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岸田文雄 ·自由民主党・無所属の会 ·内閣総理大臣

衆議院本会議(2024-01-31)での発言

第213回国会 ·第第3号号 ·6,833字
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 泉健太議員の御質問にお答えいたします。  まず、冒頭御指摘いただきました、二人の大臣政務官についてでありますが、本日、二人の政務官から辞意が表明されたと報告を受けております。まず、本人の意向、これをしっかり確認いたします。その上で、必要な手続を進めてまいりたいと存じます。  まず、被災者生活再建支援金についてお尋ねがありました。  先週取りまとめた被災者の生活と生業支援のためのパッケージに沿って、被災者生活再建支援金を迅速に支給してまいります。  その上で、被災により住宅の被害を被った被災者への経済的支援の在り方については、被災地のニーズやその事情、さらには現下の経済情勢も踏まえて、能登の事情に合わせた追加的な方策を現在検討しております。  震災関連の予算の在り方についてお尋ねがありました。  今月、二回の使用の閣議決定を行った予備費に係る使用総調書等は、遅滞なく、しかるべき時期に国会に提出をいたします。  そして、今後については、残額が三千億円を超える今年度の予備費と一兆円に倍増した来年度の予備費を活用し、復旧復興の段階に合わせ、数次にわたり機動的、弾力的に財政措置を講じてまいります。  現時点で、補正予算の提出は想定しておりません。  災害救助法についてお尋ねがありました。  現行の災害救助法の運用においても、福祉避難所の設置や、避難所で福祉支援を行う災害派遣福祉チーム、DWATの派遣など、福祉的な配慮を含め支援を行っております。また、災害救助法以外にも、様々な方法で要配慮者への支援等を行っているところです。  災害対策については、個々の災害の教訓を踏まえ、不断の見直しを図ることが重要であり、今回の災害についても、今後、その対応を振り返り、福祉の観点も含めて、防災力を高める方策について総合的に検討してまいります。  自民党の政策集団の政治資金の問題に関する処分の方針、そして閣僚人事の意図についてお尋ねがありました。  関係者において明確な説明責任を果たすことがまずは重要ですが、党としても事実関係の把握に努めているところであり、しかるべき手順を踏んだ上で、対応を考えてまいります。  なお、昨年十二月の閣僚人事については、自民党の政策集団の政治資金に関して様々な報道に接する中で、一人一人の御意向等を踏まえ、年末の極めて重要な時期に国政に遅滞を生じさせないとの観点から行ったものであります。  自民党の政策集団の政治資金の問題に関して、党の調査結果の説明の在り方等についてお尋ねがありました。  現在、自民党の各政策集団、議員側の政治団体において政治資金収支報告書の訂正作業が順次行われているところであり、その訂正作業を踏まえつつ、可能な情報提供をしてまいります。  また、党としても早急に関係者への聞き取りを行うこととしておりますが、聞き取りの範囲や説明の在り方については、事実関係の把握の状況等を踏まえて適切に判断をいたします。  また、関係者の政治倫理審査会への出席については、これは、国会の手続に基づき、国会で御判断いただく事柄であると考えております。  また、我が党においては、政策集団がお金と人事から決別することとしており、党として定めたルールは当然全ての政策集団に従ってもらいます。  そして、政治資金収支報告書への不記載があった政治資金の取扱いについては、これは、各政治団体において、法令にのっとり適切に判断されるべき事柄であると考えています。  そして、自民党自身も自ら強い決意を持って自らの改革を実行するとともに、国会においては、信頼回復のため、法改正を伴う制度面の改革に各党各会派とともに真摯に議論をしてまいります。  物価上昇を上回る賃上げについてお尋ねがありました。  日本は、賃金や投資をカットするコストカット型経済から、新たな成長型経済への移行のさなかにあります。  このため、賃上げと所得減税等を組み合わせることで、まずは、今年の夏、可処分所得の伸びが物価上昇を上回る状態を官民で確実につくり上げ、そして国民の実感を積み重ねることで、縮み志向の意識ではなく、賃金が上がることが当たり前という前向きな意識を社会に定着してまいります。そして、その上で、人への投資や企業の稼ぐ力の強化を進め、物価上昇を上回る持続的で構造的な賃上げが行われる経済を目指してまいります。  物価高対策、賃上げ促進のための予備費についてお尋ねがありました。  原油価格・物価高騰対策及び賃上げ促進環境整備対応予備費については、物価と賃金の好循環の実現に向け、賃上げ促進の環境整備を含め、物価高対策に必要となる経費に予期せぬ不足が生じた際に機動的に対応できるよう、万全の備えとして、一兆円を計上しております。  その上で、予備費については、その性格上、予測困難な事態に対応するために計上したものであり、あらかじめその具体的な使途の内容や使用する時期をつまびらかにすることは困難であると考えています。  介護従事者の賃上げについてお尋ねがありました。  今般の介護報酬改定では、政府経済見通しにおいて、令和六年度の一人当たりの雇用者報酬の伸びが二・五%と、物価上昇率と同水準と見込まれている中、こうした見込みと整合的にベースアップを求めていることから、物価高に負けない賃上げと表現したところであります。  令和七年度分を前倒しして賃上げいただくことも可能な上、ベースアップ分以外の賃金の伸びもあり得ますので、まずは、物価高に負けない賃上げとして、令和六年度二・五%のベースアップを実現してまいります。  下請Gメンについてお尋ねがありました。  中小企業庁の下請Gメンは、政権発足時に百二十名であったところ、三百三十名まで増員することとしております。  これに加えて、公正取引委員会の体制強化、取引実態の調査、公表、企業への指導、労務費の円滑な価格転嫁に向けた指針の策定など、価格転嫁対策を強化してまいりました。  現時点で今後の下請Gメンの人数について具体的に計画は決まっておりませんが、体制強化のみならず、指導の充実等も含め、引き続き、総合的な価格転嫁対策を強化してまいりたいと考えます。  児童手当及び大学の無償化の対象となる第三子についてお尋ねがありました。  児童手当について申し上げれば、御指摘の、子供がいる世帯のうち一二・七%を占める三人以上の子供がいる世帯についてですが、この一二・七%の世帯については、第三子以降の子は、基本的に、月三万円に支給額が増額される児童手当の多子加算の対象となります。  また、令和七年度以降の多子世帯における大学等の授業料等の無償化については、対象となる学生等の割合は一五%程度と見込んでおります。  児童手当と扶養控除についてお尋ねがありました。  今般の児童手当の抜本的拡充においては、子供三人以上の世帯数の割合が特に減少していることや、子供三人以上の世帯はより経済的支援の必要性が高いと考えられること等を踏まえて、子供三人以上の世帯を重点的に支援することとしております。  十六歳から十八歳までの扶養控除の見直しについては、全ての子育て世帯に対して児童手当と併せた実質的な支援を拡充する、こうした方針の下、令和七年度税制改正において結論を得ることとしております。  学校給食費の無償化についてお尋ねがありました。  学校給食費の無償化の検討に当たっては、一部の自治体や学校において学校給食が実施されていない状況もあるため、児童生徒間の公平性等の観点から、実態を把握した上で課題を整理する必要があると申し上げております。  御質問の学校給食費の無償化の時期については、現時点でお答えすることは困難でありますが、いずれにしても、全国ベースの実態調査を行い、その上で、小中学校の給食実施状況の違いや法制面等を含めた課題を整理して、速やかに結論を出してまいります。  子育て版ケアマネジャーについてお尋ねがありました。  子育て支援のニーズは、保健、福祉、保育など多様であることから、政府としては、妊娠期から出産、子育てまで一貫して身近な場所で相談に応じ、様々なニーズに即して必要な支援につなぐ伴走型相談支援を推進しております。こども未来戦略を踏まえ、児童福祉法に基づく新たな事業として制度化することとしております。  そして、委員の御質問は、その担い手の在り方についてでありますが、担い手の在り方については、自治体の取組状況、体制等も踏まえつつ、制度化を進める中で、当事者の立場に立って具体的な方策を検討いたします。  初任給の引上げや非正規雇用労働者の正社員化の数値目標についてお尋ねがありました。  政府においては、新卒者の給与や非正規雇用の方々を含め、持続的な賃上げを目指し、三位一体の労働市場改革に取り組んでいるところです。  また、正社員化に取り組む事業主への支援や、ハローワークにおける担当者制によるきめ細やかな就職支援を実施しているところであり、こうした施策を通じて、若者等の賃上げや正社員化を実現してまいります。  そして、数値目標ということでありますが、こうした取組を進める際のKPI等の設定の在り方については、PDCAサイクルを進める中で検討を深めていきたいと考えます。  子ども・子育て支援金制度についてお尋ねがありました。  支援金制度は、歳出改革と賃上げによって実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で構築することにより、全体として実質的な負担が生じないこととしております。  歳出改革や賃上げによる実質的な社会保険負担軽減や、負担能力に応じた仕組みとする支援金による負担が、その差引きを含めて一人一人に与える影響は様々ですが、今申し上げた全体として実質的な負担を生じさせないという状態は、制度として維持、確保していきたいと考えております。  所得税の累進性強化と金融所得課税についてお尋ねがありました。  所得税については、平成二十五年に最高税率を引き上げる等の累進化強化の施策を講じており、経済社会の構造変化を踏まえながら、今後も所得再分配機能の在り方を検討してまいります。  いわゆる一億円の壁と呼ばれる問題については、令和五年度税制改正において、極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置を導入し、一定の対応が図られたところですが、こうした課題については、市場等への影響も勘案した上で議論を続けてまいります。  マイナ保険証についてお尋ねがありました。  マイナ保険証は、我が国が医療DXを進めるための基盤として、患者本人の健康医療情報に基づくよりよい医療の実現を図るものであります。こうしたメリットを早期に最大限発揮するため、現行の健康保険証の発行を本年十二月二日に終了し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行することとしております。  マイナ保険証への移行に際しては、デジタルとアナログの併用期間を設け、全ての方が安心して確実に保険診療を受けていただける環境整備に取り組むとともに、医療機関や保険者等と連携し、その利用促進の取組を積極的に図ってまいります。  選択的夫婦別氏制度及び同性婚制度についてお尋ねがありました。  選択的夫婦別氏制度の導入については、現在でも国民の間に様々な意見があることから、しっかりと議論をし、より幅広い国民の理解を得る必要があると考えております。  また、同性婚制度の導入については、国民一人一人の家族観とも密接に関わるものであり、国民各層の意見、また国会における議論の状況、また同性婚に関する訴訟の状況等についても注視していく必要があると考えております。  イスラエル・パレスチナ情勢への対応についてお尋ねがありました。  我が国は、これまで、ハマス等によるテロ攻撃を断固として非難した上で、人質の即時解放、一般市民の安全確保、全ての当事者が国際法に従って行動すること、また事態の早期鎮静化、こうした課題を一貫して求めてきております。  その中で、イスラエルに対しても、一般市民の保護の重要性、国際人道法を含む国際法に従った対応等を直接要請しております。  また、ガザ地区の人道状況改善に向け尽力してきており、引き続き、関係国、国際機関とともに、こうした外交努力を粘り強く積極的に続けてまいります。  防衛装備移転三原則の運用指針についてお尋ねがありました。  昨年末に改正した運用指針において、自衛隊法上の武器に該当する装備移転の可否については、移転先において武力紛争の一環として現に戦闘が行われているか否かを含めた国際的な平和及び安全への影響等を考慮して、慎重に検討することとしております。  引き続き、平和国家として基本理念を堅持し、移転の可否を厳格に審査してまいります。  北朝鮮とのハイレベル協議及び北朝鮮向けラジオ「しおかぜ」についてお尋ねがありました。  日朝間の懸案を解決し、両者が共に新しい時代を切り開いていくという観点からの私の決意を金正恩委員長に伝え続けるとともに、首脳会談を早期に実現すべく、私直轄のハイレベルで協議を進めていきたいと考えており、そのために様々なルートを通じて様々な働きかけを絶えず行ってきておりますが、その内容等は、今後の交渉に影響を及ぼすおそれがあるため、明らかにすることは控えます。  また、「しおかぜ」の運用について、政府からは、これまで、NHKに対し、二波体制による安定的な運用に向けた検討を促してきており、今後とも、KDDI、特定失踪者問題調査会及びNHKの三者間の協議の状況を注視しつつ、拉致被害者等に向けた情報発信に支障がないよう、適切に対応してまいります。  日中関係についてお尋ねがありました。  次回の日中首脳会談については現時点で決まっていることはありませんが、中国との間では、戦略的互恵関係を包括的に推進するとともに、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、日本産水産物輸入停止などの諸懸案を含め、対話をしっかりと重ね、共通の課題については協力する、こうした建設的かつ安定的な関係の構築を双方の努力で進めていくという方針の下、引き続き、あらゆるレベルで緊密に意思疎通を図ってまいります。  そして、防衛費への為替の影響と防衛力強化のための税制措置についてお尋ねがありました。  防衛費のうち、人件費や国内生産、調達、また基地対策費などは、為替の影響を直接受けるものではありません。その上で、各年度の予算編成の中で一層の効率化、合理化を徹底し、四十三兆円程度の規模を超えることなく、防衛力の抜本的強化を実現してまいります。  税制措置については、令和九年度に向けて複数年かけて段階的に実施するとした一昨年末の閣議決定の枠組みに基づいて、方向性を明確にし、取り組むこととしており、その実施時期についても、この枠組みの下で柔軟に判断をしてまいります。  ペトリオットの米国への移転についてお尋ねがありました。  移転に当たっては、我が国の防衛に影響を与えないよう慎重に見極めた上で、数量を決定いたします。  移転されるペトリオットは、米軍の在庫を補完するものであり、事前同意なしで第三国に移転されることはなく、我が国の安全保障及びインド太平洋地域の平和と安定に寄与することを確認しています。  価格についても、適正なものとなるよう決定をしてまいります。  安定的な皇位継承についてお尋ねがありました。  皇位継承については、有識者会議において、様々な分野の方々から幅広く意見を伺って慎重かつ真剣に議論した結果として、悠仁親王殿下までの皇位継承の流れをゆるがせにしてはならないとの結論に至ったものと承知をしています。  また、女性皇族の婚姻後の配偶者と子については、皇族とする考えも含めて比較検討が行われたものと承知をしております。  そして、現在、政府から報告書を提出し、国会で御議論をいただくという状況の中で、女系天皇、女性天皇について私の個人的な考え方を今この場で申し上げることは差し控えますが、政府として、有識者会議の報告書を尊重することとして国会に対して報告を行ったものであり、立法府の総意が早期に取りまとめられるよう、国会において積極的な議論が行われることを期待しております。(拍手)     ―――――――――――――

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