○内閣総理大臣(岸田文雄君) 私は、四月八日から十四日まで、バイデン大統領からの招待を受け、日本の総理大臣として約九年ぶりに国賓待遇で米国を公式訪問いたしました。その概要を報告いたします。
米国は、自由、民主主義といった価値や法の支配などの原則を共有する、日本にとって唯一の同盟国です。日米同盟は、我が国の安全と繁栄の礎であり、また、国際社会の平和と安定の基盤の一つです。
国際社会が複雑かつ多様な課題に直面し、また、我が国を取り巻く安全保障環境がこれまでになく厳しさを増す中で、日米同盟の重要性は一層高まっています。
四月十日に実施した日米首脳会談では、バイデン大統領との間で、日米両国が深い信頼と重層的な友好関係で結ばれていること、そして、かつてなく強固な友好、信頼関係に基づくグローバルなパートナーとなっていることを確認しました。より具体的には、大きく五つの成果があったと考えております。
第一に、安全保障協力については、私から、防衛力の強化に取り組んでいることを説明し、バイデン大統領から改めて強い支持を得ました。また、日米同盟の抑止力、対処力の一層の強化が急務であることを再確認し、米軍と自衛隊との相互運用性強化など、安全保障、防衛協力を拡大、深化していくことで一致をいたしました。
第二に、地域情勢について、力又は威圧による一方的な現状変更の試みは、世界のいかなる場所であれ、断じて容認できず、同盟国、同志国と連携し、毅然と対応していくことを再確認いたしました。また、その上で、中国をめぐる諸課題への対応、北朝鮮の核・ミサイル開発や拉致問題、ロシアによるウクライナ侵略、中東情勢等につき率直に意見を交わし、引き続き緊密に連携していくことを確認いたしました。
なお、史上初の開催となった十一日の日米比首脳会談では、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の実現の観点から、極めて有益な成果を得ることができました。
第三に、日米経済関係について、日米両国が世界の経済成長を共に牽引していくこと、また、そのためにも双方向の投資の促進が重要であるとの認識で一致をいたしました。その上で、先端技術分野での競争力を維持強化し、経済的威圧、非市場的政策、慣行や、過剰生産の問題に適切に対応しつつ、サプライチェーンの脆弱性を克服し、持続可能で包摂的な経済成長を牽引していくための連携の必要性を確認いたしました。加えて、脱炭素化、AI、スタートアップ等についても協力を進めることで一致をいたしました。
第四に、宇宙分野での協力を一層推進していくことでも一致をいたしました。与圧ローバーによる月面探査の実施取決めの署名を歓迎するとともに、アルテミス計画の将来のミッションで、日本人宇宙飛行士が米国人以外で初めて月面に着陸するという共通の目標を発表いたしました。
最後に、この揺るぎない日米関係を一層強化するべく、人的交流を更に促進していくことを再確認しました。
これらの点を含め、今回の訪米の成果として、「未来のためのグローバル・パートナー」と題する共同声明をバイデン大統領とともに発表しました。ここに記された指針を踏まえ、日米は、不退転の決意で、国際社会の平和と繁栄の礎である法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を何としても維持強化してまいります。
首脳会談に続き、十一日には、米国連邦議会上下両院合同会議において、「未来に向けて 我々のグローバル・パートナーシップ」と題した演説を行いました。世界が歴史的にも大きな転換点を迎える中で、日米がグローバルなパートナーとしていかなる未来を次世代に残そうとするのか、そのために両国がなすべきことは何なのかという未来志向のメッセージを、米国連邦議員のみならず、広く米国国民、そして世界にしっかりと伝えることができたと考えております。
また、今回は、日本企業による大型投資が行われているノースカロライナ州を訪問しました。日本企業が投資や雇用創出を通じて米国経済に大きく貢献していることを発信するとともに、米国の地域社会における日米間の幅広い分野における草の根交流の重要性などについても、改めてハイライトすることができたと考えております。(拍手)
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内閣総理大臣の発言(米国公式訪問に関する報告)に対する質疑
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