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斎藤アレックス ·日本維新の会・教育無償化を実現する会

衆議院本会議(2024-03-14)での発言

第213回国会 ·第第11号号 ·4,330字
○斎藤アレックス君 教育無償化を実現する会の斎藤アレックスです。  日本維新の会との統一会派を代表して、ただいま議題となりました民法等の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)  日本では、毎年約二十万人の未成年の子供が親の離婚に直面しており、離婚を経験した子供は、非同居親と関係が希薄化し、喪失感を抱え、経済的にも、一人親になることによって困窮するケースが圧倒的に多く、その背景として、離婚時に親権を父母どちらか一方のみに定めなければならない単独親権制度があることは従来から指摘をされてきました。  親権には、権利だけでなく、子供を養育する義務が含まれています。そして、父母は離婚したとしても親は親、子は子であり、親は、子の利益のために、子を養育する義務を当然果たさなければなりません。そのため、現行民法の一律離婚後単独親権を改め、DVや虐待がある場合などを除き、子の最善の利益のために、父母が共同して子を養育することを原則とした法体系を整備すべきと考えます。  本民法改正案に関しては、第八百十七条の十二で、父母の責務として、子の人格の尊重と養育、扶養の義務が明記され、同時に、父母は、婚姻関係の有無にかかわらず、子の利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければならないと規定するなど、現行民法が、親権について、成年に達しない子は親の親権に服するとしている考え方から転換し、子の最善の利益のための親権行使という立場に立脚している点は評価できます。  一方で、本改正案では、父母が離婚する際の親権に関しては、その双方又は一方を親権者と定めると、共同親権を選択可能とする規定であり、本改正を経ても、協議離婚においても単独親権を選択することが可能であり続けます。  この点に関して、政府は、子の最善の利益のためには、DVや虐待などの事情がある場合を除いて、原則共同親権とすることが望ましいと考えているのでしょうか。また、父母の一方がもう一方の父母や子自身の心身に害悪を及ぼさない場合でも、単独親権の方が子の利益になる場合があると考えているのでしょうか。法務大臣の答弁を求めます。  裁判所での離婚の場合において、どのような場合に共同親権でなく単独親権となるのかが見通せないことや、監護者を別に定めることができる法のたてつけになっている点に関しては、単独親権の維持を望む人と共同親権の実現を望む人の双方から不安の声が上がっています。DVや虐待がある場合以外で、どのような場合に裁判所が共同親権でなく単独親権を定めるのか、あるいは単独親権でなく共同親権とするのか。実際の運用が始まって、裁判所の調停事例が出てきてからでなければ分からないという回答では、単独親権派と共同親権派双方の不安が解消されず、法案への支持、理解は広がりません。  現在の裁判による離婚の事例などに照らして、どのような要因が親権に関する裁判の判断に影響を与えるのか、早急に示すべきだと考えますが、法務大臣の答弁を求めます。  本法案の第八百十九条七項の一号と二号に、必ず単独親権となるケースとして、子に対する虐待、そして父母間の暴力、つまりDVの場合が明示されていますが、この点に関しても、どのような場合が虐待、DVに該当するのかが重要であるところ、判断基準が不明確であり、様々な立場から不安の声が上がっています。  DVには、身体的なものにとどまらず、精神的なものに至るまで様々なものがあり、事実認定も容易ではありません。そもそも当事者がDVと認識していないケースや、DVを受けていると言い出せないケースもあります。そして、男女のどちらもDVの加害者にも被害者にもなり得ることは、更に問題の実態を把握することを難しくしています。  どのようなDVや虐待事案が必ず単独親権となるケースに該当するのか、そして、そのDVや虐待事案の事実認定はどのように行うのか、法務大臣の答弁を求めます。  親権者と監護者を別個に定めることができ、そして、監護者が単独で親権の根幹部分を行使できるという本改正案の規定は、この法改正が親権行使に関して意図しているところを分かりにくくしています。  まず、確認ですが、離婚後、共同親権とした場合、監護者を特に定めることをしなければ、共同親権、共同監護となり、居所の指定などの重要な親権行為に関しては父母が共同して、つまり、話合いで調整しながら行使をするという理解で間違いないか。加えて、離婚届の様式に関して、未成年の子の親権者の記載のほかに、監護者に関して記載欄を設けることを想定しているかについて、それぞれ法務大臣の答弁を求めます。  本法案には、他の共同親権を取っている先進国のような、離婚時に養育計画を策定することや、あるいは親権に関する講座を受講することを義務づけるような規定はないため、特に、離婚時に父母間の葛藤が高まっている、つまり、夫婦間の不仲が極まっているような場合に、十分な父母間の協議が行えず、親権や監護に関する理解さえ十分でないまま、とにかく離婚をしてしまうというよくあるケースは、今回の民法改正案が成立したとしても是正ができないと考えられます。それ以外にも、離婚時に何らかの理由で望まない形で協議に同意してしまうケースも想定されます。  離婚後しばらくたって、落ち着いた段階で、改めて、親権や監護に関する取決めを再度協議したり、裁判所の調停などを求めたりすることは可能との認識でしょうか。法務大臣の答弁を求めます。  先ほど述べたとおり、本改正案では、監護者の権利義務の規定が新設されて、子の監護者と定められた者は、監護権を持たない親権者の同意なく、単独で、子の監護及び教育、居所の指定及び変更といった重要な親権行使を行える規定となっています。監護者の権利義務の規定の新設によって、親権に関しては共同親権となっても、それとは別に監護者に関して裁判所が父母どちらか一方を指定すれば、単独親権の現行法と実質的に変わらない状況が継続することも想定されます。この点に関する法務省の見解について、大臣の答弁を求めます。  次に、本改正案で新設される、婚姻中も含めた親権の共同行使に関する規律に関して質問をいたします。  まず、親権の共同行使に関しては、父母の意見が調わず、子の利益に反する事態が生じかねないとの指摘があることは周知の事実かと思います。  例えば、DVや虐待からの避難、緊急を要する医療行為への同意や、期限が定まっている学校入学などの手続に支障を来すとの懸念が出されていますが、これらは、新たに設けられる第八百二十四条の二の第一項第三号に規定される「子の利益のため急迫の事情があるとき。」に該当し、共同親権の場合も、親権者の一方のみで親権行使が可能なケースと理解していいか。加えて、同条の第二項にある「監護及び教育に関する日常の行為に係る親権の行使を単独ですることができる。」との規定に関して、日常の行為とはどのようなものか。それぞれ法務大臣の答弁を求めます。  一方で、急迫の事情にも日常の行為にも該当しない重要な親権の行使で父母の意見が調わない場合は、裁判所の判断で親権の行使に関して定めることになりますが、意見の相違があるたびに裁判を行い、裁判の結果が出るまで待ち続けなければならないようでは、子の利益を害する事態が発生するおそれがあります。  あらかじめ、離婚時に、子の養育に係る様々な判断や、新たな判断が必要になった場合の分野ごとの最終的な決定者が父母どちらになるかを定めるような計画を策定することが望ましいとする意見もありますが、政府の見解について、法務大臣の答弁を求めます。  加えて、離婚前後に父母が子の養育、監護に関する講座を受講できる機会を全国で政府が確保したり、専門の相談員を配置するなどして、離婚後に父母が適切な形で共同して子を養育する責任を果たせるよう、事前の計画や取決めを促し支援していく取組を政府が大幅に強化することを検討すべきだと思いますが、同様に法務大臣の答弁を求めます。  子供のときに過ごす一年と、大人になってからの一年では、その重みが段違いであると思います。だからこそ、法案審議を尽くした上で本法が成立したのであれば、公布の日から起算して二年を超えない範囲となっている本法案の施行期日は、できるだけ前倒しするべきではないでしょうか。また、更なる検討を経て必要と考えられる見直しを適時適切に行うなど、法務省を始めとする行政府は、子の利益の確保に向けて最善を尽くしていくべきだと考えますが、併せて法務大臣の答弁を求めます。  最後に、今回の民法の改正では、親権、監護等に関する規律の見直しに限っても、裁判所が果たす役割が格段に増えています。DVや虐待に関する判断も含めて、離婚時に父母の協議が調わない場合に親権者を定めたり、協議離婚の場合で、父母の協議で定められた親権者を変更するか否かの判断をしたり、親権の行使に当たって父母の意見対立の調整をしたりと、ざっと見ただけでも、家庭裁判所の役割が大幅に増え、また、極めて重要になっていることは一目瞭然です。更に加えて、過去に離婚をしている父母と子供に関する案件も取り扱うことを求められますが、今の日本の裁判所に、このような案件の増加を適切に処理することが可能なのでしょうか。  個別の案件ごとに異なる複雑な事情を持つこれらの審判を適時適切に裁判所が処理できるようにするためには、家裁の機能拡充が必須だと考えますが、法務大臣の所見を伺います。  以上、本民法改正案の審議の中で明らかにすべき点、そして、子の最善の利益を確保していくために、今後更に検討が必要と思われる点に関して質問をさせていただきました。  家族に関する法律は、個人の人生に直接大きな影響を与えるため、とかく議論が先鋭化したり感情的になったりすることが懸念されます。本法案審議に関しても特に冷静な議論が望まれることは言をまちませんが、何よりも重要なことは、子の利益のために何が望ましいのかという視点に常に立ち返ることだと思います。  日本維新の会と教育無償化を実現する会は、その本質からぶれることなく、様々な立場からの意見に真摯に向き合いながら、引き続き本法案の審議に誠心誠意取り組んでいくことをお誓い申し上げて、質問の結びとさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔国務大臣小泉龍司君登壇〕

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