○山田(賢)委員 自由民主党の山田賢司でございます。
これまで、当審査会におきまして多くの議員が、具体例も挙げつつ、緊急事態、まあ、選挙困難事態における議員任期の延長を中心とした国会機能の維持の観点から論理的な御意見を述べられ、少なくとも五会派の間では、この点に関する憲法改正の必要性についての認識が共有されているものと承知しております。
もはやこの点については、なぜ改正が必要かという話を繰り返すのではなく、どう改正するのかを具体的な条文で審議すべく、速やかに改正原案作成の起草委員会をスタートさせ、原案をまとめて本審査会に御提示いただくことを、自由民主党所属の議員の立場からも強く求めます。
さらに、日本維新の会・教育無償化、それから国民民主党、有志の会の三会派におかれても、具体的な条文案を提出されていることに敬意を表します。私自身も、三会派が出されている条文案を拝見させていただきました。是非、これについても具体的な議論をさせていただきたいと思っております。
続いて、憲法九条改正に関して、先週、立憲民主党の奥野委員から、自衛隊が憲法違反と考えている国民はおおむね一割程度、立法事実はないと言ってよいとの御発言がありましたが、これに関して違和感を覚えます。一方で、憲法学者の約七割は、自衛隊は違憲又は違憲の疑いがあると考えているとの調査もあります。また、仮に自衛隊を違憲と考える国民が一割程度だったとして、そうした声というのは立法事実にならないのでしょうか。
この審査会は、少数会派であってもひとしく発言の機会が確保され、御意見が伺える貴重な機会だと感じております。この点、共産党さんは一貫して、自衛隊は憲法違反だとおっしゃっております。私自身は共産党さんとは全く異なる立場ですが、直接、生の声で自衛隊違憲論を伺うという点で、この憲法審査会の場での議論は必要だと考えております。
では、なぜ自衛隊が必要か。これは、なぜ国の主権と独立を守ることが必要かということにつながると考えます。
国民の生命財産を守ることは当然のこととして、日本国憲法が国民に保障する人権規定や教育、福祉などの様々な行政サービスの履行は、我が国の主権が維持、確保されていることが当然の前提です。他国に侵略された場合に、侵略した国が日本国民の人権を保障してくれるわけではありませんし、教育の無償化や将来の年金を保障してくれるわけでもありません。
国民主権の我が国において主権とは、すなわち、国の在り方を国民自身が決める権利です。この主権を外部の侵略者から侵されないように守ることは、日本国憲法の秩序を守ることでもあります。護憲派を標榜される方にも、是非、日本国憲法を守るためにも、日本国の主権と独立を守る必要があるということを御理解いただきたいと思います。
しかしながら、我が国の日本国憲法には、他国からの侵略からいかに国民を守るか、いかに国民主権の憲法秩序を守るかについての規定がありません。強いて挙げれば、前文にある、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」となっているのみです。
現代において、他国を武力で侵略する国などないというような理想が通用しないことは、現実の国際情勢を見れば明らかです。国家の存立という根本のところで、他国による武力侵略から守る実力組織を持っていいのか悪いのかといった議論が生じないように明記することは、大変重要な意義があると考えております。
先週、そして今週も、国民民主党の玉木委員からは、自衛隊明記をしても、九条二項を削除しなければ、違憲論の解消につながらず意味がないという御趣旨の御発言があったと承知しております。二項を削除した方がよいという考え方に共感する人も我が党の議員の中にも多くいるとは思いますが、二項を削除しなければ自衛隊明記をするだけで意味がないとは私は考えておりません。
よく例に挙げられるコスタリカは、憲法で軍隊の保持を禁止していると言われますが、コスタリカ憲法においても、恒久的な機関としての陸軍、アーミーの保持禁止を定めた上で、国防のための軍隊、ミリタリーフォーシズを組織することができると定めております。
国際紛争を解決する手段としての戦争の放棄とその目的を達するための戦力不保持が規定されているということと、自国を守るための実力組織を明記するということは、何も矛盾しないと考えております。むしろ、明記することで、自衛隊は二項が禁じる陸海空軍その他戦力には当たらないと整理することができると考えております。
国際法上の軍隊と国内法上の軍隊が違うという御指摘もありました。これは、同じ文言であったとしても、国内法であっても法律が違えば、その法律においてこの文言をどう定義するかによって解釈が違うということはあります。
ここで玉木委員にお伺いしたいんですが、このまま九条二項を残しているとできないことであって、九条二項を削除して何ができるようになればよいとお考えなのか、是非御教示をいただきたい。また、今日でなくてもいいので、できれば、国民民主党さんが考える九条の改正案についても、具体的な条文案をお示しいただけるとありがたく存じます。
また、選挙困難事態における国会の立法機能の維持に関しても、時間が許せばお答えをいただきたいんですが、解散によって一旦失職した衆議院議員を復権させることの是非、これは両論あろうかと思います。また、復権させるとして、誰が承認するのか。三会派案では、失職した衆議院議員自身も議決に加わるという点についての問題点、さらには、様々な問題があります。
時間が来ましたので、これで終わらせていただきます。また機会を見つけて議論させていただければと思います。
ありがとうございます。
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