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岸田文雄 ·自由民主党・無所属の会 ·内閣総理大臣

衆議院本会議(2024-03-26)での発言

第213回国会 ·第第14号号 ·2,555字
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 田村貴昭議員の御質問にお答えいたします。  食料・農業・農村基本法制定後の農村人口の減少要因等についてお尋ねがありました。  農村の人口減少は、以前は都市への人口流出が主要因だったものの、近年は、出生減、そして死亡増に伴う自然減が主要因となっています。  国内の人口が減少を続ける中で、農村人口の減少も避け難い状況にありますが、こうした中にあっても、農業を下支えする農村コミュニティーの基盤を維持することが重要です。このため、改正案では、基本理念である農村の振興において地域社会の維持を位置づけた上で、農地保全に資する共同活動、観光、食品加工など、地域資源を活用した事業の創出による関係人口の増加等を促し、農村地域の活性化を図ってまいります。  食料自給率の目標と改正案における食料自給率の取扱いについてお尋ねがありました。  施政方針演説では、農政の抜本的な見直しや基本法の改正について包括的に述べたところであり、食料自給率にあえて触れていないというものではなく、同演説でも言及した食料安全保障の強化の観点から、食料自給率向上に資する取組は重要です。  さらに、我が国の食料安全保障リスクが高まる中、生産資材の安定供給等、食料自給率という単独の目標では評価できない課題もあります。このため、改正案では、食料自給率に加え、その他の食料安全保障の確保に資する事項の目標を位置づけたところであり、食料自給率の重要性が変わるものではないと考えております。  ミニマムアクセス米についてお尋ねがありました。  ミニマムアクセス米については、我が国の国産米の保護措置を含む全体のパッケージであるガット・ウルグアイ・ラウンド合意を受けて、ミニマムアクセス米が国産米の需給に影響を与えないよう、国家貿易で管理をしているところです。  これに伴う財政負担は売買差損や管理経費の増により増加していますが、財政負担をできる限り削減するため、新たな仕向け先の開拓や管理経費等の削減に努めつつ、この枠組みを維持してまいります。  農家の収入と農業、農村の再生についてお尋ねがありました。  将来にわたって食料の安定供給を確保するためには、農業が持続的に発展し、収益性を確保していくことが重要です。  このため、改正基本法に基づき、生産性向上や付加価値向上の後押し、適正な価格形成の推進などを基本に、収入保険制度等の経営安定対策を適切に講じながら、農業所得の向上と農村地域の関連所得の向上を図り、農業、農村の活性化につなげてまいります。  なお、御指摘の農家の収入については、例えば稲作経営の年間収入は、自家消費を目的としたり農外収入を主としたりしている小規模農家を含めた全ての水田作経営体の平均値であり、農業で生計を立てていく水田作経営体の所得に着目をしていく必要があると考えております。  米の合理的な価格、価格保障及び所得補償についてお尋ねがありました。  米の価格は、民間取引において、その時々の需給のバランスによって決定されているものであり、政府として、適正な価格水準について申し上げることは適当ではないと考えております。その上で、適正な価格形成の仕組みづくりに向けて、米も含めて実態把握のための調査を行い、その結果も踏まえて検討を進めてまいります。  御指摘の価格保障や所得補償については、過去の戸別所得補償制度を見ても、農地の集積、集約化等が進まず、生産性の向上が阻害されるおそれがあるほか、一般的に、消費が減少している品目の生産が維持され需給バランスが崩れる、また、補償を織り込んで生産者の取引価格が低く抑えられる等の懸念が指摘をされています。  このため、こうした手法を用いるのではなく、生産性向上や付加価値向上の後押し、適正な価格形成の推進などを基本に、収入保険制度等の経営安定対策を適切に講じながら所得の向上を図ることとしており、こうした方向性を改正基本法に位置づけております。  農業に関わる多様な人々の位置づけと支援策についてお尋ねがありました。  農業経営体の減少が今後も見込まれる中、将来にわたり食料を安定供給できる農業の確立が必要です。  このため、引き続き、規模の大小や経営形態にかかわらず、農業で生計を立て、効率的かつ安定的な農業経営を目指す方々を担い手として、生産性向上と付加価値向上を後押しし、その経営の安定、発展を後押ししてまいります。  あわせて、担い手以外の多様な経営体についても、農地の保全等の役割に鑑み、地域の共同活動への支援等を行い、農業生産の基盤である農地の確保を図ってまいります。  農業予算の拡充についてお尋ねがありました。  我が国の安全保障環境が厳しい状況にある中、国民の命と平和な暮らしを守るために、防衛力の抜本的な強化が必要となっています。同時に、我々が生きていく上で必要な食料の安定供給を担う農林水産業の活性化も極めて重要です。  こうした観点から、御審議いただいている令和六年度予算において、防衛力の抜本的強化に取り組むとともに、農林水産予算において、食料安全保障の強化など現下の政策課題に重点的に対応するため、昨年度を上回る予算を計上しております。また、緊急に取り組む課題に対しては、令和五年度補正予算により前倒しで対応しているところであり、こうした予算を活用し、実践的な農林水産政策を展開してまいります。  食料供給困難事態対策法案についてお尋ねがありました。  本法案は、我が国の食料安全保障リスクが高まる中、食料供給が減少し、国民生活等への影響が生じる事態に備え、影響の程度に応じて早期から必要な措置を実施できるようにするためのものであり、有事の際に農家に罰則つきで作付を命令するものではありません。  なお、本法案で規定されている罰則は、国民生活等に実体上の支障が生じている事態において、法目的達成のために、必要最小限の措置として、計画の届出自体を担保するためのものであり、事業者の方々に御理解をいただきたいと考えております。(拍手)     ―――――――――――――

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