないことも本法案の審議では指摘されました。
なお、憲法審においては、こうした事情を踏まえて、憲法改正における住民投票と人を選ぶ選挙は同日にはできないよう、党派を超えたコンセンサスが形成されております。
もちろん、同日選によって、事務の簡素化やコストカットできるという意見もあります。しかし、これは、公平公正な選挙を実現するという民主主義のコストであって、削るべきコストではありません。同日選により、公平な選挙が阻害されるリスクの方が大きいと思っております。
一言つけ加えますと、むしろ、都構想の再挑戦を理由に、知事と市長が辞職してダブル選挙を行うことの方が、よほど住民に強いるコストとして議論されるべきものではないでしょうか。
今国会においては、本法案のように、与党の思惑含みの法案を優先させる姿勢が目立ちました。私たちは、暮らしが先だとの考えの下、物価高騰や資材不足などに苦しむ国民生活への支援を早くから訴えてきましたが、補正予算の予備費はいまだ一円たりとも支出されておりません。国民の暮らしを後回しにし、自分たちの進めたい法案を先に強引に進めていく、そうした政府・与党の姿勢に強く抗議を申し上げたい。
改めて、様々な課題のある副首都法案については、チームみらいの修正案によっても根本的な解決とはならないため、原案並びに修正案には反対、国民民主党提出の同日選禁止法案には賛成といたしたく、議員各位の皆様の誠意と覚悟を持った御判断を心よりお願い申し上げ、私の反対討論とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
伊佐進一 の他の発言
2026-07-14 · 衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会
○伊佐委員 おはようございます。中道改革連合の伊佐進一です。
昨日に引き続き質問させていただきたいと思いますが、ちょっと、まず最初に、一番私が今回の法案の関連することで大きな課…
2026-07-14 · 衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会
○伊佐委員 今の、提出者の方からるる説明していただいたとおりで、人を選ぶ選挙と制度を決めていく住民投票、これを一緒にやるとそれぞれに影響してくると。
さっきおっしゃったような、…
2026-07-14 · 衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会
○伊佐委員 いや、まだ決まっていないですというだけだと思うんです、今の御答弁、もちろん誠実な御答弁はされたと思いますが、まだ決まっていないんだと。
ただ、府市一体条例というのは…
2026-07-14 · 衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会
○伊佐委員 まだまだ、ちょっと議論が必要だというふうに思っておりますが、引き続き議論させていただきたいと思います。
ありがとうございました。…
2026-07-14 · 衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会
○伊佐委員 いや、高見さん、私はそれは違うと思いますね。だって、そもそもの特別区の趣旨は、市の権限を府に持っていこうという話なんですから、都に持っていこうという話なんですから。違う…
2026-07-14 · 衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会
○伊佐委員 今、いろいろな、各委員会で我々は様々な法案の審議をやってきましたが、例えば医療にしても介護にしても、あるいは災害、福祉、どんどん基礎自治体の役割というのは大きくなってい…
2026-07-13 · 衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会
○伊佐委員 だから、そのある程度限られているというのも、恐らく私は答弁としてどうかと思いますよ。だって、何も政令は決まっていないんですもの。人口規模も決まっていないし、経済規模だっ…
2026-07-13 · 衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会
○伊佐委員 簗先生、私、バックアップ機能が重要だということは何も否定もしません。これが、いざ災害がいつ起こるか分からないという状況の中で、喫緊の課題だというのも、そのとおりだと思っ…
API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=伊佐進一
MCP: search_diet_speeches(speaker="伊佐進一")