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山中伸介 ·原子力規制委員会委員長

衆議院東日本大震災復興及び原子力問題調査特別委員会(2026-03-10)での発言

第221回国会 ·第第2号号 ·2,830字
○山中政府特別補佐人 原子力規制委員会委員長の山中伸介でございます。  衆議院東日本大震災復興及び原子力問題調査特別委員会における御審議に先立ち、原子力規制委員会の業務について御説明申し上げます。  まず、原子力施設等に係る規制の厳正かつ適切な実施について申し上げます。  東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえて強化した規制基準への適合性審査については、これまでに申請がなされた二十七基の発電用原子炉のうち、十八基に対して設置変更許可処分を、一基に対して設置変更許可をしないこととする処分を行いました。また、申請がなされた二十一の核燃料施設等のうち、これまでに核燃料物質の加工施設、使用済燃料の再処理施設等について十一件の事業変更許可を、試験研究炉等について二件の設置変更承認及び七件の設置変更許可を行いました。  原子力施設の廃止措置計画については、これまでに発電用原子炉に対して十八基の認可を、核燃料施設等に対して九件の認可を行いました。  また、原子力規制検査により、原子力施設等において事業者が行う安全確保や核物質防護に関わるあらゆる活動を対象に、その安全上の重要度に応じて、検査官が現場確認等を行って監視しています。なお、原子力施設等で事故トラブルが発生した場合には、速やかな状況確認などを通じて、適切に対応してまいります。  また、中部電力浜岡原子力発電所の基準地震動策定に係る不正行為については、本年一月に中部電力に対して、報告徴収命令を発出するとともに、審査資料作成作業に係る品質管理に対する保安規定の遵守状況等を確認するための検査を開始しております。引き続き、本事案の事実関係及び経緯の確認を進めてまいります。  規制基準については、安全研究等により得られた最新の科学的、技術的知見、新規制基準適合性に係る審査の実績等を踏まえて、継続的に改善を図っております。  建て替え原子炉については、事業者からの提案を踏まえ、事業者との実務レベルでの技術的な意見交換を実施しており、事業者が規制の予見性が十分でないと考える事項について議論しています。昨年十一月にこれまでの議論の状況について原子力規制庁から中間報告を受けており、今後、原子力規制委員会において規制上の取扱いについて整理してまいります。  以上のとおり、原子力施設等に関する規制が厳正かつ適切に実施できるよう取り組んでおります。  フュージョンエネルギーについては、原子力規制委員会における今後の検討のための情報収集として、原子力規制庁において、フュージョン装置の開発を進める事業者等との意見交換を実施しています。今後、意見交換の結果を踏まえ、現在開発が進められているフュージョン装置に係る規制上の論点を整理してまいります。  第二に、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組の監視等について申し上げます。  原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉や汚染水対策の実施について、規制当局としての立場から、安全かつ着実に廃炉が進むよう、積極的な監視、指導を行うとともに、関係省庁等と連携し、環境放射線モニタリングの実施とその結果の公表を行っております。  東京電力福島第一原子力発電所の廃炉については、施設全体のリスク低減及び最適化を図る観点から、短期的な目標に加え、中長期に実現すべき姿とそれに向けた目標を設けて、東京電力の活動を監視、指導しております。直近では、一号機の原子炉建屋カバーの設置が完了するとともに、二号機の使用済燃料プールからの燃料取り出しに向けた準備が着実に進められているところです。  令和五年八月から開始された多核種除去設備等処理水、いわゆるALPS処理水の海洋放出については、関係機関と連携をして海域モニタリングを実施しており、人や環境に影響を及ぼすレベルではないことを確認しています。また、国際原子力機関、IAEAによるレビューを通じ、原子力規制委員会の活動が国際安全基準に合致しているとの評価を受けています。今後も、継続的に東京電力の活動を検査で確認するとともに、IAEAのレビューやモニタリング等を通じ、透明性、信頼性の維持に努めてまいります。  東京電力福島第一原子力発電所の事故調査については、溶融炉心による一号機原子炉格納容器の破損メカニズム等について、科学的、技術的意見募集の結果を踏まえ、昨年九月に中間的な取りまとめを行いました。今後も継続的に調査、分析を行い、それにより得られた知見を規制に活用してまいります。  第三に、原子力災害対策及び放射線モニタリングの充実並びに保障措置の強化について申し上げます。  原子力災害時の防護措置である屋内退避については、原子力規制委員会としての運用の考え方を明確にするため、検討チームにおいてその考え方を検討し、その報告書に基づき、昨年十月に原子力災害対策指針を改正しました。この内容について自治体を始め地域の方々に理解を深めていただくため、指針の詳細を解説した文書を作成し、また、各地域での説明を行っており、こうした取組を進めてまいります。  環境放射線モニタリングについては、原子力規制事務所の体制整備及び関係道府県への技術支援等に加え、最新の技術動向を踏まえ、より強靱で機動的な放射線モニタリング体制の構築に取り組んでまいります。  保障措置については、国際約束に基づき国内の原子力施設に対する厳格な保障措置活動を実施しており、IAEAにより二十年以上連続して、国内全ての核物質が平和的活動にとどまっているとの評価を得ております。また、六ケ所再処理施設や大型混合酸化物燃料加工施設の操業を見据え、国内の保障措置制度の継続的改善を図るために、査察官等の人材確保や保障措置の実施体制の強化について、検討会を開催し、検討を進めてまいります。  最後に、組織運営や規制の継続的改善について申し上げます。  原子力規制委員会は、本年一月、IAEAが実施する総合規制評価サービス、IRRSミッションを受け入れ、規制の枠組みや活動に対するレビューを受けました。その結果、日本の規制枠組みの強化について評価いただくとともに、リスクの程度に応じた規制内容にするというグレーデッドアプローチの更なる適用や、複数年の人材戦略の策定などといった勧告、提言を受けました。原子力規制委員会は、これらの提言を受けて、規制制度の見直しも含め、これらへの対応を進めてまいります。  以上、原子力規制委員会の業務について御説明いたしました。  原子力規制委員会は、与えられた職責を踏まえて、原子力利用の安全が確実に担保されるよう、また、我が国の原子力規制に対する信頼が得られるよう、今後とも努力し、人と環境を守ってまいります。何とぞよろしくお願い申し上げます。

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