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日下正喜 ·公明党

衆議院本会議(2024-03-14)での発言

第213回国会 ·第第11号号 ·3,009字
○日下正喜君 公明党の日下正喜です。  私は、公明党を代表して、共同親権の導入を柱とする民法等の一部を改正する法律案について質問させていただきます。(拍手)  父母の離婚が子の養育に与える影響は深刻なものであり、毎年十数万人もの子が父母の離婚に直面している現状を考えると、父母の離婚後の子の養育に関する法制度の見直しや各種の支援策の拡充は、極めて重要な政策課題であります。  今回の改正案の最大のテーマは、父母の離婚に際して、子の利益をいかに守るか、確保するかということです。  江戸時代の名奉行と言われた大岡越前守の大岡裁き、子争いという話があります。二人の女性が一人の子供をめぐり、自分の子だと言い張って裁判となった話です。どちらも主張を譲らず、子供の腕を両方から引っ張ることになり、片方は、子供が泣き叫ぶ姿を見て、思わず手を放してしまいます。勝った女は、喜んで子を連れて帰ろうとしましたが、越前守は、実の母親なら子供が痛がっていれば手を放すものだと、手を放した方に子供を引き渡したという話です。  私は、この話の中に、子の利益、こどもまんなかの視点があるように思います。双方の主張のみならず、子の姿、子に接する親の姿を通して、子の最善の利益を考えていくことの大切さを教えてくれているものと感じます。  では、子にとっての最善の利益とは何か。様々な要素はあろうかと思いますが、離婚に際して、私は何よりも、子が自分を産んでくれた両親から愛情を注がれていると感じること、自分の前で両親が争わないこと、結果的に離婚に至ったとしても、そのような環境で育つ子は幸せであると思います。自己肯定感の涵養にもつながると考えます。  七十七年ぶりの家族法制の見直しは、子を持つ父母の在り方を考える上でも大きな転換をもたらすものになると考えますが、まず、本法案の柱になっている、子にとっての最善の利益とは何なのか、小泉法務大臣、そして、こども家庭庁を所管する加藤内閣府特命担当大臣の御所見を伺います。  法案では、離婚する際、共同親権にするか単独親権にするかは、父母が協議によって決め、意見が対立する場合や協議できない場合は家庭裁判所が決定するとしています。  単独でも共同でも、子にとって最善の選択となるよう互いが協議し、子供も含め納得できればよいのですが、協議が調わず裁判になった場合、裁判所によってどのような判断が下されるのか。  特に問題なのは、DVや虐待などを受けるおそれがある場合です。確かに、DVや虐待は、それぞれ防止法があるとおり、既に処罰の対象となっており、本法案においても、そのようなケースでは単独親権となります。しかし、問題は、日常的に監視されたり罵られたり蹴られたりしても証拠を残せなかったケースなど、グレーの部分にどう対応するかということです。身体的暴力と言動による暴力、またその程度の問題、主観による主張の対立など、子にとっての最善の利益という観点で裁判所がどう整理し、判断していくのかという難しい問題と言えます。  また、不安を抱える離婚当事者に対しても、裁判所によって親権がどのように判断されるのか、指針のような形で示しておく必要があると考えます。  一つには、単独親権となるにはDVや虐待の立証が必要条件となるのか。二つには、父母双方が親権者である場合であっても、DVからの避難や緊急の医療行為が必要であれば、急迫の事情により親権の単独行使が認められるとされていますが、言葉どおり、差し迫る状態まで行使できないのか、急迫とはどういう状態を指すのか。三つには、同居親が単独で判断、行使できる日常的な行為の範囲、子の病気治療、進学、転居などはどうか。この三点についてどのようにお考えか、法務大臣の明確な答弁を求めます。  一人親家庭の貧困を解消するため、公明党がこれまで取り組んできた法定養育費制度や先取特権の付与が改正案に盛り込まれたことは高く評価いたします。今後、政府には、運用面においても養育費の支払い確保等に向けた一層の取組を求めるものですが、本制度の趣旨やその改正が養育費の履行確保にどのような効果を持つのか、法務大臣の答弁を求めます。  次に、親子交流の支援に関してお尋ねします。  子供は、時によって母性を求め、時に父性を求めるものだと思います。子の最善の利益を考える上でも、別居親との親子交流は大変重要です。  別居後、そして離婚後、子の利益を最も優先し、どこに住んでいても安全で安心な支援が得られるよう、行政及び民間等による支援体制を整備していただきたい。また、養育費や親子交流等を定める共同養育計画についても、できる限り離婚前に策定することが望ましいことから、民間団体や海外の取組を参考にしつつ、我が国の最適な養育計画の在り方を調査研究するとともに、これらの環境整備のための十分な予算の確保を求めたいと思います。法務大臣の御所見を伺います。  次に、家庭裁判所における専門性の充実強化について質問します。  離婚協議が調わない場合は、調停をスムーズに進めていくため、裁判所から選任された一般の有識者である調停委員が、中立な立場から父母間の調整を図ったり、問題解決に向けたアドバイスを行ったりします。また、家庭裁判所調査官は、子供も含め当事者の声を聞き、表情を見、心理学、社会福祉学、教育学などの専門的な知見を裁判官に提供する役割を担います。  裁判官とともに、この調停委員、家裁調査官の存在は極めて重要で、公平性や人生経験、また、家裁調査官についてはそのスキルの高さも問われてまいります。利用者のより高い安心感、信頼感を得るためにも、こうした方々が従事される家庭裁判所の体制整備、研修の充実強化も急務だと考えますが、どのように進めていかれるのか、法務大臣に伺います。  こうした子の養育をめぐる対応は、民法の枠外の制度にも密接に関連しています。特に、DV、虐待については、離婚後というよりも、それは婚姻中から行われているものであり、より早い段階で適切に対応しなければならない問題と言えます。また、子の養育に関する情報提供等を行う親講座や親ガイダンスの充実も必要です。  配偶者暴力相談支援センターや児童相談所を始め、法テラス、一人親家庭支援センター、養育費相談支援センター、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターなどを活用し、当事者が離婚や子の養育を考える際に正しい判断ができるよう、様々なアドバイス、情報を提供することが大切です。  各省庁が所管するこうした施設の体制整備や支援の拡充も是非進めていただきたいと思いますが、法務省、内閣府・こども家庭庁、厚生労働省、それぞれ、どのような支援策を考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。  公明党は、これまで、DVや児童虐待、一人親家庭の貧困対策など、当事者の声に耳を傾け、寄り添いながら、国、地方挙げて問題解決に取り組んでまいりました。子供の最善の利益を柱に打ち立てられた本法律案が安心で安全な実りあるものとなるよう、全力を尽くしていくことをお誓い申し上げ、私の質問とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)     〔国務大臣小泉龍司君登壇〕

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