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岸田文雄 ·自由民主党・無所属の会 ·内閣総理大臣

衆議院本会議(2024-02-01)での発言

第213回国会 ·第第4号号 ·7,675字
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 馬場伸幸議員の御質問にお答えいたします。  自民党の政治改革の取組についてお尋ねがありました。  政治改革大綱については、小選挙区制の導入など具体的な制度改革等につながったものもあると承知しておりますが、派閥の弊害除去などが言及されているにもかかわらず、政策集団がお金や人事のための集団と見られても仕方がない状況が継続していたことは率直に認め、真摯に反省しなければなりません。  党の政治刷新本部においては、政策集団による政治資金パーティーの禁止など、運用面から自民党単独でも対応可能なものについて速やかに実行に移すことを決定するとともに、各党各会派で議論が必要な制度的対応については党として真摯に協議に臨む、このことを決定いたしました。  政治資金規正法改正など、より具体化しなければならない項目については、今国会でしっかりと議論できるよう、党としての考え方を取りまとめてまいります。私が先頭に立って、国民の信頼回復に向けてしっかりと取り組んでまいります。  そして、調査研究広報滞在費についてお尋ねがありました。  今回、党の政治刷新本部においては、政治資金の透明性の向上について、運用面から自民党単独でも対応可能なものについて速やかに実行に移すことを決定するとともに、各党各会派での議論が必要な制度面の対応については党として真摯に協議に臨むことを決定いたしました。  御指摘の調査研究広報滞在費は、議員活動の在り方に関わる重要な問題であり、全議員共通のルールの在り方として、まさに各党各会派で議論が必要なものと認識をしております。自民党としても真摯に議論に参加してまいります。  そして、選挙制度の改革や国会改革についてお尋ねがありました。  党の政治刷新本部の中間取りまとめにおいても、不断の改革努力が不可欠な項目として、選挙制度の在り方や国会運営の在り方を掲げているところです。  いずれも、国民の政治に対する信頼を維持し、有権者の負託に応えるためにどうあるべきかという観点から、各党各会派における真摯な議論を行っていくことが肝要であり、我が党としてもこのような議論に貢献していきたいと考えます。  そして、派閥の解散と政治資金の問題に関する調査についてお尋ねがありました。  今般、政治資金収支報告書への不記載の温床となったのは政策集団によるパーティーであり、政策集団から人事と資金を切り離すことは政治改革の本丸の一つであると考えています。  また、こうした政策集団の在り方の改革に加えて、関係者による明確な説明責任が果たされるべきことは当然のことであり、党としても関係者に促しているところですが、党としても関係者の聞き取りを行うこととしており、目くらましとの御批判は当たらないと思います。  なお、聞き取りの範囲については、事実関係の把握の状況等を踏まえて適切に判断をいたします。  企業・団体献金についてお尋ねがありました。  企業・団体献金については、各党各会派による長年の議論を経て現在の姿になっているものであり、政党等がその受取を行うこと自体が不適切なものとは考えておりません。  また、企業は憲法上の政治活動の自由の一環として政治資金の寄附の自由を有するとの最高裁の判決もあると承知をしております。  いずれにせよ、企業・団体献金の在り方については、政党、政治団体の政治活動の自由と密接に関連している問題であり、民主主義のコストを社会全体でどのように負担していくかという観点も踏まえつつ、各党各会派による真摯な議論を経て結論を得ていくべき問題であると認識をしております。  個人献金及び寄附金控除についてお尋ねがありました。  個人情報に対する意識が高まる中、寄附者について、住所等が公表されることで寄附者のプライバシーが侵害されるおそれがあるとの指摘があることは承知をしております。  また、寄附金控除制度は、政治資金の個人拠出を促進するという見地から設けられたものであり、国税としての税制上のインセンティブであることから、政治活動の広域性等の観点を踏まえて対象範囲が定められたものであると承知をしています。  いずれにせよ、個人献金の公開や寄附金控除の対象範囲などの在り方については、政治団体の政治活動の自由を確保することと政治資金などの透明性を図ることとのバランスをどう考えるか、また、民主主義のコストを社会全体でどう負担していくかという観点を踏まえつつ、各党各会派とともに、不断の議論を重ねてまいりたいと思います。  そして、政策活動費についてお尋ねがありました。  政策活動費は、各党によってその呼称は様々であるものの、政党などの政治活動のために用いられるものと承知をしており、その在り方は、政治活動の自由とも密接に関わる問題です。したがって、各党各会派の真摯な議論を経て、各政治団体共通のルールを定めていくことが重要であると考えます。  我が党としても、このような議論について真摯に対応していく所存です。  いわゆる連座制等についてお尋ねがありました。  政治資金が政治資金規正法にのっとって取り扱われるべきことは当然のことであり、違反した場合に厳正な対応が行われるべきとの問題意識は共有いたします。  我が党としても、党の政治刷新本部における中間取りまとめにも明記しているとおり、より厳格な責任体制の確立、厳格化について、各党との真摯な協議を行う方針です。  連座制の導入については、対象とする政治団体の範囲、対象とする違反の種類等、様々な課題について丁寧な議論を行う必要がありますが、今後、党としての考え方を取りまとめ、議論していきたいと考えています。  なお、会計責任者の選任については、会計に関する知識の程度など、本人の適性を踏まえて判断すべきであると考えます。  政党法についてお尋ねがありました。  政党のガバナンス強化等の観点から、いわゆる政党法を定めるべきとの御意見があることは承知をしております。  他方で、議会制民主主義の主要な担い手である政党がその期待される役割を十二分に果たしていくためには、何よりもまず政治活動の自由が最大限尊重されなければならないという意見も存在するところであり、政党法の制定については慎重な検討が必要であると認識をしています。  いずれにせよ、お尋ねについては、政党の政治活動の自由と密接に関係する事柄であることから、各党各会派における十分な議論が必要であると考えます。  議員定数の削減についてお尋ねがありました。  議員定数の削減については、これまでも取組が続けられてきたところですが、民主主義の根幹に関わる重要な問題であり、引き続き、国民の政治に対する信頼を維持するためにどうあるべきなのか、議論を続けていく課題であると考えています。  令和六年度予算編成についてお尋ねがありました。  令和六年度予算案においては、議員御指摘のとおり、歳出構造の平時化の観点から、特定目的予備費を減額しているほか、社会保障関係費について、実質的な伸びを高齢化による増加分に収めるとともに、社会保障関係費以外について、これまでの歳出改革の取組を実質的に継続しています。  更なる歳出構造の平時化を進めるとともに、歳出改革の継続を行うことで、財政健全化を着実に進めてまいります。  財政健全化についてお尋ねがありました。  先日の経済財政諮問会議で報告された中長期試算では、民需主導の高い経済成長の下、歳出改革を継続した場合には、二〇二五年度の国と地方を合わせたプライマリーバランスの黒字化が視野に入ることが示されました。  財政の持続可能性への信認が失われることがないよう、歳出改革を継続しながら、賃上げの取組等を通じて所得の増加を先行させ、経済を立て直し、これらにより、引き続き財政健全化を着実に進めていくことが重要であると考えます。  防衛力強化と少子化対策についてお尋ねがありました。  防衛力強化のための財源確保に当たっては、行財政改革の努力を最大限行い、それでも足りない分について税制措置をお願いすることとしており、一昨年末の閣議決定の枠組みに基づいて方向性を明確にし、取り組むこととしております。  少子化対策における支援金制度は、歳出改革と賃上げによって実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で構築することとしており、全体として実質的な負担が生じないこととしております。  御指摘の医療、介護報酬改定における賃上げ加算部分は、それ自体は社会保険負担の増加要因ですが、医療、介護の従事者を含む全体の賃上げによって雇用者報酬が増加することで、その実質的な社会保険負担軽減の効果により打ち消されることから、実質的な負担にはならないと考えます。  歳出改革と賃上げによって社会保険負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で支援金制度を構築することにより、全体として実質的な負担が生じないという、先ほど述べた考え方は一貫していると考えています。  少子化対策に関する加速化プランについてお尋ねがありました。  加速化プランは、若い世代が希望どおり結婚し、子供を持ち、安心して子育てできる社会を目指します。そして、若い世代の所得を増やすこと、社会全体の構造や意識を変えるということ、そして、全ての子供、子育て世帯を切れ目なく支援するということ、この三つを理念として掲げ、これを実現するものであります。  若い世代の所得向上に関し、岸田政権では、最重要課題として賃上げを掲げ、三位一体の労働市場改革を進めているほか、正社員化に取り組む事業主への支援やハローワークにおけるきめ細かな就職支援を実施しており、こうした施策を通じて若い世代の賃上げや正社員化を支援してまいります。  授業料の無償化についてお尋ねがありました。  子育てや教育費により理想の子供の数を持てない状況が、三人以上を理想とする夫婦で特に顕著であることから、この現状を打破していきたいと考えています。  令和七年度以降の多子世帯における大学等の授業料等の無償化については、三人の子供を持つ家庭にとって最も経済的に厳しい状況にあるのが三人同時に扶養している期間であることを考慮し、財源が限られている中で、このような内容を設定した次第であります。  また、御指摘の授業料無償化の所得制限については、個々の制度の目的や支援方法などに応じて、それぞれ判断されるものと考えており、政府としては、教育費の負担軽減を着実に進めてまいります。  医療保険制度改革についてお尋ねがありました。  老人医療費無料化については、老人医療費の増大や、病院のサロン化や社会的入院といった弊害が指摘されたことから、高齢者にも定率の一割負担を導入し、現役並み所得のある高齢者には三割負担を導入するなど、見直しを行ってきています。一昨年十月からは、一定以上の所得のある高齢者について二割の窓口負担も導入したところです。  また、後期高齢者医療制度は、世代間で支え合う観点等から、現役世代による支援金の拠出を行っていますが、その負担増を抑制する観点からの制度改正も行っております。  今後とも、年齢に関わりなく負担能力に応じて公平に支え合うことで、給付と負担のバランスを図りつつ、制度の持続可能性を高める方策を不断に検討してまいります。  オンライン診療についてお尋ねがありました。  能登半島地震においては、避難所などにおいて、避難者の方と能登のかかりつけの医療機関との間でオンライン診療が行われており、被災地における医療の確保に大きく貢献をしています。  政府としては、幅広く適正にオンライン診療が普及されるよう、医療機関が参考にできる事例集や手引書の作成、国民への周知広報資料の作成等を行っており、今回の事例も踏まえ、更に取組を進め、医療分野のDXを推進してまいります。  自民党政権のこれまでの経済政策についてお尋ねがありました。  日本経済は、三十年間続いたコストカット型経済の縮み志向の下で、投資や賃金までも削減されてきましたが、今まさに、新たな成長型経済への移行の途上にあります。これまでの新しい資本主義の様々な取組を通じ、三十年ぶりの水準となる賃上げ、設備投資など、明るい兆しが確実に見られつつあります。  企業の稼ぐ力の強化を図り、生産性を引き上げていくためには、言うまでもなく、規制・制度改革、これは必要です。デジタル行財政改革を強力に進める中で、スピード感を持って取り組んでまいります。デフレからの完全脱却を果たすため、引き続き、あらゆる政策を総動員し、経済社会構造の変革を実現してまいります。  マイナ保険証の利用促進とマイナンバーカードの義務化についてお尋ねがありました。  マイナ保険証は、我が国が医療DXを進めるための基盤となるものであり、本年度の補正予算で設けた医療機関への支援金による支援や、そのメリットの周知、広報を通じて、医療機関や保険者等の関係者と連携し、積極的な利用促進を図ってまいります。  そして、御指摘のマイナンバーカード取得の義務化については、最高位の身分証として厳格な本人確認の下で交付する必要があり、カードに顔写真を表示するとともに、対面での厳格な本人確認をするため、本人の申請によることとしていることから、現段階では難しいと考えております。  ライドシェアについてお尋ねがありました。  地域交通の担い手や移動の足の不足といった深刻な社会問題の解決に向けて、昨年のデジタル行財政改革会議及び規制改革推進会議の議論を踏まえ、地域の自家用車や一般ドライバーを活用した新たな運送サービスが四月から実装されるよう、制度の具体化と支援を進めてまいります。  あわせて、これらの施策の実施効果を検証しつつ、ライドシェア事業に係る法制度について、デジタル技術を活用した新たな交通サービスといった観点も含め、六月に向けて議論を進めてまいります。  世界の安定に向けた日本ならではのアプローチについてお尋ねがありました。  G7広島サミットにおいては、法の支配、主権や領土の一体性の尊重といった国際社会全体が従うべき原則について、G7以外の首脳らも交えた上で認識を一致させ、その成果を世界に向けて発信することができました。  本年も国連安保理非常任理事国を務める我が国は、今述べたような成果の土台の上に、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持強化のため、同盟国、同志国はもとより、グローバルサウスとの連携も深め、多様性と包摂性を重視するきめ細かなアプローチで、世界を分断や対立ではなく協調に導いてまいります。  サイバー安全保障についてお尋ねがありました。  能動的サイバー防御の実現に向けた法案については、現行法令との関係等を含め、様々な観点から検討を要する事項が多岐にわたっているものと認識をしています。  我が国のサイバー対応能力を向上させることは、現在の安全保障環境に鑑みると、ますます急を要する課題であり、可能な限り早期に法案をお示しできるよう、検討を加速してまいります。  セキュリティークリアランスについてお尋ねがありました。  一昨日の経済安全保障推進会議において、セキュリティークリアランス制度に関する新法案の今国会への提出に向け準備を加速するよう、高市大臣に指示をしたところです。その中で、御指摘のような、対象とする機密情報の範囲等について、これまでの有識者会議等での議論も踏まえつつ、鋭意、政府としての検討を進めてまいります。  そして、御指摘のあった、企業が保有する情報の保全等については今回の制度の対象外ですが、有識者会議の最終取りまとめも踏まえながら、引き続き検討してまいります。  拉致問題についてお尋ねがありました。  横田めぐみさんを始め、いまだ多くの拉致被害者の方々が北朝鮮に取り残されていることは、痛恨の極みであり、誠に申し訳なく思います。  我が国の方針は、日朝平壌宣言に基づき、諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指すというものです。とりわけ、時間的制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人道問題です。早紀江さんを始めとする御家族の差し迫った思いをしっかりと共有しながら、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、全力で果断に取り組んでまいります。  北朝鮮に対して、様々な働きかけを行っております。しかし、その内容については、今後の交渉に影響を及ぼすおそれがあるため、明らかにできないことは御理解いただきたいと思います。しかしながら、今後とも、御家族の気持ちに寄り添い、丁寧な対応に努めてまいりたいと思います。  万博についてお尋ねがありました。  新型コロナや大規模な自然災害を乗り越え、命への向き合い方、社会の在り方を問い直す機会となる万博の成功を目指し、来年四月からの開催に向け、オール・ジャパンで着実に準備を進めてまいります。  憲法改正についてお尋ねがありました。  憲法審査会における具体的な議論の進め方については、審査会においてお決めいただくべき事柄であり、内閣総理大臣の立場から直接申し上げることは控えなければならないと考えております。  いずれにせよ、憲法改正は先送りできない重要な課題であり、時間的制約がある中でも一歩でも議論を前に進めるため、党派を超えた議論を加速させるべく、自民党としてもしっかりと貢献をしてまいります。  憲法改正に関して、国民的な議論が必要であり、その議論の状況は広く国民に知っていただくことは重要であると私も考えます。ただ、御提案のNHKテレビでの憲法審査会の中継の実施については、放送番組の編集を行うNHKにおいて判断されるものであると承知をしております。  安定的な皇位継承についてお尋ねがありました。  内閣総理大臣の立場からは、国会における具体的な議論の進め方について申し上げることは差し控えますが、現在、衆参両院議長の要請の下、各党各会派において安定的な皇位継承等に関する意見の集約が進められているものと承知をしております。  自民党総裁としてあえて申し上げれば、我が党においても、総裁直属の会議体を設けており、国会の議論に資するよう、党としての見解の取りまとめを進めてまいります。(拍手)     ―――――――――――――

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