○佐久本参考人 皆さん、おはようございます。新見ソーラーカンパニーの佐久本と申します。本日は、よろしくお願いいたします。
では、お配りさせていただきました資料に沿ってお話をさせていただきます。
まず、私は、新見ソーラーカンパニーを起業する前は、放射線技師として病院で勤務していました。放射線技師になる過程で、ソーラーパネルがどうやって発電するかという原理を偶然にも学ぶことができました。そこから、病院で勤務しながら独学で太陽光発電を勉強し、二〇〇九年、株式会社新見ソーラーカンパニーを創業いたしました。その理由として、太陽光発電というものは世界で一番公平で安全で安心な、すばらしい発電方法だということに心を引かれ、今も活動を行っております。弊社の理念として、美しい地球を次世代へバトンタッチすること、これを念頭に活動を行っております。
それでは、表紙にありますように、子供たちの夢を応援するドリームチャレンジャーという事業も毎年やっております。子はやはり宝です。その子供たちのために、美しい地球を次世代へというふうに考えております。
二枚目に行きまして、ソーラーパネルの大量廃棄問題、こちらはもう既に新聞、テレビ等で取り上げていただいております。二〇一二年度からFIT制度をスタートに、太陽光発電の設置が一気に加速しました。当時は、私も太陽光パネルというものは半永久的に使えるものと思っておりましたし、問題視もしておりませんでしたが、そのときに、お客様から古いパネルを弊社のパネルに交換してほしいと言われ、交換したパネルを見たときに、後ろにコーキングというものを施しているんですけれども、そのコーキングとバックシートがぼろぼろになっておりました。そこで初めて、あっ、ソーラーパネルには、太陽光発電パネルには寿命があるんだというふうに気づきました。
コーキング、EVAと呼ばれる接着剤、先ほどお話ししました裏面を保護するバックシート、これらは全て有機物でできています。有機物であるがゆえに劣化が進み、太陽光パネルの寿命に大きく影響しております。裏を返しますと、無機物であるガラス、太陽電池セル、アルミ枠、インターコネクターというものは半永久的に使えるというふうに考えております。
現在、国内には、約八十ギガワットのソーラーパネルがもう既に設置されております。枚数にすると、およそ三億枚前後になると計算しております。政府は、二〇五〇年に向けて、三百五十ギガワットのソーラーパネルの導入を目標にしておりますが、今設置している八十ギガワットのソーラーパネルは、二〇五〇年にはほとんど廃棄されてしまいます。そうしますと、八十ギガワットプラス三百五十ギガワット、四百三十ギガワットのパネルをこれから二〇五〇年までに設置していくという目標を掲げております。
皆さん、万里の長城を御存じですよね。万里の長城の総重量は五千三百万トンとネットに書かれておりました。この四百三十ギガワットのパネルだけの重量は約三千万トンに上ります。この三千万トンのパネルを埋立廃棄ということは非現実的であり、私自身、もったいないと思っております。そのために、早急なソーラーパネルの資源循環の仕組みを整えていく必要があると考えております。
次のページ、ソーラーパネルは分解が難しい。
ソーラーパネル自体の構造は非常にシンプルです。ガラス、太陽電池セル、銅線がEVAと呼ばれる接着剤で強固に固着されて、バックシートも強固に固着されております。
この部品同士、無機物同士をきれいに分解することが、これまで非常に困難でした。しかし、この佐久本式という装置を研究開発するに当たっても非常に頭を悩ませておりましたが、あるとき、天から、有機物なんだから溶かしてしまえよという声が聞こえてきて、そこからこの熱分解装置というものを研究、実験、研究、実験して、二〇一九年にプロトタイプが完成し、ソーラーパネルをガラス、太陽電池セル、インターコネクターというものに分離することができました。それが、お手元に配付させていただいているマテリアルのサンプルになります。
この装置できれいに抽出したガラスを利用して、ガラス工芸品作家さんにグラスとして世界で初めて作っていただきました。今後は、ソーラーパネルのガラスにもう一回戻すということを考えております。
これまで、使用済みパネル、ソーラーパネルというものは、大きくごみというふうに、産業廃棄物というふうに捉えられておりましたが、我々にとっては、このソーラーパネル自身も、使えなくなったとしても、大切な資源として分解し、有価物として販売することができています。
脱炭素を目指すに当たって、再生可能エネルギーの導入だけでは再生可能な仕組みは完成しないと考えております。ソーラーパネルの資源循環を含めた脱炭素政策が地球温暖化対策の推進に役立つと考えております。
我々は、この二酸化炭素を出さない熱分解装置があるがゆえに、パネルメーカーとして、使用済みになったときに資源としてソーラーパネルを引き取るという仕組みを考えました。そして、昨年の六月から、この引取り保証がついたソーラーパネルをサステナパネルと呼び、使えなくなったときには回収する仕組みをつくりました。
さらに、この熱分解装置を利用して、国産のソーラーパネルを造ることを目標にしております。使用済みソーラーパネルから新たなソーラーパネルを造る。資料にございますように、エネルギーコストやCO2の削減も効果が、大きく貢献できると考えております。
例えば、二十年前の百ワットのソーラーパネルを、アルミ、ガラス、太陽電池セル、インターコネクターを抽出して、今の技術でもう一回リボーン、再生、新生させますと、百ワットのパネルから百五十ワット、二百ワットのパネルを造ることも可能であるというふうに考えております。我々はこれをリボーンと呼んでいます。水平リサイクルではなく、元々の性能より高い性能のパネルへ造ることをリボーンというふうに呼んでおります。リサイクルとリボーンは、その概念が違うというふうに考えております。
我々は、パネルからパネルをリボーンさせるパネル・トゥー・パネルを実現するために、リボーンパークの実現を目指しております。今や、使用済みソーラーパネルは、ごみではなく、資源になります。資源循環して再資源化が可能です。
我々は、既に資源循環の事業化に取り組んでいます。使用済みソーラーパネルを熱分解し、抽出したガラスは、工芸作家さんへマテリアルとして販売しております。くしくも、あしたから、岡山県倉敷市の美観地区にて、このガラス工芸品、リボーングラスが販売されることになっております。
アルミ枠、銅線に関しては、現在、資源循環が行われて、市場も形成されております。太陽電池セルに関しては、我々は、太陽電池セルからもう一度太陽電池セルに向けて研究を行っております。現時点では、太陽電池セルにある銀を目的に売却が可能となっております。
実は、つい先日、二つの脱炭素先行地域の担当者と、そこを目指している自治体の担当者の方とお話しさせていただいたんですけれども、今、PPAにて太陽光発電設備を設置する際に、市民や議会から、これは、最後はどうするの、埋め立てるのという声が多くて、設置まで、導入までなかなかスピードが進まないというお話がありまして、何とかこの佐久本式の熱分解装置を導入できないかと検討をしているそうなんですけれども、この装置単体だけでその市町村、地域の脱炭素にはなかなか結びつかない、脱炭素というものは日本全体を考えたときに必要ではあるけれども、その制度ゆえに、補助金や助成金がなかなか使いづらいというお話がありました。これは、恐らく他の自治体でも同様のことだと考えております。
これを打開するためには、やはりソーラーパネルメーカーが責任と義務を果たし、回収して資源循環化させるルール作りを行っていただくと、担当者もすぐに設置ができる、導入が進むのではないかというふうな御意見を頂戴しております。
最後になりますが、弊社は僅か六人の小さな小さな会社です。たまたまではありますけれども、社会問題を解決できる技術を開発することができました。しかし、その道は決して楽なものではありません。研究開発、特許取得など、莫大な資金が必要なことは御理解いただけると思います。
日本は古来より、四方を海に囲まれ、資源の乏しい国でした。文化として、最後まで使い切る、繰り返し使えるということが、日本の美しい文化の一つだと考えています。世界中で課題となっているソーラーパネルの廃棄問題、環境イノベーションを起こして、世界中のこの課題に対して解決できるというふうに信じております、世界をリードする、イニシアチブの取れる分野だというふうに考えております。
日本の技術力、その多くは我々のような零細企業が支えるというふうに思っています。しかしながら、いろいろな資金的な、技術的な継続できない理由で、泣く泣く撤退、日の目を浴びない技術もたくさんあると思います。物づくり日本の再生、世界をリードしていくイノベーションを日本から輩出するためには、政府の多大なる支援が必要だというふうに考えております。皆、必死で歯を食いしばって邁進しています。
私は日本が大好きです。日本の物づくり大国として環境面で世界を牽引できることを夢見ています。日本政府が強力なリーダーシップを発揮し、産官学民が一枚岩となることで、脱炭素の実現や、美しい地球を次世代へバトンタッチすることが可能だと考えております。
ここにお集まりの先生方を始めとする日本政府の強力なリーダーシップを期待して、私の魂の叫びを終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
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