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小林晋也 ·株式会社ファームノートホールディングス代表取締役

衆議院農林水産委員会(2024-04-17)での発言

第213回国会 ·第第10号号 ·5,847字
○小林晋也君 改めまして、株式会社ファームノートホールディングスの小林と申します。本日は、このような貴重な機会をいただきまして、大変感謝しております。  私は北海道帯広市から参りまして、お手元に私たちの会社概要を置かせていただいておるんですけれども、生きるをつなぐというビジョンで、人、動物、自然、これが調和した地球を目指そうということをビジョンに掲げ、事業を行っております。  その中でも、やはり私は十勝の中で実家が農業をやっていたということもありまして、この地球と調和の中でもサステーナブルな食料生産というところを挑戦したいということで、私は二〇一三年からこのファームノートという会社を経営しております。  ファームノートの概要は、ページをめくっていただいた四ページ目にファームノートグループのお話が書かれているんですけれども、ファームノートは、今は食料生産の中でも酪農というジャンルに身を置かせていただいております。酪農のデジタルトランスフォーメーション化を支援するということと、それを通じて生産者の方々の生産性を改善していく、向上していくということをミッションに経営を行っております。  それと同時に、三年前から北海道の中標津町、そして、おととし、北海道の遠軽町というところで酪農生産も実際に行っておりまして、自分たちがDX化を支援するということ自体を自分たちで実践し、決算書上、どこで、どういうふうに利益が出るのかというところまで実証して事業を行っております。  この生産者支援と実際の生産というところを両輪を回していくということが我々の事業なんですけれども、牧場事業においても、今、五か所牧場をやらせていただいておりまして、中標津、遠軽、鹿児島、あとは、直接我々が牧場を経営するというよりは、運営を受託するという運営受託も含めて、今、五件やっておりますけれども、大体千五百頭ほどの牛を我々の方で管理させていただいているというような形でございます。  次のページに、ステークホルダーというところで、この業界にかかわらず、様々な、全方位で御出資をいただいておりまして、このビジョン実現に向けて邁進しているところでございます。  俗に言うスタートアップという会社でございます。このようなスタートアップの会社も発言をいただける機会を頂戴できたことを大変うれしく、そして感謝しております。私の方からは、このスタートアップという視点と同時に生産者という視点と、両方持ち合わせているのはなかなか珍しいんじゃないかなと自分で思っておりまして、そのような視点からちょっと皆様に御意見を申し上げさせていただきたいと思っております。  私は、今回の農業基本法の改正において、いろいろ拝見させていただいた中で、食料の安全保障というところ、これは私も国民として非常に重要だと強く思いますし、国民全てが願っていることだと思います。じゃ、なぜ安全保障が必要なのかと考えれば、当たり前ですけれども、人が人として安心して生きていくために本当に最低限、絶対必要だ、こういうものだと思います。  この観点からこの法案をいろいろ考えていったときに、私はここから考えようと勝手に思ったことがありまして、それは人から考えてみようと。どういうことかといいますと、生産においては担い手が必要ですし、担い手が作る生産物は流通が必要でしたり販売が必要でしたり、そして、それを食べる消費者が必要でしたり、そのようなやはり人が人のために安全保障をつくるということから、人がどうあればいいのかということを私なりに考えてみたところでございます。  私は、生産者の皆さんにテクノロジーを提供していく中で非常に感じることがありまして、何かというと、非常に農業が複雑化して難しくなっている、そして技術がとても要求されるものに変わっていったんだろうというふうに思います。  私たち、特に酪農というジャンルにおいては、非常に多岐にわたる技術が必要です。餌から飼養管理から繁殖から治療から、それだけじゃなくて畑、トラクターの運転、様々な技術が必要だということを一人の生産者の方が全て理解し、それを完璧にできるかというと、それは私でも無理だなと思って、ふだん生産者の方々に接しさせていただいております。ですから、我々のような会社さんや農協さんを含め、サプライヤーの皆さんが生産者の方々を支えていくということで生産というものがなされていると思うんですけれども、それにしても、非常に生産のノウハウというものが難しいなというふうに感じております。  そうしたときに、これを本当に前向きに、面白いとやりがいを持って生産されている皆様、もちろん、私たちのお客様の中にもいらっしゃいますけれども、逆に、苦しみながら営農されている、非常にやはり難しいものをチャレンジされているという中で、なかなか利益が上がらず、生産も上がらないというふうな形で御苦労されている生産者の方々も多々いらっしゃるなというふうに思います。  そのような状況の中で、担い手がいなければ生産が生まれないということを考えると、もちろん、担い手が入ってきてくれる、そういう魅力ある業界にやはりこの農業がなっていく、ないし、より魅力を増していくということがとても大切だと思うんです。  私はこの業界に参入して十年たちますけれども、非常に苦労しておりまして、何かというと、生産者の皆様が利益が上げづらい状況であれば、サプライヤーの我々も利益が上がりづらい。となると、業界全体が、言い方が乱暴ですけれども、もうからない、そのような業界に見られてしまっているのではないかと思います。これは、もうからないと断言しているのではなくて、そう見られてしまっているのではないかという側面があるのではないかなと思っておりまして、やはりもうかる農業、これはいろいろな方々が参入していく上では一つポイントじゃないかなと思うんです。  一方で、もうかる、もうからない以前に安心、安全な食料生産を実現するには、極端な話、そこに利益は関係ない話だと思います。やはり人が人として安心して生きていく社会というものにおいては、利益以上にかけがえのないものがあると思うんです。  実は、これに気づいている若者が今とても増えているんじゃないかなと私の実感がございます。それは、私たちの会社で新卒の採用をやっているんですけれども、生きるをつなぐというビジョン、持続可能な食料生産ということに非常に興味を持っていただく若者というのがたくさん私たちの会社に応募いただいているのを見ると、ああ、まだまだ農業は発展するのかしらと。  これはちょっと私の狭い目線で大変恐縮なんですけれども、もうかると同時に社会的意義があるということが、もっともっと農業の中で、外の消費者の方々だとかいろいろな方々に伝わっていく必要があるのではないかなというふうに思っております。そうすることによって、やはり新しい方々の参入や後継ぎの方々が参入したいという流れが生まれてくると思うんです。  私が苦労している中で、何に苦労したかというと、一番はやはりお金に苦労するわけでして、私は、信用ゼロで、農地も何もない中から参入しまして、そしてJAの組合員にもならせていただいて、今、営農もさせていただいているところではあるんですけれども、この間に、私たちは、お金はほとんど補助金ではなくてエクイティーという形で、資本を自ら調達して投資をしてまいりました。やはり農業はビジネスができ上がるまでに非常に時間がかかるなと思っておるんですけれども、その中でも諦めずにずっとやってきて、何とか今一つの形になりました。  もうかる、もうからないみたいな形で見れば、やはりなかなか今は厳しいかなと思うんですけれども、私が歩みをやめたくなかったのは、これが非常に社会的意義があり、たくさんの人たちを救うことだなと思うと、私は体を止めずにいられないということでずっと経営させていただいたところでございます。  そうなってくると、参入してくる人たちが、後を継ぐ方が次に何が必要になってくるかという観点で見たときに、よくあるのは、技術だとか仕組みをつくるということは議論されると思うんですけれども、今、複雑化した技術、そしてかなり資本主義が進んでお金の流動性が高くなっている状態、そして人の流動性も非常に高いというこの中で、これらをとどめるというか、こちらに流れてくるような形をつくるということも非常に重要だと思いますし、それを使いこなすということも非常に重要だと思うんです。今、国の施策の中でも、スーパーL資金等で、法人ややる気のある担い手を支援するという仕組みはあるとは思うんですけれども、じゃ、実際にそれを経営する方々のマネジメント能力というものはどの程度あるんだろうかということがやはり非常にポイントになってくるんじゃないかなと思います。  ですから、やはり人や技術やお金というところをしっかりと使いこなせる人材というものが農業の中にもっともっと増えてくればいいんじゃないかな、そうすると、資本がよりまた集まってくることによって食料の生産が進み、そしてまた担い手が生まれてくる、このような循環が生まれてくるんじゃないかなというのを私はちょっと勝手にイメージしたところでございます。  その中で、私の方から少し御意見をさせていただきたいなと思ったところが、魅力あるというところもそうですし、もうかるというところにもつながってきますけれども、やはり技術開発という観点は非常に重要かと思っております。  今、スマート農業の方の研究や投資というところでは国の補助があることを存じ上げておりますけれども、例えば、スペースXというアメリカにスタートアップがありますけれども、NASAから年間数千億単位で発注を受けているスタートアップです、まだ未上場です、イーロン・マスクという有名な経営者がやられておりますけれども。NASAが、もうロケットを飛ばさない代わりに民間に一〇〇%任せるという方針で、大きく投資をする、国が投資をするという形になっております。  この一例を見ても、中途半端な金額ではイノベーションは起きないというふうに思います。ですから、大きな可能性のある技術に投資をしていくという観点は非常に重要なのではないかと思っております。  それにつながって、二つ目は、我々のようなスタートアップの会社に対しての投資ということがもっと広がっていく観点というのも重要だろうというふうに考えております。  今、SBIRで大きなお金がスタートアップに流れていく形ができたのは大変喜ばしいなと思っておるんですけれども、私の周りで、ここ三、四年ぐらいで、一旦、アグリテックなんて名前がついたスタートアップの方々はかなり廃れてしまった、やはり時間がかかってもうからないということで撤退された方が多かったんですけれども、ここ二、三年を見ると、非常に優秀な若手が今スタートアップに続々参入してきております、特にアグリ系のスタートアップに参入してきております。  ですから、私たちということではなく、このような有望な、優秀な、せっかく入ってきた方々が農業の中で戦っていけるような、そういう御支援を是非考えていただけるとよろしいかなと思っております。  そして、三つ目が、先ほどマネジメントというところをお話ししましたけれども、非常に重要なのは、マネジメントに対しての目利きと、そして学びの提供というところかなと思っております。  資本を投下する、国の場合だと補助という形になると思いますけれども、そこにお金を投ずるということは、本当にその可能性があるのかないのかということを目利きするという力が非常に重要だと思うんですけれども、そのマネジメントをする目利きというのは、やはり会社を経営しなければなかなか身につかないことだと思います。  ですから、民間の力も是非頼っていただいて、どこのところにお金を投資していくべきなのか、補助していくべきなのかのような議論、ないし、経営者として育っていくようなマネジメントをよりサポートしていくような仕組みづくり等も是非お考えいただけたらうれしいなというふうに思います。  四つ目なんですけれども、これはちょっとネガティブには聞こえてほしくないんですけれども、希望あるリタイアというのもありじゃないかなと私はちょっと考えております。これは、離農してくださいということを勧めるということでは全くございません。  やはりたくさん生産性を上げるために努力をされても、苦しく生産されている方々というのはいらっしゃるんじゃないかなと思います。そういう方々に希望を持って営農、ないし、もしかしたらやめたいと思っている方もいらっしゃるかもしれないということも考えた上で、生産者に寄り添ったような形の仕組み、考えというものもあってもいいんじゃないかなというふうに思っております。  これらは、全てやはり担い手の方々が入っていただけるようなことを私なりに考えた一つの意見ではあるんですけれども、これらも含めてなんですけれども、食料をどうやって増産していくのか、どうやって輸出していくのか、当たり前のことですけれども、この長期戦略というのがやはり非常に重要だと思いますし、国と農協さんと我々民間というところで握り合いながら、単年度のスパンではなく、本当に五年、十年という長期の戦略を持って進めていただけたらなというふうに考えております。  最後になりますけれども、私は、やはりこの分野が好きで事業を今営ませていただいておるんですけれども、ここに住んでいる人たちのためにも、食料生産に関わっているみんなで、夢ある、そして希望ある、そして社会的に意義ある持続可能な食料生産というものを私はもっともっと皆さんと一緒に考えて、私も実践する立場の一人としてこの身を投じたいなと思っておりますので、若輩者ではございますが、御意見をちょっとお話をさせていただきましたけれども、これで終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。(拍手)

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