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岸田文雄 ·自由民主党・無所属の会 ·内閣総理大臣

衆議院本会議(2024-04-18)での発言

第213回国会 ·第第22号号 ·3,589字
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 三木圭恵議員の御質問にお答えいたします。  我が国が米国とともに重責を担う決意及び米国大統領選を念頭に置いた我が国の対応についてお尋ねがありました。  現在、これまでの国際秩序や自由、民主主義が、世界中で脅威にさらされ、また新たな挑戦に直面している中で、自由と民主主義を擁護し、国際社会の安定と繁栄を維持拡大するためには、引き続き、米国のリーダーシップが必要不可欠です。私は、今回連邦議会で行った演説において、その点を明確に述べた上で、米国が単独で国際秩序を守ることを強いられるべきではなく、日本が米国とともに役割を果たす用意がある、こうしたことを表明いたしました。  米国が国際社会において引き続き中心的な役割を果たしていくべきことについては、大統領選挙の結果によって左右されるべきものではありません。この点、私が今回訴えたメッセージが連邦議会の超党派からスタンディングオベーションで迎えられたことを見ても、この点が米国議会そして米国国民とも広く認識を共有されている証左であると考えています。  今回の訪米で得られた成果も踏まえつつ、かつてなく強固となった友好、信頼関係に基づき、日米両国は、二国間や地域にとどまらず、グローバルパートナーとして、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持強化すべく、共に取り組んでまいります。  自衛隊の統合作戦司令部と米軍の関係についてお尋ねがありました。  日米首脳会談では、日米それぞれの指揮統制の枠組みを向上させることで一致をいたしました。  御指摘の米側の今後の体制については、現時点で決まっていないと承知しておりますが、相互運用性と即応性を強化し、日米同盟としての連携を高めていくため、日米間でしっかりと議論を行ってまいります。  我が国の法制と円滑な日米協力についてお尋ねがありました。  まず、自衛隊の全ての活動は、御指摘の反撃能力の行使も含め、主権国家たる我が国の主体的判断の下、日本国憲法、国内法令等に従って行われ、また、自衛隊及び米軍はそれぞれ独立した指揮系統に従って行動することは当然のことです。  その上で、同盟国である米国との間では、様々なレベルで常に緊密な意思疎通を図っており、我が国の憲法や平和安全法制など関連法令についても、米国はよく理解をしています。  我が国としては、平和安全法制を整備し、グレーゾーン事態を含めあらゆる事態に切れ目なく必要な対応ができるようになったと考えており、現状において更なる法整備が必要であるとは考えておりません。  次に、日米防衛産業の連携、米軍艦船等の維持整備及び防衛装備品移転についてお尋ねがありました。  日米防衛産業協力・取得・維持整備定期協議、DICASは、日米の防衛産業が連携する優先分野を特定するため開催することとしたものであり、ウクライナ支援を念頭に置いたものではありません。  我が国の民間施設を利用した米軍艦船、航空機の共同維持整備については、日米両国にとって互恵的な取組となるよう、今後しっかりと協議をしてまいります。  また、先般、GCAPの完成品について、我が国から第三国に直接移転を認め得ることとしましたが、これにより、我が国の安全保障環境の改善に資する優れた戦闘機の実現が可能となることから、国家安全保障戦略との間でそごがあるとの指摘は当たりません。  尖閣諸島の防衛についてお尋ねがありました。  御指摘のとおり、今般の日米共同声明においても、尖閣諸島への日米安保条約第五条適用を含め、日米同盟の抑止力強化について改めて強い意思が示されたことは、非常に意義があると考えております。  日米間では、重層的なレベルで日頃から緊密かつ幅広く意思疎通を行い、様々な取組を積み重ねてきています。今後とも、こうした取組を通じて、日米同盟の抑止力、対処力の一層の強化を不断に進めてまいります。  拉致問題についてお尋ねがありました。  我が国の方針は、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指すというものであり、この方針に変更はありません。  その中にあって、時間的制約のある拉致問題はひとときもゆるがせにできない人道問題であり、切迫感を持って取り組まなければならない課題であると考えております。  日朝間の諸懸案の包括的な解決を目指す中での具体的な交渉の在り方については、仮定の質問でもあり、予断を持ってお答えすることは差し控えますが、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国の実現に向け、全力で、そして果断に取り組んでまいります。  国連安保理改革に関するやり取りについてお尋ねがありました。  今回の首脳会談においては、時間の関係で、安保理改革に関する突っ込んだやり取りはありませんでしたが、首脳共同声明、「未来のためのグローバル・パートナー」において、常任理事国及び非常任理事国の議席の拡大等を通じ、安保理改革に引き続きコミットしている旨を確認しております。  いずれにせよ、安保理改革を含む国連の機能強化は重要であり、我が国は、米国やG4、アフリカ、英仏等多くの国々と連携しつつ、粘り強く取り組んでまいります。  日米比首脳会合の定例化及び水陸機動団の海外展開についてお尋ねがありました。  日米比首脳会合の定例化については何ら決まっていませんが、こうした三か国協力の枠組みを今後も大事にしていくという認識で、今回、首脳レベルで一致したと考えています。  現時点において、御指摘のようなフィリピンにおける海外ローテーション展開について検討が行われている事実はありませんが、フィリピンとの間では、自由で開かれたインド太平洋を実現すべく、部隊間協力円滑化協定の早期妥結に向けた交渉を含め、安全保障、防衛協力を着実に進めてまいります。  生成AIに関する法整備についてお尋ねがありました。  生成AIについては、規律と利用促進のどちらかに偏るのではなく、両者を一体的に進めることが重要であり、これまでも、日本が主導してきた広島AIプロセスなどを通じ議論を進め、昨年には初の国際的な枠組みである包括的政策枠組みに合意をいたしました。  今後も、国際的な動向等を踏まえつつ、御指摘のような国内法の整備が必要かどうかも含め、AI戦略会議等においてしっかりと議論を行ってまいります。  USスチール買収及び企業のビジネス環境整備についてお尋ねがありました。  今回の日米首脳会談では、日米経済関係について様々な議論を行いましたが、外交上のやり取りの詳細についてはお答えは控えます。  その上で申し上げれば、日本としては、本案件が法に基づき適正に手続が進められると考えています。日本は現在、米国にとって最大の投資国であり、今後も、両国にとってウィン・ウィンな流れを確実なものにしていきたいと考えております。  企業のビジネス環境の整備については、米国連邦政府や州政府との間で、様々なレベルで関係を構築し、意思疎通を行っています。こうした活動を通じ、日本企業にとって適切なビジネス環境の確保を図ってまいります。  日米のグローバルパートナーシップと防衛協力についてお尋ねがありました。  御指摘のような仮定の質問にお答えすることは控えますが、その上で申し上げれば、今般の日米首脳共同声明及び米国連邦議会上下両院合同会議における私の演説において言及したグローバルパートナーといった表現は、かつてなく強固な友好、信頼関係に基づき、日米両国が、二国間や地域にとどまらず、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を共に維持強化していくという両国の不退転の決意を示すものであり、軍事面のみを念頭に置いたものではありません。  政府としては、現行憲法にのっとり、日米同盟の抑止力、対処力の向上にしっかりと取り組んでまいります。  憲法改正についてお尋ねがありました。  内閣総理大臣の立場から憲法改正についての議論の具体的な進め方等について直接申し上げることは控えなければならないと考えておりますが、自民党総裁としてあえて申し上げれば、憲法改正は先送りできない重要な課題であり、総裁任期中に憲法改正を実現したいという思いは、いささかの変わりもありません。時間的制約がある中でも、一歩でも議論を前に進めるため、御党を含む党派を超えた議論を加速させるべく、最大限努力をしてまいります。今はそのことしか考えておりません。(拍手)     〔議長退席、副議長着席〕     ―――――――――――――

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