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粟生木千佳 ·公益財団法人地球環境戦略研究機関主任研究員

衆議院環境委員会(2024-04-09)での発言

第213回国会 ·第第7号号 ·3,417字
○粟生木参考人 公益財団法人地球環境戦略研究機関の粟生木と申します。  本日は貴重な機会をいただき、ありがとうございます。  私自身は、当機関におきまして、国際的な政策動向というものを中心に研究を進めているわけですけれども、私の担当、特に循環経済、循環型社会、資源効率の向上といったところをテーマに、国連ですとか、EU、欧州各国の動向を追っております。本日は、そういった研究の成果から、本法案との関連性について意見を申し述べさせていただきたいというふうに思います。  それでは、お配りいたしました資料の一枚目、「経済・暮らしと資源使用・環境影響の切り離し」というスライドがある方のページを見ていただきたいというふうに思います。  こちらには書いてございませんけれども、世界の資源消費、一九七〇年以降、現在までにおよそ三倍以上になっているというふうに言われておりまして、現状のペースでこのまま資源採掘、資源消費が続くと、二〇六〇年頃までにはさらに三倍ということになるというふうに試算されております。  先進国と最貧国の資源消費のレベルを比較いたしますと、おおよそ十倍の差があるということになります。したがいまして、このままいきますと、現状の資源消費というものが非持続可能であるというところに、国際社会としても大きな課題感を持っているという状況にございます。  一枚目の下のシート、「資源消費と気候変動・生物多様性」というタイトルを使いましたスライドを見ていただきたいというふうに思います。  このスライドですけれども、国連環境計画で、こういった資源効率性ですとか循環経済を専門とする科学者が集まった国際資源パネルという専門家パネルがございます。これによる試算によりますと、こういった天然資源の採掘とか、製品を製造していく工程ですけれども、これが気候変動の影響の約六割、生物多様性喪失と水への負の影響の約九割、大気汚染健康影響の約四割を占めるというふうにされております。  したがいまして、こういった環境影響ということを削減していくに当たっても、生産と消費のパターンの変革が必要になってくる。つまり、脱大量生産、脱大量販売というところ、脱却していく必要があるというふうに考えます。そのアプローチの一つが、循環型社会であり、循環経済というふうに言えるかというふうに考えております。  裏にめくっていただきまして、これまで私が政策研究を進めてきた中で、サーキュラーエコノミー、循環経済を実施していくに当たってどういう取組が必要かというものをまとめてみた図がこの図になります。  おおよそ四つポイントがあると思っておりまして、一つは長寿命。これは、維持やメンテナンス、修理、修復、耐久性を延ばすということで得られると考えております。  二点目が循環。これは、再製造、リマニュファクチャリング、部品の再使用、リユース、製品そのものをリユースするという再使用、そしてリサイクルがあるというふうに考えます。  三点目といたしましては、資源の代替。再生資源、リサイクルを通じて得られた再生資源を積極的に製造側で活用していくということと、枯渇性の資源、金属とか化石燃料といった枯渇性資源から、持続可能な範囲で管理していれば、枯渇性ではない生物資源等を使うという形の代替があるというふうに考えます。  最後に省資源です。軽量化、製品の軽量化というところはもちろんですけれども、例えばカーシェアなどのシェアリング、若しくは製品のサービス化、サブスクリプションで一定期間その製品を利用して、また使用が終わったら元に戻すという形のものですけれども、こういった形があるというふうに考えております。  それに当たっては、例えばその実現を支援するための実現者、イネーブラーと英語では言っておりますけれども、そういったものが必要であったり、どこにどういった循環資源がある、若しくは、どこにどのようなリユースのオポチュニティー、機会があるかといったところの情報が重要になってくるというふうに思われます。  加えて、製品のデザインですとかビジネスのデザイン、そして社会システムのデザインの変革が必要になってまいります。  本法案は、私の理解では、社会システムのデザインを変革するための最初の一歩というふうな位置づけで考えております。ここを、社会システムのデザインを変革することによって、リサイクル、そして再生資源の活用といったことをより推進していくという形になろうかというふうに考えております。  下のスライドに行っていただきまして、欧州ですけれども、欧州では、サーキュラーエコノミー行動計画といいまして、様々ないろいろな施策を打ちに出ているわけですけれども、この中で、こういったサーキュラーエコノミー実施のポイントというところを網羅しているように考えております。  一点目、右側の三つの四角の一点目の持続可能な製品というところで、エコデザイン規則といったところで、リサイクル材の活用ですとか、修理をしやすいデザインに変えていくといったところがございます。  二点目、廃棄物の削減、リサイクルにおきましても、野心的なリサイクル目標を掲げて、様々な施策を打ちながら、リサイクルのこういった野心的な目標を達成するため、必要な取組をしているということになります。  その他、例えば、ファイナンス関連で、そういった取組を行う企業に、より投資をしやすくなるというような環境づくりですとか、国際合意も関連して議論を進めるといったところ、そして、指標、循環物質利用率といいまして、その製品の生産にどのくらいリサイクル材等を活用しているか、そういった指標を掲げた取組など、様々進めているわけです。  その中で、左下の四角に書いてありますけれども、電化製品ですとか、バッテリー、車両、容器包装、プラスチックといった優先分野を掲げ、様々な施策案ということを成り立たせているという状況です。  したがいまして、こういった中で、グローバルにビジネスをされていらっしゃる企業に対しても一定の影響があるわけですけれども、その中で、今回の法案というところで、資源循環を高度化し、更に促進していくというところで、そういったビジネスの支援というふうになると思っていますし、それを支える資源循環産業の育成というところにも非常に効果的であるというふうに思います。  こういったところで、個社で非常に資源循環をしていくというところには一定の限界があるかなというふうに考えております。その中で、連携というものを進めていくことが必要ではありますけれども、既にいろいろな参考人から御発言がありましたけれども、そういった中で様々な課題があり、そういった課題を打破していくための新たな社会システムの在り方というものを検討する必要があろうかと思います。  その中で、この法案というところは、再資源化事業の高度化を計画をするということで、連携の素地が整ったというふうに理解しております。  国内では、やはり、元から言われておりましたけれども、資源の確保でありますと同時に、最終処分場の延命というところに成功はしてきておりますけれども、限界があるということは分かっております。同時に、一億人の人口があるという、世界で比較すると比較的多めの国でありますので、循環資源を得られるポテンシャルも高いというふうに考えております。  その中で、こういった再資源化事業の高度化を進めることによって、グローバルなビジネスを進める企業の国際競争力の支援ですとか、そういった観点が必要になるというふうに思います。加えて、カーボンニュートラルは不可欠な要素ですので、これと脱炭素を両立していくということが不可欠であります。  そういった中で、こういった再資源化事業等の高度化を進めるとともに、脱炭素の確保ということが確実に得られるように、今後、法案の内容を見たところ、政令でいろいろ詰めていく場合もありますので、報告ですとか指標ですとか、そういった観点を強化しながらこの法案というものが進めば、循環経済、循環型社会の実現により資するものというふうに考えております。  私からは以上です。(拍手)

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