○池畑浩太朗君 日本維新の会の池畑浩太朗でございます。
私は、教育無償化を実現する会との共同会派を代表し、食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案に対して質問をさせていただきます。(拍手)
農業が滅びれば国は滅びる。まさに、農業は国家の基であり、国民の皆様に食料を供給する重要な産業であることは言うまでもありません。国家の基本産業たる農業を発展させ、将来にわたって残していくことは重要であります。ここにおられる皆様との共通認識だと思います。
その上で、維新の会は、農業の生産性を向上させ成長産業とする、そして、若い世代の方が農業に夢を持って参入していただく、そういった強い農業を実現し、将来にわたって国民の皆様への食料の安定供給を確保したいと考えております。そのために何が必要か、建設的に議論していきたいとまず述べさせていただき、質問に入らせていただきます。
農業基本法は、農政における憲法に位置づけられる法律で、我が国の農業の大きな方向性を示す指針であります。その基本法が二十五年ぶりに改正されるわけでありますが、その二十五年間に、人口減少、高齢化、気候変動やロシアによるウクライナ侵略による国際情勢の変化など、我が国の農業も大きな潮流にのみ込まれ、変化を迫られてまいりました。
まず、現行基本法がそうした変化に対応できていなかったのか、まず総括が必要だと考えております。現行基本法が目指してきた目標はどこまで実現できたのか。直近でいえば、ウクライナ危機が発生してから三年目に入っておりますが、この間に現行基本法では対処できなかった課題は何があったのか。現行基本法の総括について、総理の認識をお答えください。
食料・農業・農村基本法の前身は農業基本法であり、二十五年前の現行基本法制定時に、新たに食料、農村という概念が追加をされました。生産者サイドの視点だけではなくて、消費者サイドの視点も重要視されたわけであります。
今回の改正案では、食料安全保障の定義を、良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され、かつ、国民一人一人がこれを入手できる状態としております。国全体で十分な供給ができていても、一人一人に届かなかったら意味がない、誰一人取り残さないという考えであり、世界の流れに追いつこうとしております。
私は、初当選以来、一貫して農林水産委員会に所属をしてきました。地元生産者のお声を聞いてきたのはもちろんですが、消費者の声も多く聞いてまいりました。例えば、子供の食、健康について考え、暮らしやすい社会の実現に向けて活動をしておられるお父さん、お母さんの団体であります。
今を生きる人たちへの食の供給だけでなく、将来にわたって安全な食を守っていくために、こういった消費者の意識向上は欠かせません。このため、今回の改正案において消費者の役割についても明記されることとなりましたが、消費者政策はどのように変わるのか、狙いはどこにあるのか、総理の御所見をお伺いさせていただきます。
次に、現行基本法では、農業者と農協などの農業団体について、努力義務として、基本理念の実現に主体的に取り組むよう努めることが規定されておりますが、今回の改正案では、農業者の役割と農業団体の役割が分かれており、それぞれの役割が明記されております。
生産資材の購入や農作物の販売については個々の農業者が行うよりも共同で行った方が有利にできるため、農協が存在をします。農業者の方の声を聞くと、自分たちの作った農作物をもっと高く売ってほしい、新しい需要を開拓してほしいといった、農協にもっと頑張ってほしいといった声を多く聞きます。消費者ニーズも多岐にわたり、また国際情勢も大きく変化をしております。農業者だけでは対処できないことも多く出てまいりました。今こそ、農協は農業者のためにあるという原点を大事にしていくべきだと考えます。
農作物輸出の取組や生産資材の有利調達など、農協改革を経て、農業者のために汗をかくという農協本来の役割が発揮され、農業者の努力と農協の努力が好循環を生み出すような取組を広げていかなければなりません。
農林水産大臣は、農業者と農協等の農業団体が果たすべき役割をどう認識し、今回の改正案でどのように規定されているのでしょうか。農協改革の歩みを止めず、農協の前向きな取組が促進されるような施策を打っていくべきではないでしょうか。農林水産大臣の御所見をお伺いいたします。
次は、農村政策についてであります。
中山間地域は、少子化、高齢化、人口減少が都市に先駆けて進行しております。課題先進地域ではありますが、一方、田園回帰による人の流れが全国的な広がりを持ちながら継続しているなど、農村の持つ価値や魅力が国内外で再評価をされております。農村のにぎわいが戻れば、農業を維持し、発展できる、この点で農村政策は重要であります。
一方、多くの人にとって魅力的な農村を実現するためには、農業関連産業だけでは完結できません。観光業、地場産業、その他の産業など、総合的に発展させていくことが豊かな農村の実現につながります。
農村政策について、今回の改正案でどのように変わるのか、農村の活性化につながっていくのか、農林水産大臣の御所見をお伺いいたします。
また、人口減少下にある我が国の農業にとって、農業者の確保は極めて重要な問題であります。
改正案では、現行第二十一条の望ましい農業構造の確立について、新第二十六条第一項としてそのまま残しております。新たに第二項を追加しております。
第一項では、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立をすることを掲げておりますが、第二項では、それ以外の多様な農業者により農業生産の基盤である農地の確保を図る旨が規定をされております。急激な人口減少下にあっては、効率的かつ安定的な農業経営を営む者のみならず、多様な農業者によって農村を支えていかないといけないということは、現実にそうせざるを得ないという考えであります。
しかし、国民の食料の安定供給のためには、やはり、プロの農家、効率的かつ安定的な農業経営を営む者によって農業が担われるということは言うまでもありません。新しく、多様な農業者という概念が追加されることによって、プロの農家の育成がぼやけてしまい、農業の健全な発展が妨げられてしまうことがあってはなりません。
この新第二十六条第一項及び第二項について、狙いは何か、説明を明確にお願い申し上げます。望ましい農業構造の確立のための担い手の確保に向けてどのように取り組んでいかれるのか、農林水産大臣の御所見をお伺いいたします。
次に、食料安保とは、有事など不測の事態に直面しても国民が飢えることがないように備えていくことであるというふうに考えております。改正案では、新第二十四条に不測時における措置を設け、関連法の食料供給困難事態対策法案とともに、現行法の規定よりももっと早い段階から対策が講じられるように拡充をされております。早くから予測を立て、対策を取ること自体は一歩前進とは思いますが、それが有効に機能するかは別問題であります。
深刻な食料供給困難事態として想定されるのは、国内の米生産が大きく減少する場合と小麦の輸入が大きく減少する場合の二つの場合があります。食料供給困難事態対策法案を見ても、小麦の輸入が減少した場合どのようにしたらよいのか、米の生産が減少したらどのようにすればよいのかなど、具体的な対策が見えません。このままでは、有事のときに対策を講じようとしても、うまく機能しないのではないでしょうか。農林水産大臣の具体的な説明を求めます。
食料有事に当たっても国民の皆様に供給する食料のクオリティーを落とさないためにも、平時から国産小麦の増産が重要です。ブロックローテーションを各地で導入し、輸入に依存する小麦の生産拡大を図っていかなければいけません。
小麦の輸入先国を多角化する対策だけでは限界があるというふうに考えております。生産主要国のうち一国でも大きな不作が生じれば、世界的な需要が高まり、小麦の争奪戦となり、日本が有利に小麦を確保できる保証はないからです。いわゆる買い負けです。
また、小麦は、日本の高温多湿の気候風土では生産が難しいと言われてきました。国産小麦の増産は一朝一夕にできるものではありません。実際、直近ではほとんど作付が伸びていないのが現実であります。
国産小麦については、農林水産省として、五十年間もの間、旗を振り続けてこられたというふうに思います。これまで、どのようにして生産拡大に向けて努力をされてきたのか、また、今後の生産拡大の可能性についてどのように考えるのか、農林水産大臣の御所見をお伺いさせていただきます。
平時から、備えとしては、米の輸出拡大に本腰を入れることも必要であります。
広く世界を見渡せば、日本産米の需要には大きな伸び代があると見るべきであります。現在の米の世界的需要は、タイ米に代表される長粒種が圧倒的なシェアであり、日本産のような粘り気のある短粒種はごく一部に限られております。これは確かに輸出に不利な面もありますが、一方で、すしやおにぎりのような日本食文化が世界的に注目される潮流も起こっています。これまで短粒種が不人気だったのは、口にする機会が少なかったからなのではないかというふうに考えております。
より一層輸出を拡大するためには、これまでやってきたような施策の継続では難しく、思い切った、これまでにないようなことが必要だというふうに考えております。例えば、私が予算委員会で質問をさせていただきまして、坂本大臣にも御賛同いただきました、エンターテインメントとのコラボレーションについてであります。
単に口にする機会がなかったのであれば、需要拡大に向けたPRを強力に進めていかなければなりません。また、日本の優れた加工技術を用いたパック御飯や日本酒、菓子なども、新たな需要を開拓できる大きな可能性があると考えます。
こういった取組の総力を結集し、米輸出に強力に取り組んでいくべきだと考えますが、農林水産大臣の御見解を求めます。
最後になりましたが、能登半島地震で被災をしました石川県能登地域の農林水産業についてお伺いをさせていただきます。
断水によって牛に水が与えられない酪農家の方。今年の米の作付をどうしようかと途方に暮れられる米農家の方。海底が隆起をし変わり果てた漁港を見詰める漁業者の方。海底隆起に関しては、新しい技術やアイデアが必要だというふうに考えております。また、輪島の白米千枚田に象徴されます、世界農業遺産に認定された同地域の農業も壊滅的な被害を受けております。
この地域の農林水産業の復興に成功すれば、地元の被災農家のみならず、多くの困難を抱える日本の全ての農林水産業従事者の方、消費者である全ての国民の希望の光となるのは間違いなく、新しい基本法の最初の試金石になるでしょう。能登の農林水産業復興に向けて、総理の決意を改めてお聞かせいただきたいと思います。
農業が主産業である地方では、特に人口が減少し、担い手確保が難しくなってきています。国内の人口が減少する中、国内需要のみに目を向けていては、このまま衰退をしていってしまいます。これは、我が国において長く営まれてきた農林水産業にとって大きな過渡期であることは間違いがなく、このまま放っておけば、日本農業の危機と言っても過言ではありません。今こそ、日本農業は変わらないといけません。常に前を向いて、改革すべきところは改革を進めなければなりません。
今後の農政の方向性を決める食料・農業・農村基本法改正案によって、生産者を守り、国民の食料を確保し、消費者を守るということができるのかが試されます。
生産者が安心して農業に従事することができる、よりよい基盤をつくっていくこと。生産の拡大ができる夢のある政策を。私たち日本維新の会と教育無償化を実現する会は、農林水産業に従事される皆さんとともに、成長産業へと転換すべく不断の改革に取り組んでいくことをお誓い申し上げて、質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇〕
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MCP: search_diet_speeches(speaker="池畑浩太朗")