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大関崇 ·国立研究開発法人産業技術総合研究所再生可能エネルギー研究センター副研究センター長

参議院経済産業委員会(2026-07-14)での発言

第221回国会 ·第第13号号 ·6,254字
○参考人(大関崇君) おはようございます。よろしくお願いいたします。  では、着座で失礼いたします。  今日は、このような発言の機会をいただきまして、大変ありがとうございます。  産業技術総合研究所の大関と申します。私は太陽光発電のシステムに関して研究を行っていまして、昨今では、少し安全性に関わるところで申し上げますと、設計、施工のガイドラインということで、適正に設計、施工できるようにということで基盤整備を行っております。今回の法案に関連するところで申し上げますと、経済産業省の電力安全小委員会の委員でもありますので、そこで議論をさせていただきました太陽電池発電設備の法案に関する、ここについて主に意見を述べたいと思います。  今日は、ちょっとお手元のパワーポイントの資料をベースに簡単に御説明したいと思います。ちょっとちっちゃいですけど、右下にページ番号ありますので、そちら見ていただければと思います。  まず、二ページ目の太陽光発電の現状ですけれども、皆さんも御案内と思いますけれども、二〇一二年以降のFITで急激に拡大をしていまして、一番左にありますように、約八十ギガぐらい既に導入をされています。内訳としましては、住宅、低圧、高圧、特高ということで大体均一に入っているものですけれども、容量が違いますので、ここの件数の大きさがかなり違うというところで、低圧の六十万件とかですね、そういったところが非常に数が多くなっているということが見て取れると思います。  右下ですけれども、エネルギー基本計画で二〇四〇年に向けて発電電力量の二三から二九%を賄うというような目標にしていまして、二〇二五年、現状、大体一〇%ぐらいですので、そこから、現状から二倍とか三倍程度入れていくということが必要だということ、というふうに認識をしています。  これまでは、FIT後、地上が、地上設置が非常に拡大してきましたけれども、後で申し上げるような地域との懸念ということもありますので、当面は、やっぱり建物にどれだけ入れていくかということをやっていくということかなと思っています。その上で、それで足りない場合は地上設置もということで、例えば農業との融合であるとか、既存の設備をリパワリングしていくとか、そういったことに加えて、発電の価値をどういうふうに上げて、責任ある電源としてやっていくかということが重要だというふうに考えております。  おめくりいただいて、三ページ目。  そういったことで、導入拡大は一定程度進んで、更に入れなきゃいけないというような現状でありますけれども、残念ながら、いろんな懸念が課題として上がってきているということになります。  これは、経済産業省のエネ庁の不適切な問合せ窓口みたいなところに入ってきているような件数が右の方に書いていますけれども、御案内のとおり、地域との共生の中ということで、景観の問題であったりありますけれども、その中の一つとして、安全性の確保ということも懸念に挙がってきているということであります。これに関して、事業の規律の確保ということが喫緊の課題になっているというふうに認識をしています。  そして、おめくりいただいて、そういった背景の中、四ページ目、これまで再エネ特措法で基本的にはそのまま発電をしているというようなことで入ってきたものですけれども、残念ながら、その設備の適切性に不安があるとか、発電事業者と呼べるような人たちが、じゃ一体どのぐらいいるのかというような懸念であったり、電源の価値をどういうふうに上げていくかということが言われていると認識しています。  そういう意味では、主力電源に向けてということで、二〇三〇、二〇四〇に向けて太陽光をやっていかなきゃいけないわけですので、そういう意味では、まず入口としてやっぱり設備を適切化にしていくということが本当のベースというか、安全性がないと何もできないということになりますので、そういったことが必要だというふうに考えているわけです。  で、そのときに、下に示しますように、当然、民間事業者が規律の中で、倫理の中でやっていくということがベースになると思っていますので、適切な地域共生に資するような事業を、事業モデルを開発したりだったり、確かな技術力でしっかりしたものをつくっていくということは大前提であるものの、そういった事業者を育てていったりとか、ちゃんとやっていくところにはやっぱり行政の役割も必要だというふうに考えていますので、今回のような法案の中でいかに優良な事業者を、競争力を持てるような事業者を育てていける事業環境をつくっていくかということが、これは計画経済ではありませんので、自由経済の中でエネルギー基本計画を着実に達成するというような、その両立が求められているというふうに考えております。  五ページ目からは、もう少し細かい話に踏み込んでいきたいと考えております。  太陽光の事故事例に関してですけれども、電力安全課が出されている事故の統計もあるわけですけれども、我々の方でも少し独自で分析しているデータがありまして、今日はそれを少し御紹介させていただきたいと思います。  こちらは、保険会社が事故があった場合に支払をやるわけですけれども、それのときのデータを少し、専門家の我々だったり、ちょっと下に書いてある構造耐力評価機構というところで一緒に分析した結果になっています。全データというのはちょっと難しいので、ある特定の一社のデータで、一千万円以上、比較的大きな金額だとデータが残っていますので、そういったものを分析したものになっています。  重要なのは②のところになっていまして、想定内でも事故が発生と書いてあるんですけれども、これは何かと申し上げると、要は、よく言われるのは、強風であったり、雪がめちゃくちゃ降ったので壊れたんじゃないかというふうに言われているわけですけれども、実際は、ここで基準で決められているような設計の許容内の雪で壊れている。要は、ある程度強風である必要はあるんですけれども、そういったところでも壊れているということを考えると、これは設計若しくは施工が悪かったんじゃないかということだというふうに認識しているわけです。その我々が分からない点も、なかなか分析難しい点もあるので、不明も多いですけれども、四六%ぐらい我々の方で分析した結果ではあったというところであります。  この三、四、五は、それの細かい話ですけれども、メカニズムとしては、基本的には太陽電池の支持物、いわゆる架台ですね、架台のところが壊れているというところですけれども、壊れる箇所は様々でして、接合部であったりとか、あと部材そのものが曲がったりとか、あと基礎が抜けたりゆがんだりと、そういったことが確認されていますので、どこかの部分というよりは全般的に見ていかなきゃいけないと。  また、荷重に関して申し上げますと、いわゆる気象関係ですね、まあやっぱり風と雪、これが多くなっていますので、そういったところを重点的に見ていかなきゃいけないというふうに認識をしています。  おめくりいただいて、六ページ目ですけれども、こちらは経済産業省の方で調査された結果でありますけれども、こちらは、事故が起きたわけじゃなくて、立入検査等で現状の設計がどうなっているかというようなことを分析した結果であります。  一のところが一番重要ですけれども、構造計算書、いわゆる設計で用いられている文書がそもそもないというところが二百八十件中の百五十七件程度あるというところであります。  その下の一から六に関しては、構造計算書があった場合でも、専門家が見た場合にある一定の誤りがある、指摘がある、直ちにこれがあったから壊れるとかいうことではないんですけれども、やはり専門家が見た中では誤りがあるという指摘がどの部分でも一定程度あるということがありますので、この辺り、設計、施工がまず重要であるに次いで、確認をどう、第三者等がどういうふうに確認していくかということも更に必要であるというふうに認識をしているわけです。  おめくりいただいて、七ページ目ですけれども、ここはもう少し全般的な話ですので、今回の太陽光の保安に関わるところで設計、施工が重要というお話をしましたけれども、歴史的には二〇〇〇年程度のFITのちょっと前に規制緩和が結構行われて、事前規制に関しても引き下げられたりと、そういったことがあった中、導入拡大で事故等も起きたので、再度規律を強化するというような少し流れにはなってきていると思います。  その中で、GXとか人口減とか設備の増加、そういったことも増えてきますので、設計、施工から最終的な廃棄、リサイクルまで含めた、生涯にわたってどういうふうに電気保安を確保していくかということを様々な視点で考えなきゃいけないというふうに認識をしています。  八ページ目以降、少し個別の論点について述べさせていただきたいと思います。  今回、太陽電池発電設備の構造安全性に関するものと、後で申し上げる関係事業者の協力確保という二点でございます。  一点目は事前確認制度ですけれども、これまで御説明させていただきましたとおり、安全確保には設置前段階の設計、施工内容の適切な確認、これが一番重要だと思っています。これ駄目だと、幾ら保安、保守しても駄目なものは難しいということになると思っています。  また、構造安全性は、歴史的には太陽電池はやっぱり電気側の専門家が入ってきたところもありますので、構造のところ、少し弱い点もあったのかなというふうに思いますので、その辺り、客観的な確認ということを、行政側もあると思いますし、それ以外の第三者ということも必要なのかというふうに考えています。  一方で、これは総論的には私も賛成をしているわけですけれども、懸念点としては、ここにありますように、導入拡大とのバランスということが言われるかなと思います。  一つは審査期間の短縮と審査コストの低減ということで、第三者機関を設けるにしても、そこの、そこで目詰まりを起こしてしまってはどうしようもありませんし、そこがしっかりと標準化されていくということも重要だと思っています。また、当然ながら行政側も含めてDX化していくということが全体の流れですので、そこを忘れずにやっていく必要があるというふうに思っています。  審査対象の数ですけれども、第三者機関等の年間一万件以上も場合によっては入ってくるということも考えると、架台を標準化したりとか、標準化するにしても、じゃ、その適用範囲はどの範囲までできるのかということが業界での懸念事項でもありますので、その辺り、しっかりと整理していく必要があると思います。  また、昨今では保険に、いろんな事故、盗難の問題も多いですけれども、保険に入れないというような問題も非常に課題となっています。こういったところで、雪の荷重とかそういったものも適切に設計が確認できていれば、保険制度との連携ということも将来的には考えられるというふうに考えています。  また、既設の対応は非常に難しいところでありますけれども、今回、電気事業法の一つのいいところでもあるんですけれども、全ての設備に一律に規制できるというところがありますけれども、最終的にはリスクに応じたきめ細かな規制とか、場合によっては緩和ということも考えていく必要もあると思いますし、リパワリング等の既設の改修にも配慮した制度をどういうふうに設計していくかということは、今後、導入拡大とか主力電源化に向けては大きなところかなと思っています。  また、優良事業者をどういうふうに育てていくかというところでありますので、規制はしつつ、そこのリバランスの中で競争力を持てるような人たちを育てるということもこの間というのはできるんじゃないかというふうに思っています。  続きまして、九ページ目の方の関係事業者の協力確保ですけれども、これは、事故原因の究明と再発防止という意味では、EBPMの基盤、間違いなく基盤ですので、ここがないとできないということになりますので、当然、行政だけでできればいいんですけれども、パワーコンディショナー等、製造メーカーが、結構パッケージでこの中身が見れない状態で販売することもありますので、やはりそこはしっかりと協力が必要なんだというふうに考えています。  また、安全性の確保と導入の両立ということで、実態に即した規制の見直し、先ほどの繰り返しになりますけれども、これはやっぱり分析をして、ちゃんと正しい認識の中でここは大丈夫であるとか、この人だったら大丈夫だねということをやるに当たっては、こういった事故分析がベースになるかなと思っています。  また、その行政の分析の機能に加えて、各種、製造事業者だけじゃなくて、先ほどの設計、施工の問題もありますので、そういったEPC、設計者、施工者も含めて、皆さんの協力の中で知見をためていくことが求められているというふうに思っています。  そういう意味では、制度の確実な執行というのが非常に重要だと考えていまして、ツールは作ったけどやらないといえば、皆さんやらないと思いますし、逆に、しっかりと規制すれば、事業者は結構レピュテーションに反応しますので、そういったことも重要かと思っていますので、その中で、発電事業者が当然一番の責任ですけれども、それ以外の人たちの責任意識の向上であったり、そういったところの文化の醸成というのは太陽光業界にとっては非常に重要なことだというふうに考えています。  また、ここは繰り返しになりますので少し割愛しますけれども、サプライチェーン全体でそういったことが求められているというふうに思っています。こういったことも踏まえて、適切な事業者が評価、選択されるようにしていくということがこの法案の一つの鍵かなというふうに思っています。  最後に十ページ目ですけれども、太陽光発電の目指すべき方向性としましては、再エネ特措法以降、市場拡大に加えて、今後、電気事業法の適切な規制の合理化が必要になってくるというふうに思っていますので、安全確保を第一にしつつも、導入拡大を両立させていくということが重要だと思っています。  その上では、優良事業者とか専門人材の育成、市場の参入を促進させることが、当たり前ですけれども重要だと思いますので、その健全な市場形成とか再エネ、エネルギーの主力電源化のために規制側で引っ張っていくというようなことも一つの案だろうというふうに考えています。  最後に、私は、二十五年ぐらい、学生の頃から太陽光の研究をしていまして、当時、学生のときに思い描いていた太陽光とはもう全然違う世界になって非常に悲しい思いはしていますけれども、これは我々太陽光に関わっている人たちの責任でもありますので、もう一度信頼を取り戻すためにしっかりとやっていきたいと思いますし、この法案がその一助になればというふうに考えております。  以上になります。どうもありがとうございました。

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