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岸田文雄 ·自由民主党・無所属の会 ·内閣総理大臣

衆議院本会議(2024-01-31)での発言

第213回国会 ·第第3号号 ·3,825字
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 渡海紀三朗議員の御質問にお答えいたします。  復興への決意についてお尋ねがありました。  今般の震災では、厳しい状況が幾重にも重なり、多くの被災者が不自由な避難生活を強いられています。  政府としては、被災地の一日も早い復旧復興を進めていくため、被災者の生活と生業支援のためのパッケージを一月二十五日に決定し、政府を挙げて実行しています。  その上で、息の長い取組となることを踏まえ、私自身をトップとする能登半島地震復旧・復興支援本部を新たに設置し、できることは全てやるとの考え方の下、被災自治体と緊密に連携し、そのニーズをしっかりと受け止めながら、被災者の帰還と、そして被災地の再生まで、責任を持って取り組んでまいります。  復旧復興財源についてお尋ねがありました。  被災自治体を財政面で支援するため、速やかに激甚災害指定を行い、復旧事業に係る国の補助率のかさ上げ措置等を実施することを決定いたしました。  さらに、予算の制約により震災対応をちゅうちょすることはあってはならないという考え方の下、令和五年度一般予備費の活用に加えて、令和六年度予算案を変更し、一般予備費を一兆円に倍増する極めて異例な対応を取ったところです。  支援パッケージを実行するため、まずは一千五百億円規模の予備費の使用を決定したところですが、今後とも切れ目なく機動的、弾力的に財政措置を講じていく方針であり、令和六年度予算案の速やかな成立をお願いいたします。  少子化対策に関する加速化プランが目指す社会についてお尋ねがありました。  加速化プランは、若い世代が希望どおり結婚し、子供を持ち、安心して子育てができる社会を目指します。そのために、議員からも御指摘がありましたように、若い世代の所得を増やす、社会全体の構造や意識を変える、全ての子供、子育て世帯を切れ目なく支援する、この三つの理念の実現を図るものであります。  子供一人当たりの家族関係支出は、GDP比でOECDトップのスウェーデンに達する水準となり、画期的に前進する一方、若い世代の所得向上と少子化対策を車の両輪として進めてまいります。財源は、まずは徹底した歳出改革等で確保することを原則としてまいります。  優れた教師の確保など、公教育の再生についてお尋ねがありました。  教師を取り巻く環境の整備のため、これまで、教職員定数の改善、支援スタッフの充実、ICTによる業務効率化等に取り組み、令和六年度の予算案では、小学校高学年の教科担任制の一年前倒しでの実施や、教員業務支援員の全ての小中学校への配置に必要な経費を措置したところです。  政府としては、優れた教師を確保するため、働き方改革の更なる加速化、処遇の改善、学校の指導、運営体制の充実、育成支援を一体的に進めるなど、質の高い公教育の再生に取り組んでまいります。  不登校対策についてお尋ねがありました。  不登校対策として、校内の教育支援センターの設置を促進することや、子供へのアンケートを基に、クラスの状況や相談のしやすさなど学校の状況を把握し、学校が子供たちにとって生活しやすい雰囲気となるよう改善する取組などを推進しています。  政府としては、不登校対策を強化し、全ての子供が学校において適切な指導や支援が受けられるよう、安心して学べる魅力的な学校づくりを進めてまいります。  高等教育費の負担軽減についてお尋ねがありました。  令和六年度から、給付型奨学金等の多子世帯及び理工農系の中間層への拡大等を行い、さらに、令和七年度からは、子供三人以上を扶養している場合、一定の額まで、大学等の授業料、入学料を無償といたします。  また、授業料後払い制度については、まずは大学院修士段階に導入し、学部段階への本格導入に向けた更なる検討を進め、今後の各般の議論を踏まえて、速やかに結論を得てまいります。  政府としては、このような取組を通じて、高等教育費の負担軽減を着実に進めてまいります。  デフレ完全脱却と持続的賃上げに向けた取組についてお尋ねがありました。  デフレからの完全脱却、新たな成長型経済への移行に向けて鍵となるのは、物価高に負けない賃上げの実現です。  医療、介護、障害福祉分野の報酬改定等による公的賃上げ、賃上げ税制の拡充強化などに取り組みます。政労使の意見交換では、昨年を上回る賃上げを強く呼びかけました。  また、一人四万円の所得税、住民税減税を行い、可処分所得を下支えし、官民が連携して、賃金が上がり可処分所得が増えるという状況を着実につくってまいります。  さらには、持続的な賃上げに向けた人への投資を進め、賃上げを生み出す企業の稼ぐ力の強化にも踏み込んでまいります。  人手不足への対応と労働生産性の向上についてお尋ねがありました。  人手不足対策については、働き方改革に取り組むこと等により、女性、高齢者、外国人材などの活躍を促進し、安定的な労働力の確保に取り組んでいます。  賃上げ税制の強化、三位一体の労働市場改革など構造的な改革に加え、中堅・中小企業の省力化投資の支援措置などにより、賃上げの実現と生産性の向上に取り組んでまいります。  物価高対策についてお尋ねがありました。  ガソリンや電気・ガス価格の激変緩和措置の効果もあり、足下の消費者物価上昇率は二%台で緩やかに上昇しています。  物価高から国民生活を守る手だては緩めません。住民税非課税世帯への追加給付や、より幅広い低所得世帯への給付、子育て世帯への追加給付など、きめ細かい支援を進めてまいります。  なお、激変緩和措置については、国際情勢、経済やエネルギーをめぐる情勢等も踏まえながら、出口戦略を含め、対応を検討してまいります。  科学技術・イノベーション政策についてお尋ねがありました。  科学技術は、産業構造転換の鍵であり、未来を切り開く礎です。  令和時代の科学技術創造立国の実現に向けて、AI、フュージョンエネルギー、量子などの先端科学技術分野における戦略的な研究開発の推進、知の基盤と人材育成の強化、イノベーションエコシステムの形成などに全力で取り組んでまいります。  セキュリティークリアランスについてお尋ねがありました。  セキュリティークリアランスは、経済安全保障分野の情報保全強化の観点から非常に重要です。  昨日開催された経済安全保障推進会議において、セキュリティークリアランス制度に関する新法案を早急に取りまとめ、今国会への提出に向け、準備を加速するよう高市大臣に指示したところであり、政府として検討を進めてまいります。  外交の基本姿勢についてお尋ねがありました。  国際社会が緊迫の度を高める中で、まず、我が国及び国民の安全と繁栄を確保するため、同盟国、同志国との連携を一層深め、自由で開かれたインド太平洋を推進します。  その上で、G7広島サミットの成果を土台とし、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持強化のため、人間の尊厳に焦点を当てながら、グローバルサウスとの連携を深め、世界を分断や対立から協調に向けて導いてまいります。  いわゆるグローバルサウスとの連携についてお尋ねがありました。  国際社会を分断や対立ではなく協調に導き、世界が直面する課題に対応していくためには、価値観や利害の相違を乗り越える包摂的なアプローチでグローバルサウスとの連携を強化する必要があります。  法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持強化のため、また、我が国の経済安全保障面を含めた国益にかなうよう、これらの国々との間できめ細かな外交を展開してまいります。  北朝鮮関連の問題についてお尋ねがありました。  我が国の方針は、日朝平壌宣言に基づき、諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指すというものです。とりわけ、時間的制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人道問題です。全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、全力で果断に取り組んでまいります。  核・ミサイル問題については、米韓を始めとする国際社会とも協力しながら、関連安保理決議の完全な履行を進め、核・弾道ミサイル計画の完全な廃棄を求めていきます。  これらの諸問題の解決に向け、金正恩委員長との首脳会談を実現すべく、私直轄のハイレベルでの協議を進めていきます。  政治改革の決意についてお尋ねがありました。  議員御指摘のとおり、信なくば立たず。国民の信頼なくして政治の安定はありませんし、政治の安定なくして政策の推進もありません。我が党は、解体的な出直しを図り、信頼回復に向けた取組を進めなければなりません。  さきの国会の会期末に行った会見では、国民の信頼回復のために、火の玉となって、自民党の先頭に立ってこの問題に取り組んでいくと申し上げました。この強い思いは、いささかも変わりはありません。  まずは、党の政治刷新本部の中間取りまとめについて、私自身が先頭に立って実行をしてまいります。(拍手)     〔議長退席、副議長着席〕     ―――――――――――――

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