○内閣総理大臣(岸田文雄君) 田中健議員にお答えいたします。
まず、子ども・子育て支援金制度についてお尋ねがありました。
先日、こども家庭庁からお示ししたとおり、月約四百五十円という、加入者一人当たりの平均値で拠出額をお示しすること、これは理にかなったものであると考えております。
毎月の具体的な拠出額は、加入する医療保険制度や所得等に応じて異なるものであり、年収別の拠出額については、数年後の賃金水準等によることから、現時点で一概に申し上げることはできませんが、所得が高く拠出額が大きい場合は、歳出改革に伴う保険料軽減効果も併せて大きくなる、この点について留意することが必要です。
こども家庭庁の試算では、現行の医療保険料額の四から五%程度となることをお示ししており、これにより、国民お一人お一人の拠出のイメージを持っていただけるものと考えております。
また、健保組合の医療保険料額については、令和三年度の実績を参考としてお示ししたものであり、歳出改革や支援金制度の影響以前に、高齢化等の影響を受けるものであることに留意が必要であります。
歳出改革による財源確保の実現性と医療、介護制度のサービス低下の可能性についてお尋ねがありました。
昨年末に閣議決定した改革工程においては幅広い歳出改革のメニューが列挙されていますが、これらは、一義的には、社会保障の持続可能性を高め全世代型社会保障を構築する観点から盛り込まれたものであり、議論を続けていかなければなりません。
これらのメニューの中から、一・一兆円の財源確保に向けて実際の取組を検討、実施するに当たっては、必要な保障が欠けることがないよう、見直しによって生じる影響を考慮しながら、丁寧に検討してまいります。
政府としては、歳出改革が十分にできず、加速化プランの財源が賄えない事態は想定しておらず、徹底した歳出改革に取り組んでまいります。
支援金制度の導入と賃上げの関係についてお尋ねがありました。
支援金については、実効性のある少子化対策の推進が、労働力の確保や国内市場の維持の観点から、企業に極めて重要な受益をもたらすものであることから、これまで社会保険制度において事業主が果たしてきた役割や取扱いも踏まえ、事業主にその一部を拠出いただくことといたしました。
歳出改革によって保険料負担の軽減効果を生じさせ、その範囲内で支援金制度を構築することを基本としており、このために実質的な負担が生じない点は事業主が拠出する分についても同様であり、支援金に事業主拠出を求めることが賃上げを阻害するとは考えておりません。
年少扶養控除についてお尋ねがありました。
こども未来戦略において、所得制限の撤廃、高校生年代への支給期間の延長、第三子以降の支給額を三万円とする児童手当の抜本的拡充を始めとした、子供、子育て世帯に対する経済的な支援の強化に取り組んでいます。
このように、今回、主として歳出面の取組において、前例のない規模で、子供、子育て政策の抜本的な強化を図ることとしている中、子ども手当創設に合わせて、所得控除から手当へとの考え方の下で廃止された年少扶養控除の復活については、検討課題としてはおりません。御指摘のような、復活の代案としての、廃止の影響を緩和する給付を行うことも考えておりません。
こども誰でも通園制度についてお尋ねがありました。
こども誰でも通園制度の来年度からの制度化後において設ける、月一定時間までの上限時間については、今年度から月十時間を上限として実施している試行的事業の状況や、全国的な提供体制の確保状況等も踏まえながら、都市部を含め全国の自治体において提供体制を確保できるかといった観点から、今後検討してまいります。
また、こども誰でも通園制度の本格導入に当たっては、保育人材の確保は重要であり、保育士資格の取得支援や保育所等におけるICT化の推進等による負担軽減、潜在保育士のマッチング支援等の取組を進めるとともに、引き続き、民間給与動向等を踏まえた処遇改善を行ってまいります。
保育士の配置基準についてお尋ねがありました。
加速化プランに基づき、四、五歳児における保育士の配置基準について、令和六年度より、三十対一から二十五対一へ、七十六年ぶりの改善を行うとともに、一歳児についても、令和七年度以降、六対一から五対一へ改善を進めることとしております。
四、五歳児の配置基準については、人材確保等の施策を進めながら、今回の配置改善を早期に実現することができるよう努めることは当然だと考えておりますが、その前提の下、人材確保に困難を抱える保育現場に配慮し、従前の基準で運営することも妨げないとする経過措置を、当分の間、設けることとしております。経過措置の早期の終了を図ってまいります。(拍手)
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