○青柳(仁)委員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の青柳仁士です。
国会法などで定められた憲法審査会の権能とは、憲法に関する調査、改正原案の審査及び憲法改正国民投票の審査の二つであり、これらを並行して議論していくことは、憲法審査会の設置目的そのものです。
まずは、CM規制など一部の議論が決着しない限り憲法本体の議論を先送りすべきであるといった極端な見解に流されることなく、憲法本体の議論と国民投票に関わる諸課題の議論の双方を同時並行で進めることを強く求めます。
その上で、国民投票法に関する課題は、橘局長が説明された資料4にあるように、令和三年改正、いわゆる七項目案の附則四条の検討条項に規定されている事項に尽きると思っております。
検討条項の冒頭、附則四条一号は、投票環境整備について、国民投票法を公選法並びにアップデートすることを規定しているものです。そこで、附則四条一号の要請に応えるため、令和四年四月、いわゆる三項目案が、自民、維新、公明、有志の四会派によって提出されました。この法案は、趣旨説明が行われた後、二年余り、全く審議が行われておりません。
附則四条で目途とされている期限の今年九月が迫っています。内容的には全く党派性が入り込む余地のないものです。検討期間のめどが迫っている以上、争いのない項目から速やかに法制化し、合意ができていない事項は引き続き議論を深めていくのが、検討条項を提案した立場として責任ある対応ではないかと思います。国民投票の外形的事項である投票環境整備を進めつつ、国民投票の質に関する諸課題、すなわち投票の公正公平を確保するための事項に関し、早急に制度設計すべきです。
国民投票広報協議会規程の整備の在り方については、各会派が度々問題提起し、昨年十一月末の当審査会で私も述べさせていただきましたが、大きな論点は、SNS等を利用したフェイク情報の流布や諸外国による選挙介入への対策の在り方に絞られていると考えています。
国民投票は国民主権の発露であり、投票運動はできるだけ自由に、規制は必要最小限にが大原則であることは言うまでもありません。広告にせよ、ネット上の情報発信にせよ、法で過度に縛ることは政治的表現の自由を制約することにつながりかねず、自由と公正のバランスを踏まえた慎重な対応が必要となります。
しかし、偽情報の発信、流布を野方図にしておけば、国民の投票行動に大きな影響を与え、公正な選挙の実現、すなわち民主主義の根幹が揺るがされかねません。官民の協働によるファクトチェックによってフェイク情報を特定し、根本から絶つ体制を早急に整えることが肝要です。
検討すべき対策については、笹川平和財団がおととし二月に発表した、日本のサイバー安全保障に関する政策提言が参考になると思います。ここでは、ディスインフォメーション対策を行う情報収集センターを設置すること、選挙インフラを重要インフラに指定すること、情報操作型サイバー攻撃に対する積極的サイバー防衛を導入する体制を整備すること、ディスインフォメーションを防ぐための政府とプラットフォーマーによる協同規制を導入すること、メディアリテラシー教育の環境を整備することが提言されています。いずれも検討の余地はあると考えますので、議論の加速のため、同財団の専門家を当審査会に参考人として招くことも一考の価値があると思います。
国民投票の公平公正に関する措置に関しては、橘局長の説明にもありましたように、放送CM、ネットCM、資金規制、ネット等の適正利用といった様々なものが想定されます。
このうち、放送CMの公平公正については、当審査会と民放連の間での長いやり取りを経て、最終的に、民放連の自主規制ガイドラインにのっとって、放送各社が一般的な番組基準に加えて国民投票運動に特化した基準を定めることにより、おおむね量的な公平公正は確保できると考えます。
ネットCMにおける公平公正については、当審査会の参考人質疑でも明らかになったように、全ての事業者をカバーできるものではないものの、ネット広告の分野の事業者団体である日本インタラクティブ広告協会、JIAAが自主規制のガイドラインを策定しており、加盟事業者がこれに従っていれば、ある程度の公平公正は保たれると考えられます。
残る問題は、民放連が国民投票運動に特化したガイドラインを定めているように、JIAAにも国民投票運動に特化したガイドラインを定めてもらう余地はあるか、それは国民投票運動の公平公正に貢献し得るか、そして、JIAAに加盟していない事業者の広告に対しどのように公平公正を確保していくかの二点であると思います。
JIAAの参考人質疑を含め、これらの問題を当審査会で明らかにしていくことを求め、発言を終わらせていただきます。
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