○小野委員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の小野泰輔です。
前回、自民党の加藤幹事から、条文起草作業に入るべきとの御発言がありました。条文起草委員会については幹事懇で今どのような状況となっているのか、中谷、逢坂両幹事に認識をお伺いしたいというふうに思います。
奥野委員は、先週、NHKの世論調査のデータを引き、多くの国民は憲法改正の必要性を感じていないと発言をされました。ところが、昨年五月の共同通信調査では、改憲機運が盛り上がっているかとの質問については、高まっている、どちらかといえば高まっているを合わせて二八%でありましたが、憲法改正の必要性については、どちらかといえばを含めて七二%が肯定との結果でありました。
調査によって改憲の必要性についてはこのようにいろいろと異なるデータがありますが、憲法論議について世論を喚起することは、賛否いずれの立場においても重要でありまして、当審査会でも各会派から何度も提案がなされているとおり、先ほど逢坂幹事からもありましたが、NHKによる当審査会のテレビ中継を行うべきと考えます。この点は立憲民主党も主張されているところでありまして、異論はないんじゃないのかというふうに思います。
現在、衆議院では放送法改正案の審議をしておりますが、NHKの必須業務に放送番組のネット同時配信、放送番組の見逃し配信及び番組関連情報の配信が追加をされますので、これらの手段でも憲法審査会の審議状況を広く発信してもらえればよいのではないかと思います。ちょうど、本日九時から開始されている総務委員会で法案の採決が行われるということですので、本会議の討論で、各会派でこの点を主張したらいかがでしょうか。
立憲民主党からは立法事実がないという主張がなされていますが、それがあるかないかは、よその会派が一方的に決めつけられるものではありませんし、すべきでもないと考えています。今国会で審議した共同親権に関する民法改正案も、まさに立場によって見解は異なっていました。議員立法は、それぞれの会派が、自らの政策立案過程を経て、国民の代表が集まった国会で問うものであります。当然、立法事実があると会派が判断した上でテーブルに上げているわけであります。それが妥当かどうかは、国会の場において各会派が、そして最終的に国民が判断すべきことと考えます。
例えば、教育無償化について、奥野委員は憲法改正など必要ない、本庄幹事が憲法問題ですらないと先週発言をされましたが、それは両委員の考えにすぎません。我が党は、国の形の根本を表す憲法に教育無償化を書き込むことは、国民として、どういう理念で人づくりを行うのかの魂を込めるという意味で、非常に重要だと考えています。特に、大学入学者の半数が、貸与型奨学金を利用し、卒業後にその債務の返済に追われている現実に鑑みると、憲法に教育無償化を明記し、国民の意思を書き込むことには十分な立法事実があると考えます。
立法事実があるかどうかの判断をし、それを法案や憲法改正案として出すところまでは、各会派の信念に関わる部分であり、他者がその考えを批判することは一向に構いませんが、他者が否定できるものではないということを申し上げておきたいと思います。それはまさに立憲主義、民主主義を否定することではないでしょうか。
もし、教育無償化が必要だという考えについて我々と一致しているとして、それを憲法に定めることは全く不要ということなら、逆に、憲法の意義や重みというものを軽んじているというふうに私には思えて仕方がありません。
お互いが持つ価値観を条文の形で提案し合い、国民の前に選択肢を示すことが政治家の務めであるはずです。先々週にも申し上げたことですが、多くの会派が合意形成した改正内容を具体的な条文の形で提案すらできないのは異常としか言いようがありません。
奥野委員からは、改憲が目的化しているのではないかとの御発言が先週ありましたが、公明党の北側幹事から再三答弁を求められている、参議院の緊急集会の権能の拡充は憲法改正が必要ではないのかという質問に正面から向き合わない姿勢からは、改憲をしないことが目的化しているのではないかと言わざるを得ないと思います。
改憲が必要だ、必要ないというように考えが埋まらない以上は、改憲を必要とする会派が提案する項目について議論を尽くし、決められた手続に従って進んでいくことがなければ、永遠にこのようなことを繰り返すことになります。議論を尽くし、お互いの考えが出た段階では賛否を決するのが民主主義ではないのかと思います。
大阪都構想のときのように、具体的な案が示された中で賛否について判断するということを正々堂々とやるべきです。二度の大阪都構想の住民投票では結局我々の提案は否決されましたが、そういうプロセスを踏むべきであります。最終的に判断するのは国民であり、その判断の機会を奪う権限が一部の会派にあるということ自体がおかしいと考えています。
自民党にも申し上げたいんですが、なぜここから先に進もうとしないのか、私には理解ができません。
私個人も改憲したいと思う項目は、我が党が掲げているもの以上にたくさんあります。我が党として、現状で各会派と議論し、ある程度、国民に改正の判断を求めるレベルにまで行き着くものと思われるものを選択しているわけであります。
立憲民主党の各委員も、五十三条の臨時国会の召集期限については憲法上明確に定めるべきとの主張を繰り返しておられるので、堂々とその改正案を提案すればよいのです。石破委員もずっと主張されておりますし、私も個人的には賛同しています。
多くの会派が提案している緊急事態条項を改憲項目として受け入れる代わり、立憲民主党が必要だと思う改憲案も具体的に出すのであれば、自民党も応じるのではないでしょうか。
岸田総理の総裁任期中に憲法改正を実現するという公党の党首の公約に対し、賛同する超党派はスケジュールをにらみながら取り組んできたのであり、そのスケジュールにのらないで議論を重ねてこなかった論点については、残念ながら、俎上にのせられなくても仕方がないと思っています。ただ、我々が定例日開催にこだわらなければ、まだまだできると考えています。
この問題を打開するには、自民党が腹を決める以外にはないと思います。自民党に本気でやるつもりがないのなら、国民に向けてそれをはっきり言うべきだと思います。いつまでもこの状況を続けるべきではありません。先に進めるのか、このままだらだらと過ごすのかを決めるときがもう来ているというふうに思います。
以上です。
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