○丸谷智保君 それでは、丸谷でございます。
資料がたくさんあるので、いきなり本題に入っていきます。
今日お話ししたい点は、私どもは何で農業法人をやっているかというようなこと、事業概要ですね、それからあと、消費のサイドからの高齢化社会について、最後に物流問題、この三つの構成でお話をしていきます。
開いていただいて、ちょっと紙芝居みたいになっていますので、絵を見ながら話を聞いてください。
グループ概要というのがありまして、その下にサプライチェーンマネジメントと書いてあるんですけれども、我々は食品を主に扱っていまして、食品の原材料の調達、生産から食品の製造、そしてそれを物流して小売をする、そういうサプライチェーンを経営している構造の会社であります。
次が原材料で、どんなものを使っているかというところなんですけれども、そこにございますように、非常にたくさんの量のものを使っています。野菜で八千五百トンとか米が一万二千トンとか、かなりの量のものを食品として使っておりまして、加工に回しているわけです。
その中で、野菜に関しましては、私どもは北栄ファームという農業法人を持っていまして、北海道と関東に七農場、百二十ヘクタールを経営しております。先ほど示しました年間八千五百トンの野菜の使用量のうちの四分の一を、この農場で生産をしております。
次を開いていただきますと、これは農場の写真なんですけれども、その下、何で農業生産法人をやるのかということなんですけれども、まず、食品の加工商品というのは非常に加工度が低いんですね。野菜を洗って切っただけで出しているものとか、サンドイッチに挟んだだけとか、そういうふうに加工度が非常に低い。ということは、原料の価格の上下動に非常にさらされる。
しかしながら、一度パックされてしまうと、それは小売の商品になって、毎日のような価格変動をすることができない商品が多いんですね。ですから、自分たちで作って原料を安定的に仕入れて、そして加工度が低い最終商品の価格変動をできるだけ少なくする、そのために自分たちで作っています。足りない分については、大きくは、契約農協、契約農家さんから契約ベースで原料を調達するというようなことをやって安定化と価格の安定化双方を兼ね備えたものです。
次のページなんですけれども、小さな表が描いてあります。これ一つ一つはいいんですけれども、要するに生産計画を立てます、その生産計画というのはどんなふうに立てるかというと、私どもの中で一番使用量が多いけれども市場の価格変動に非常にさらされやすいもの、例えばトマトであったりキュウリであったりレタスであったり、こういう価格変動の大きいものを優先的に割りつけて、百二十ヘクタールの棚割りをします。農業生産法人でできるだけ確保しながら、足りない分の四分の三は、一部は市場から取りますけれども、主に契約農協、農家さんから取るというようなことをしています。
例えば、昨今、為替が非常に円安に振れたことによって、従来、ホットシェフというところで使っているフライドポテト、これを千五百トンぐらい使うんですけれども、それは、従来はアメリカのアイダホ・ポテトを輸入して使っていたんですけれども、完全に今、国産に切り替えました。価格はむしろ安くなってきたんですね。昔は高かったんですけれども、今は全量国産に切り替えました。これもいろいろ難しい問題点はあるんですけれども、サプライチェーンを維持していくのは非常に大変なんですけれども、今は国産に全量切り替えています。
次のページなんですけれども、例えば、サプライチェーン経営の難しさというのをこのナポリタンスパゲッティを例に取りますと、パスタ麺というのはデュラム小麦で作っているのが一番品質がいいんですけれども、それはもうほとんどが輸入になります。下の地図にありますように、トルコのアンカラ、それからイタリアのボローニャ、バーリ、この三か所からそれぞれ異なるパスタ麺を輸入しています。
ところが、御承知のとおり、アデン湾で紛争が、紛争がというかな、海賊行動というかテロ行動が起きたことによって、次のページ、地図を大きくすると、結局、スエズ運河を通ってインド洋に簡単に出ていくものが喜望峰を回るということで、いろいろな抜港調整をした結果、やはり三か月到着が遅れる。そうしますと、パスタ麺の原材料の確保が非常に難しく、在庫が切れそうになって、一時欠品したということがあります。ようやく四月になって着きましたけれども、こんなことが、我々の小さなパスタにも地政学的リスクが影響を及ぼすという一つの例です。
ちょっと横道にそれましたけれども、本題に戻ります。原材料を使いまして、食品加工を行っています。北海道の地図がございますけれども、そのように、道内に二十三の工場、漬物工場があったりとか、いろいろなものがあるんですけれども、アイスクリーム工場とかですね。
次のページを開くと、これは大きな工場の一つですけれども、牛乳の工場も持っていまして、生乳ですね、生産を行っています。原乳は全て豊富町から入れておりまして、豊富町の原乳のほぼほぼ九五%ぐらいは私どもで使用しています。これが、今、外販で二千五百万本、それからセイコーマートの店舗で二千万本、計四千五百万本のパック乳を作っている。そのほかに、製造用の殺菌乳等を作っております。
それから、少し工場の説明なんですけれども、羽幌町では、牛乳を使った乳製品でありますところのアイスクリームを作っている工場があります。
それから、メロンの端材の、規格外品の写真なんですけれども、これをもったいないので絞ってメロンの果汁にして、産業廃棄物にならないような形で、我々、産地から買いまして、八農協から百トン、今、仕入れをしております、このように冷凍保管をして、そして夏場になると、メロンソフトクリームという北海道産のものを作っています。これは、三百六十万個、これだけで売れていますけれども、アイスも、この下の写真にあるように、二千二百万個作るうちの三分の一は北海道外で販売をしています。
次のページ、また北海道の地図が出てきますが、道産品を活用した商品というのは、様々な原材料を使ってこのように食品として加工をしている。これがまた、先ほど申し上げたように、三千四百五十万個を北海道外で販売している。さらに、次のページに行きますと、ふるさと納税の返礼品としても使用して、いわゆる広がりがかなり広いということですね。
次に重要なのが物流でありまして、物流拠点が北海道十三か所、本州三か所ありまして、次のページに行きますと、また北海道の地図が出てきますけれども、物流拠点がこのように、道内に、主要都市に配送センターを配置して、ここから千百店舗以上のお店に、店舗のルート配送を行うというような物流体制を組んでおります。トラックは二百四十台持っていまして、一日の配送距離の累計が七万キロ、地球を二周ぐらいするような距離を走っています。北海道は、それだけ物流が大変だということですね。
こういう動脈的な物流だけじゃなくて、帰りの便の静脈物流にもいろいろ力を入れております。その結果、こういったサプライチェーン全体、生産、製造、物流、その結果、初めて小売店があって、その下にオレンジの北海道の地図がありますけれども、全道の百七十九の市町村のうちの百七十五に店舗が展開されているということです。一言で言えば、物流があってのお店ということになると思います。
そのほか、まちづくり協定をいろいろなところと締結したりしておりまして、災害時にも非常にインフラとして活躍しているのが店舗であります。
次の課題としては、消費者側からの目線の問題ですけれども、とりわけ高齢化についてお話をしたいと思います。
次のページを開いていただくと、一位、二位、三位という表があると思うんですけれども、これは何を言っているかというと、その月における一番売れる日、売上げの高い日を示しています。二〇〇六年は給料日の二十五日が一番売上げが高かった。ところが、二〇〇七年になりますと、年金の支給日の十五日、これは偶数月でみんな取ってありますけれども、年金の支給日の十五日が一番売上げが高い日になっています。二〇一三年になりますと、今度は生活保護の支給日の一日が第二位に上がってきて、給料日が第三位。現在は、年金支給日が一位、それから生活保護の支給日が二位、そして給料日は第三位、こういう順番です。
つまり、消費における高齢化、これは何を意味するかというと、社会保障収入に依存する社会であるということが、あくまでもこれは我々の小売の世界での話でありますけれども、高齢化をこんなように私は理解をしています。
したがって、やはり出す食品というのは、原材料をできるだけ歩留りを高めて、できるだけ原料コストを安くする。それから、ここにあるような総菜、百三十八円とか、切り干し大根の百三十八円というのも見えますかね。実は、昔は百八円で出していたんですけれども、今は切り干し大根の原料が上がっちゃって百三十八円になっている、それでもお手頃だと思うんですね。やはりこういう価格のもので出していかないと、なかなか消費者としては厳しい世の中に入ってきているかなというふうに思います。
その次のページを見ますと、例の切り干し大根なんですけれども、こういう基礎的な栄養を取れるような野菜、大根のようなものですね、重い、重量商品をなかなか作ってくれなくなってきていまして、元々は、芽室農協さんから切り干し大根を十トン買って、これを一年間使っていたんですけれども、今は大根そのものが集まらなくなりまして、豊頃農協に頼んで今度五トン作ってもらう、しようがないので、残りの五トンは今、鹿児島県から入れざるを得ないというような状況になってきています。
そのほかに、消費者目線で、できるだけやはり価格を安くするために、包材ですね、私どもの包材は非常に簡単にできておりますけれども、この包材のコストを見直す意味で、自分たちで包材を毎日二十万個作っています。食品加工場の中に包材工場を設けて自分たちで作ることによって、約八割の価格、コスト削減に成功いたしました。このような形で、値上げはせざるを得ないけれども、できるだけその値上げの幅を抑えるような流通での工夫をしています。
次のページは、卵ですね。
卵を、ゆで卵製造機というのがあって、大体年間で九百万個作るんですけれども、やはり五%ぐらいは崩れちゃったりするんですね。でも、崩れたら捨てなきゃいけないんですけれども、それをタルタルソースにしたり、あるいは卵サンドにしたりして歩留りを一〇〇%にすることによって価格を五%抑える、そういうような努力をしています。
というのも、下の表にありますように、やはり、年代が上がっていくほどお総菜をたくさん消費するようになっています。老夫婦世帯になると作らなくなるんですね。ですから、やはり、ちっちゃなものを買ってきて食べるというような消費形態に大分変わってきておりますので、そこのところは十分考慮していかなければいけないと思います。
次のページは、鳥肉の端材の活用ですね。
鳥の串に刺せないような小さな端材をたくさん集めて、これをパスタのペペロンチーノの鳥肉にしたりとか、このような形で食品ロスの活用、本来であれば捨てられてしまうようなサンドイッチの切り落とした耳ですね、乾燥させてラスクにしたりとか。これによって、製造過程で出てくる食品ロスを年間で二千三百十七トン削減をしております。
我々にとってみれば、食品ロスの削減というよりも、使えるもの、食べられるものをできるだけ歩留りを高く使い切ろう、それによって最終消費者には安く出そう、そういう流れで御理解いただければと思います。
次に、最後ですけれども、物流の問題です。
もう御承知のとおりでございますけれども、二〇二四年問題、いろいろな業種で、働き方改革、時間外の規制強化、これはいいことなんですけれども、一方で非常にドライバーが不足をしている、これも仕事の内容がきついからかもしれません。
我々は、様々な効率的な物流網を構築して、できるだけ片荷にならないような、次のページ、また北海道の地図が出てきますけれども、例えば、稚内まで横持ちで大きなトラックが運んだ帰りは空っぽになってしまいますね。その帰りは豊富町に寄って、稚内から三十分くらいです、ここに寄って、でき上がった牛乳をたくさん積んでまた札幌に戻ってくるというような、片方の荷にならないような工夫をいろいろ行って、物流コストをできるだけ削減するような形を取っています。
そのほかに、我々のものだけじゃなくて、空いているところには、このように、様々な異業種のものを一緒に混載をして運ぶことによって、実質的な物流コストの削減。
それから、次のページ、これはちょっと面白いんですけれども、トラックドライバーが減るということで、モーダルシフトを描いています。その一つは海上輸送なんですけれども、それからもう一つは航空便による輸送ですね。今、高級な水産物とかあるいは高級な果物とかはもう既にやられていると思いますけれども、意外と旅客のおなかが空いているんですね。調べましたら、北海道内だけでも一日三百トンから四百トンのスペースが実は航空便で空いています。
ここを有効活用しようということで、実は非常に安い。松山から実は伊予カンを運びました、北海道の千歳まで。これはたった七万円なんです。ですから、一個十円ぐらい航空運賃料を乗っければ、通常価格よりも十円高いんですけれども、売れまして、あっという間に売り切れになった。北海道からは、松山の方に、アスパラガスとかあるいはもぎたてのトウモロコシ、こういったものをやはり航空便で運びまして、それで、向こうでも非常に評判がよく、あっという間に売り切れた。
こんなことを積み上げていまして、今は、稚内空港から沖縄へ牛乳を運んでいます、牛乳とヨーグルトですね。これは、お昼の便で載せると、その日のうちに沖縄に着きます。沖縄のスーパーには翌日並びますので、非常に鮮度のいいものが届くのと同時に、普通に運んでいたら五日間ぐらいかかっちゃうんですけれども、賞味期限が非常に長く取れるということもあって、このように物流面は非常に食品にとっては重要だということですね。
その次に、下の方に、農村のエネルギー物流と書いてあります。
実は、農業というのは太陽エネルギーだけでできるわけじゃなくて、やはり、トラクターを動かしたり、刈取りだとか耕作のための、いわゆる化石燃料のエネルギーがまだ必要ですね。これを供給できるところが、今だんだんと、ホクレンさんのスタンドぐらいしかなくなってきて、このエネルギーの確保に非常に生産地が苦労しておりますので、農村のエネルギー物流の確保、これも非常に大きな課題かなというふうに思います。
それから、次のページ、私どもがやっています酪農についても、このような大体十一トンぐらいのローリーで運ぶんですけれども、このローリーの原乳を運ぶ物流、これも実は非常に難しい。
それから、もっと言えば、畑のあぜ端から鉄コンでどうやってこれを運ぶのか。今、農協さんがやっておられるか、自分で運ぶかですね。しかし、我々のような法人がこれを引取り物流で運ぶということも非常に効率的かなというふうに思いますので、そういう産地からの物流というのも非常に今後大きな問題点になろうかと思います。
最後に、ちょっと余計なことをつけ足しましたけれども、やはり、そういう意味では、広い北海道、産地とそれから消費地を結ぶ高速、高規格道路の整備は、決して建設業だけではなく、農業、生産者にとっても非常に必要なものでありまして、大幅なまだ計画未達がございますので、一日も早くこれがつながってくれれば、もっと牛乳もスムーズに豊富から出せるかなというふうに思っています。
私は、以上でございます。(拍手)
丸谷智保 の他の発言
2024-04-17 · 衆議院農林水産委員会
○丸谷智保君 丸谷でございます。
今、東先生の御質問、これは非常に難しいポイントだと、私、実は思っておりました。
ただ、農業基本法というのは何のためにあるかというと、恐らく…
2024-04-17 · 衆議院農林水産委員会
○丸谷智保君 丸谷でございます。ありがとうございます。
まず、生産空間をどうやって残していくかという中で、私どもは、やはり、リアル店舗があること、残っていることは非常に重要な要…
2024-04-17 · 衆議院農林水産委員会
○丸谷智保君 時間もあると思うので、一言。
SNSがいいと思います。発信をして声を聞くのがよろしいと思います、正しい発信が必要だと思いますけれども。…
2024-04-17 · 衆議院農林水産委員会
○丸谷智保君 正直なところ、農業生産ではCO2を吸収するわけですね。その農業生産をやはり活性化していくためには、トラクターはCO2を吐き出します、化石燃料を使います、これの馬力に代…
2024-04-17 · 衆議院農林水産委員会
○丸谷智保君 分かりました。
なかなか難しいですけれども、まず、法制化に関して申し上げますと、私は、個人的にはちょっと法制化するのはどうかなというふうに思っています。
それ…
2024-04-17 · 衆議院農林水産委員会
○丸谷智保君 まず、小麦ですね。外麦一辺倒だったんですけれども、内麦に替えようかなと思っています。そのほかにも様々検討できるものがあります。
ただ、一つ、豚肉もそうですし鳥肉も…
API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=丸谷智保
MCP: search_diet_speeches(speaker="丸谷智保")