○高木真理君 立憲民主・無所属の高木真理です。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました財政運営に必要な財源の確保を図るための公債の発行の特例に関する法律の一部を改正する法律案に反対、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案に賛成、所得税法等の一部を改正する法律案に反対、関税定率法等の一部を改正する法律案に賛成の立場から討論します。
まず、特例公債法改正案、復興財源確保法改正案及び所得税法等改正案は、財政金融委員会で三案を一括して議題とし、審査されました。そもそも、国民生活に直結する重要な内容を多く含み、それぞれ性格も異なる法案を一括して審査すること、これが適当であると言えるのでしょうか。
さらに、衆議院での令和八年度予算の質疑時間の短縮など、政府・与党の国会軽視は、数の力で押し切ればいいという高市政権の姿勢の表れにほかなりません。
政府・与党には猛省を促し、丁寧な政権運営を行っていただくよう強く求め、討論に入ります。
初めに、特例公債法改正案について、反対の立場から討論を行います。
政府案では、特例公債の発行期間を令和八年度から令和十二年度までの五年間とするとともに、租税特別措置及び補助金等の適正化や社会保障制度改革など、行財政改革の徹底に関する規定を設けることとされております。
これに対して、私たち立憲民主・無所属は、公明党及び参政党とともに、委員会において、特例公債の発行期間について令和八年度のみとすること、行財政改革の徹底に係る規定を削除すること等を内容とする修正案を提出いたしました。
特例公債法は、平成二十三年度までは単年度の発行を認めるものでしたが、平成二十四年度以降は複数年度にわたる発行を可能とする枠組みに変更されています。しかし、これは当時の政治状況を踏まえたものであり、特例公債の発行を政治的な駆け引きの材料とすべきではないということは各会派共通の認識として醸成されているのではないでしょうか。
我が国の経済状況が円安の進行、金利の上昇傾向にある中、高市総理は責任ある積極財政との考え方に基づき、財政拡張的とも取れる姿勢を示しており、また、政府は、財政健全化目標としてこれまで掲げてきた単年度のプライマリーバランス黒字化について見直す方針を打ち出しております。このような状況において従来どおりに特例公債の発行期間を単純に五年間延長することは、市場の信認を得る観点からすると大きなリスクがあると考えられます。
また、政府案にある租税特別措置や補助金等の適正化を始め、行財政改革については不断に取り組むべき課題であり、本法律案にあえて記載する必要があるのか、甚だ疑問であります。ましてや、自民党と日本維新の会の連立合意に盛り込まれた、国民に大きな痛みを与える社会保障費の削減を是とするような内容を直接関係のない本法律案に設けるべきではありません。
市場の信認を確保し、財政の責任をしっかり果たしていくためにも、単年度ごとに国会で監視する仕組みにすべきであり、政府案には反対いたします。
次に、復興財源確保法改正案に賛成の立場から申し上げます。
東日本大震災の発災から十五年を迎えますが、復興はいまだ道半ばであります。令和八年度からの第三期復興・創生期間においては、被災地によって復興に向けた課題が多様であることに配慮し、実態に即したきめ細やかな対応を取ることにより、山積する課題の解決を着実に図っていかなければなりません。このために必要な財源を確保することは極めて重要であり、政府を挙げて復興に全力で取り組むことを求め、政府案に賛成いたします。
次に、所得税法等改正案について、反対の立場から申し上げます。
政府案においては、防衛特別所得税を創設する一方、復興特別所得税の引下げと課税期間の十年間延長を行うこととされております。
しかし、被災地の復興のために課すこととした復興特別所得税を防衛力強化という目的も性質も全く異なる防衛特別所得税に付け替えようとするのは、目先の負担が変わらぬということを隠れみのにして、将来にわたる恒久増税を覆い隠そうとしているものと言わざるを得ません。
しかも、委員会審査において、防衛力強化に必要な毎年度一兆円強の財源は、明日から始まる防衛特別法人税やたばこ税の増税によって確保可能であることが明らかになっています。また、政府は、復興特別所得税を引き下げることで家計の負担増加に配慮しているとの説明をしていますが、復興特別所得税の課税期間が終了しても防衛特別所得税は存続するため、その部分は純粋に家計負担が増えることになります。
立憲民主・無所属は、公明党及び参政党とともに委員会において防衛特別所得税の創設を凍結する修正案を提出いたしました。防衛特別所得税を創設しなくとも防衛力強化に必要な財源は確保できるにもかかわらず、国民生活が厳しい状況に置かれている中で所得税を増税する必要が本当にあるのでしょうか。直ちに見直すべきです。
また、中小企業・小規模事業者を支える税制も不十分です。消費税のインボイスに係る経過措置であるいわゆる二割特例は三割特例に縮減され、対象も個人事業主のみに絞られてしまいます。厳しい経営環境の中で、下で苦しんでいる中小企業・小規模事業者は対象に残し、引き続き支える措置が必要であります。
さらに、私たちは、公平、納得の税制改革を訴え、巨額の租税特別措置が適用されている企業を実名で公表することを求めてきました。しかし、結論は先送りにされており、政府の改革に向けた取組は不十分であると言わざるを得ません。
本改正案は、中東情勢が緊迫化し、原油価格の高騰に伴う燃料代、電気代、ガス料金の上昇を始めエネルギーや物流コストの上昇による家計への大きな負担増が懸念されている中、さきに述べた防衛増税、インボイス特例縮減といった更なる負担を物価高で苦しむ国民に求めるものであり、重要な政策課題への対応が不十分である観点からも反対であります。
最後に、関税定率法等改正案について、賛成の立場から申し上げます。
関税の暫定税率は、消費者負担の軽減にもつながっていることから、その延長は国民生活に必要なものであります。また、輸入貨物や訪日外国人が増加する中で、税関体制の強化は国民生活の安全、安心を守ることに資するものであります。さらに、アンチダンピング関税に係る迂回防止制度の創設は、不公正な貿易取引から我が国産業を守る観点から重要な措置です。本改正案に係る措置は着実に実施すべきであると考え、政府案に賛成いたします。
以上、四法案に対する賛否とその理由を申し述べました。
私たち立憲民主・無所属は、これまでも国民の皆様の生活の安全、安心を守るべく、政策実現のために邁進してまいりました。今後も、国民の皆様の生活に寄り添い、より良くするための政策を実現していくことをお誓いをして、私の討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
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