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岸田文雄 ·自由民主党・無所属の会 ·内閣総理大臣

衆議院本会議(2024-03-26)での発言

第213回国会 ·第第14号号 ·2,532字
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 長友慎治議員の御質問にお答えいたします。  食料自給率についてお尋ねがありました。  食料・農業・農村基本法の改正案が成立を見れば、これに基づいて食料・農業・農村基本計画を策定することとしており、その中で、食料自給率を含め、食料安全保障の確保に関する事項について、国内外の食料需給の動向やこれまでの取組の検証結果などを踏まえつつ、適切な目標を策定すべく検討を進めてまいります。  生産者の生活を保障する所得支援制度についてお尋ねがありました。  将来にわたって食料の安定供給を確保するためには、一次産業が持続的に発展し、収益性を確保していくことが重要です。  多くの産地では、生産性の向上や付加価値の向上などの取組を通じ、所得を確保できるよう、日々、創意工夫をされています。これに対して、所得の補償については、過去の戸別所得補償制度を見ても、農地の集積、集約化等が進まず、生産性の向上が阻害されるおそれがあるほか、一般的に、消費が減少している品目の生産が維持され、需給バランスが崩れる、補償を織り込んで生産者の取引価格が低く抑えられる等の懸念が指摘をされています。  このため、一次産業の持続的な発展に向けて、改正基本法に基づき、生産性向上や付加価値向上の後押し、適正な価格形成の推進などを基本に、収入保険制度等の経営安定対策を適切に講じながら、所得の向上を図ってまいります。  農産物への最低価格保障制度の導入についてお尋ねがありました。  農産物の価格は、需給事情や品質評価によって形成されることが基本であると考えます。  その際に、生産から消費までの各段階の関係者の合意の下、国内外の資材費、人件費の恒常的なコストが考慮された価格形成が行われることが食料安全保障の確保の観点からも重要であり、その旨、改正案にも盛り込みました。こうした合理的な価格形成の仕組みについては、法制化も視野に検討してまいります。  また、価格転嫁が間に合わない急激なコスト増が生じた場合には、今後とも機動的に必要な対策を講じてまいります。  農業、農村の所得倍増目標、農業現場の声についてお尋ねがありました。  農業所得は、令和七年の三・五兆円目標に対し、平成二十五年の二・九兆円から、令和三年は三・三兆円まで増加した後、令和四年は、肥料価格の上昇等の影響を受け、三・一兆円となっています。また、農村地域の関連所得は、令和七年の四・五兆円との高い目標に対し、平成二十五年度の一・二兆円から、直近の令和三年度で二・三兆円まで、徐々に増加をしています。  農業所得は、中長期的には、農地の集積、集約化、また、ブランド化の推進等により上昇傾向にありますが、足下、物価高の影響を受け、厳しい状況にあると認識をしております。今後も、現場の声を十分にお聞きし、機動的に施策を講じ、所得の向上を図ってまいります。  食料システムと消費者の理解、納得についてお尋ねがありました。  食料の生産から消費に至る一連の活動全体である食料システムにおいて、合理的な価格形成が行われ、食料の持続的な供給を実現していくためには、価格形成等に関し、消費者の理解と納得が必要となります。  このため、生産や流通などの各段階におけるコストの明確化に取り組むとともに、環境への負荷低減を含め、国産農産物を選択することが食料の持続的な供給につながることについて、政府として、消費者の皆さんに分かりやすく発信をしてまいります。  地産地消についてお尋ねがありました。  地域で生産された農林水産物をその生産された地域で消費する地産地消は、食料の持続的な供給と消費の実現に資するほか、加工や直売所の取組等を通じて、地域の関連所得の向上にもつながるものです。  こうした認識の下、政府として、地産地消の意義を発信しながら、地場産物を購買できる直売所の整備や学校給食における生産現場との連携等への支援を通じて、消費者と生産者がつながる地産地消の取組を推進してまいります。  有機農産物等の販売についてお尋ねがありました。  有機農産物や特別栽培農産物については、環境に配慮して栽培され、除草の手間など生産コストがかかる点も含めて、その特色を実需者や消費者に理解いただき、安定的な販路を確保することが重要です。  このため、学校給食での活用を始め、地域ぐるみで有機農産物の生産から消費までの取組を進めるオーガニックビレッジの創出を進めるなど、有機農産物や特別栽培農産物の特色の発信、契約栽培を含む実需とのマッチング等を支援し、その販路の確保を後押ししてまいります。  有機農産物の学校給食における活用と食育についてお尋ねがありました。  学校給食における有機農産物の導入は、安定的な販路の確保や食育の観点からも有意義であり、政府として、自治体と生産団体、給食事業者などの連携体制の構築のほか、試行的な導入への支援を行っています。  また、現行の基本法において、農業に関する教育の振興等の施策を講ずることを定めており、学校での食育を進めてきましたが、さらに、改正案において、消費者の役割として、環境への負荷低減に資する食料の選択に努めることを位置づけたところであり、今後、食育の一層の推進を図ってまいります。  環境保全など持続可能な食料システムと、家族農業や政府の役割についてお尋ねがありました。  農業生産活動における環境負荷の低減は重要な課題であり、改正案においては、基本理念として、新たに、環境と調和の取れた食料システムの確立を位置づけています。  我が国においては、SDGsの観点からも、環境と調和した農業生産活動は、家族農業を含め、経営規模の大小や経営形態にかかわらず、生産者の皆さんに広く進めていただくべきものであると考えており、政府として、こうした点を丁寧に発信して御理解をいただきながら、生産現場の取組を後押ししてまいります。  残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)     〔国務大臣坂本哲志君登壇〕

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