○内閣総理大臣(岸田文雄君) 塩川鉄也議員の御質問にお答えいたします。
特定秘密保護法の運用見直し等についてお尋ねがありました。
特定秘密保護法の運用基準の見直し検討とは、経済安全保障に関する個々の重要情報について、特定秘密に該当するかどうかを各行政機関が的確に判断できるよう、現行の運用基準について、より明確にすべき箇所や補足すべき箇所がないかを検討するために実施することを言っております。
今回、特定秘密保護法の改正は行わないため、特定秘密の範囲が拡大することはありません。また、本法律案において、保護の対象となる情報の要件は明確に規定しており、政府の一存で秘密指定を可能にするとの指摘は当たりません。本法律案において、情報の提供を受けるのは、行政機関と合意の上で契約を締結する事業者と、その従業者のうち、情報を実際に取り扱う者に限定しており、秘密を扱う人が民間の労働者等に飛躍的に広がるという指摘も当たりません。
適性評価に関するお尋ねがありました。
本法案における適性評価については、具体的な七つの調査項目を法律上明記しており、機微な個人情報を根こそぎ調べ上げるという御指摘は当たりません。また、適性評価に同意しなかった事実の目的外利用は明確に禁止されており、適性評価に同意しなかったことにより不利益を受けることがないよう配慮してまいります。
また、適性評価のために収集した個人情報については、保存期間も含め、運用基準等で適切なルールを定めることを想定しており、生涯監視され続けることになるとの指摘は当たりません。
適性評価制度は、国の重要情報にアクセスしようとする者について、情報保全の観点から必要な確認を行うものであり、本人や家族等を監視する制度ではありませんし、思想、良心の自由やプライバシー権を侵害するというものでもありません。
国民の知る権利、取材、報道の自由や学問の自由との関係についてお尋ねがありました。
正当な取材行為が処罰対象とならないことは、本法案第二十一条第二項で明確化しており、処罰対象とならないことが明確である以上、捜査機関がそのような罪にならない行為を犯罪の嫌疑として逮捕や捜索、差押え等をすることもできません。
また、本法案の第九条第一項第一号により、国会が定める重要経済安保情報の保護措置を前提としつつ、国会の秘密会に対して重要経済安保情報を提供することとしており、国会議員にすら明らかにされないという御指摘も当たりません。
さらに、本法案は、国が保有する情報の管理について定めるものであって、研究活動を含む民間の活動を規制するものではなく、学問の自由を侵害するとの指摘も当たりません。
本法案の制定理由についてお尋ねがありました。
本法案は、安全保障の裾野が経済、技術分野にも拡大する中、経済安全保障分野においても情報管理に万全を期す必要が高まってきている中で、経済安全保障上の重要な情報を管理し活用するためのルールを定めるものです。こうした政府としての情報保全の重要性や民間との情報共有の必要性も踏まえて本法案を策定したものであり、米国政府から要求されたから制度を整備するというものではありません。
また、本制度の対象は、重要経済基盤、すなわち、重要なインフラや重要物資のサプライチェーンの保護に関する情報であって、軍事分野を念頭に置いたものではありません。また、武器輸出を進めるためのものでもありません。
外国為替及び外国貿易法違反について逮捕された事件についてお尋ねがありました。
お尋ねの事件については、現在、国家賠償請求訴訟が係属中であると承知していることから、私の立場から現時点で所感を申し述べることは差し控えますが、亡くなられた相談役に対しては、心から御冥福をお祈り申し上げます。
本件は、外国為替及び外国貿易法違反に関するものであり、今回の法案に直接関係するものではないと認識しておりますが、いずれにしても、捜査が法と証拠に基づき緻密かつ適正に行われるべきこと、これは当然のことであり、捜査機関においては、引き続き、国民の信頼を裏切ることがないよう、適正な職務執行に努めてもらいたいと考えております。(拍手)
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