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長浜博行 ·立憲民主・無所属

参議院皇室典範等の一部を改正する法律案特別委員会(2026-07-15)での発言

第221回国会 ·第第2号号 ·3,377字
○長浜博行君 立憲民主党の長浜博行です。  良識の府、再考の府とかつては言われたこともあったこの参議院で、八十年の歴史を持つ皇室典範が、僅か数時間の審議で、十分な質疑も行われずに改悪されることを想像すると、まさに断腸の思いです。  私は、退位特例法の際の附帯決議が、安定的な皇位継承を確保するための諸課題に関して、先延ばしにすることはできない重要な課題と断じているにもかかわらず、本質的な議論を避けていることを問題視してまいりました。男性皇族では当然なのに、女性皇族が婚姻後も皇室に残り、さらに、配偶者及び子が皇族になることがなぜ問題なのでしょうか。また、養子制度を創設して、皇統譜に記載されていない、すなわち皇族以外の男子を養子にしてまで何を維持しようとしているのかを正面から議論をしないと、国民の皆さんには皇室制度の何が問題なのかが分かりにくいと申し上げてきました。  有識者会議の報告書は以前にも存在をしております。安定的な皇位継承について、今から二十年も前、二〇〇五年十一月ですが、小泉総理、安倍内閣官房長官時代に皇位継承の在り方を国民に問うものでした。タイトルは、そのものずばり、皇室典範に関する有識者会議報告書です。  そこには、皇位継承制度をめぐる国民意識や社会の変化は、我が国社会の長期的な変化に伴うものである、女性天皇や女系の天皇を可能とすることは、社会の変化に対応しながら、多くの国民が支持する象徴天皇の制度の安定的継続を可能とする上で、大きな意義を有するものである、女性天皇や女系の天皇はその正統性に疑問が生じるという見解もあるが、現在の象徴天皇の制度においては、皇統による皇位継承が維持され、幅広い国民の積極的な支持が得られる制度である限り、正統性が揺らぐことはない、なお、皇位継承資格を女子に拡大した場合、皇族女子は、婚姻後も皇室にとどまり、その配偶者も皇族の身分を有することとする必要があると明確に書かれていました。  皇位継承順位については、過去から現在まで伝えられてきた皇位を将来につないでいくことが重要であり、この過去から将来への連続を象徴する形として、親から子に、世代から世代へと伝わる直系継承が最もふさわしい、したがって、天皇の直系子孫を優先し、天皇の子である兄弟姉妹の間では、男女を区別せずに、年齢順に皇位継承順位を設定する長子優先の制度が適当であると国民の皆様に分かりやすく丁寧に述べられておりました。  なお、旧皇族の皇籍復帰等の方策については、男系男子による安定的な皇位継承自体が困難になっているという問題に加え、以下のように、国民の理解と支持、安定性、伝統のいずれの観点から見ても問題があり、採用することは極めて困難であると断じております。  理由としては、その一、皇族として親しまれていることが過去のどの時代よりも重要な意味を持つ象徴天皇の制度の下では、このような方策につき国民の理解と支持を得ることは難しい、理由その二、皇籍への復帰、編入を行う場合、制度の運用いかんによっては、皇族となることを当事者に事実上強制したり、当事者以外の第三者が影響を及ぼしたりすることにもなりかねない、理由その三、皇族と国民の身分を厳格に峻別することにより、皇族の身分等をめぐる各種の混乱が生じることを避けるという実質的な意味を持つ伝統であり、この点には現在でも十分な配慮が必要であるとなっております。  繰り返しますが、二十年も前の話ですよ、二十年。自民党政権下での小泉純一郎総理大臣、安倍晋三内閣官房長官が設置した有識者会議報告書でございます。私には、今行われている議論の方が、主権の存する日本国民の総意に基づくことにも密接に関連するとしたら、よほど時代遅れで、民意から懸け離れているように思えてなりませんが、いかがでしょうか。  当時の小泉総理は、この報告書が発表された翌年の通常国会の冒頭、施政方針演説において、象徴天皇制度は、国民の間に定着しており、皇位が将来にわたり安定的に継承されるよう、有識者会議の報告に沿って、皇室典範の改正案を提出しますと発言をされました。私は議場で拝聴しましたし、皇族の皆様、なかんずく、ちょうど今の愛子内親王殿下とほぼ同じ、当時二十代前半の女性皇族であらせられた、三笠宮家の彬子女王殿下、瑶子女王殿下、そして高円宮家の承子女王殿下におかれましては、以降の御自身の人生設計をも左右する大きな出来事であったと恐れながら愚考申し上げます。  あれから二十年、たなざらし状態の安定的な皇位継承の本質論は相変わらず解決されず、立法府の不作為が続いております。生身の人間であり、基本的人権の飛び地におられる女性皇族の方々にどれほど心理的な御負担をお掛けしているか、立法府の末席を汚す一人として大変申し訳なく存じております。  来月八月八日で、象徴としてのお務めについての天皇陛下のお言葉を拝聴して十年の月日が経過をいたします。光陰矢のごとし、上皇陛下は、日本国憲法下で即位され、そして、皇室典範と一体を成す天皇の退位等に関する皇室典範特例法で退位をされました。天皇は国政に関する権能を有しないことから、お言葉を拝聴した国民の声、民意に寄り添いながら、当時も参議院では特別委員会を組織して、私も質疑に立たせていただき、立法府の総意を成就させた満足感に浸ることができたことをつい昨日のように思い出します。  上皇陛下、上皇后陛下の御健康を心より祈念申し上げます。  今回、皇室典範改正に当たり、立法府の総意が形成されなかったことは残念なことでした。全体会議の際にも御紹介させていただきましたが、立法府の総意を取りまとめる議論の渦中にありました私には、天皇陛下、皇后陛下のオランダ、ベルギー御訪問はなぜ今この二つの国なのかを思慮することにより、甚だ僣越ながら大きな励みとなりました。  その全体会議です。二〇二四年五月から丁寧な議事運営がなされておりましたが、今年の二月の総選挙で自民党が圧勝し衆院議長が交代してから、強引で結論ありきの状況に一変しました。十一回の会議のうち、四月以降立て続けに五回開催し、とても立法府の総意とは認められない結論をスケジュールありきでつくり上げ、あたかも行政府の下請機関のごとき様相を呈した状態になってしまい、立法府の権威をおとしめるものであり、ざんきに堪えません。  日本国憲法の下で歴代の皇族の方々が血と汗と涙で築き上げてこられた象徴天皇制のありようをも破壊しかねない暴挙を看過することはできないとの思いで、旗色を鮮明にして発言を続けております。私の全体会議での発言は衆参両院のホームページで議事録として公開されておりますので、削除されることはないと思いますが、御関心のある方は御覧ください。なお、最初の六回については、公正中立な立場であったため、意見表明は行っていないことを申し添えます。  この法案審議に先立ち、ショッキングなことがありました。与党側から、テレビやインターネット等の中継がない中で審議を進めてもらいたい旨の申入れがあったことです。そもそも、静かな環境という言葉を、静ひつな環境という言葉を安易に連発し、ベールにくるまれたような密室でのやり取りこそが民主主義を崩壊させる危険な行為だということを政治家が認識しないでどうするんでしょうか。猛省を促すとともに、今回は日本国民統合の象徴にも関係する重大案件ですから、公文書の管理を徹底して、現在のみならず、将来の国民に説明する責務が全うされなければならないと思います。  さて、女性皇族が婚姻により皇籍を離脱しないこととすることは、全体会議では最大公約数と言えるくらいの各党派ほぼ意見の一致を見たことであり、また女性皇族の御年齢からして早急に実現すべきと考えましたので、修正案にも織り込み済みです。今後は、社会的に夫婦あるいは親子でその身分に差異があるという不自然さを解消するためにも、御家庭を持たれた後に、御事情が許すのであれば御家族一体として皇室にお入りいただき、諸活動に御参画賜れるように法整備しなければならないと考えておりますが、官房長官、いかが思われますか。

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