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神保謙 ·公益財団法人国際文化会館常務理事・慶應義塾大学総合政策学部教授

参議院国際問題に関する調査会(2026-03-04)での発言

第221回国会 ·第第1号号 ·1,663字
○参考人(神保謙君) 塩村委員、ありがとうございます。  大変重要な御質問で、短く答えるのは大変難しいですけれども、例に挙げられた防衛装備移転と平和国家としての日本の役割という点について絞ってお話ししたいと思います。  今回の装備移転五類型の見直し、いろいろな論点はあるんですけれども、これまでの日本が取ってきた五類型というのは、まさにこの国際紛争や直接的なこの殺傷性の高い武器ということと距離を取る形であれば積極的にこれは移転をするという方針から、いよいよこの制限を外して、よりその事案に沿った文脈の中で定義をしていくという方向になるんだろうというふうに思います。  その際にやはりこれまでの心構え等を変えて考えなければいけないのは、国際紛争を直接助長したり、それを支援したりするというところでなかったとしても、それに間接的に結び付くような殺傷性の武器を出していくということが、当然その出される国にとっての助けになるかもしれませんけれども、それと敵対する国、またその敵対する国を支援する国との関係でやはり大きなマイナス効果を生むことも考えられるということを考えると、やはり非常に、いわゆる装備品の市場に入っていくという経済的な利益だけではなく、これ外交戦略の中での立場決定等、大きな意味を持つということだと思うんですね。ある国を支援すると、場合によっては日本の隣国にある、ある国がそれを理由にもしかすると装備を強化したり敵対的な行動を強めるかもしれないという、こういったその戦略上の意思決定とかなり接近したところで判断をしなければいけないということが入るということを十分認識した上でこの政策を進めてほしいというのが一点です。  二つ目は、その装備移転にも実はいろんなものがあるということだと思います。  特に、これ、装備というカテゴリーでやるかどうかという問題はあるんですけれども、例えば、フィリピン、インドネシア等に、海上防衛能力と広くはいうんですけれども、いわゆる警察とか、いわゆる日本でいうと海上保安庁に相当するような警備艇ですよね、これを出していくという、積極的に出し、それをオペレーション上も支援するということによって、例えばその装備がなかったとしたら、それらの国はいきなり海軍の艦艇を出して対応しなければいけないところを、警察力を強化することによってエスカレーションの幅というものを一段階上げて、すぐにそのグレーゾーンの事態が武力闘争にならないような装備を支援することによって安定を確保するとか、こういったその装備移転においても実はいろいろな形で平和国家としての日本の考えを支援するというやり方はたくさんあるというふうに思っておりますので、しっかりとその中身を吟味して出すということが大事というのが二番目です。  そして最後に、この異なる正面における装備の需要の変化というのは、戦争が起こると物すごい起こるわけですね。  ウクライナ軍は、常に装備のまさに足りないという状況にこの三年ずっと直面して、いろんな国にお願いをして集めていくということによって戦線を維持するということをやっているわけなんですけれども、まさに一日に一万発以上の弾薬が消費されるような戦場において、その弾薬をどれだけ供給できるかということ自体がその継戦能力そのものにつながってくるということは、生産能力というものがその国際情勢の事態によって大きくこの需要の幅というものが変わるということだと思います。この幅をどう考えるのか。つまり、足りない国には助けてあげなければいけないし、我々が足りないときには助けてもらわなければいけない、こういう関係を同志国同士でどれだけつくるのか。いわゆるその共同のサージ能力というふうに、予備能力と言ってもいいしサージ能力と言ってもいいんですけれども、これをその装備移転をより柔軟化する中でもう一つの概念として同志国同士で協力してつくっていくと、こういう発想が重要なのではないかと思っている次第です。

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