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松本剛明 ·自由民主党・無所属の会 ·総務大臣

衆議院本会議(2024-05-07)での発言

第213回国会 ·第第25号号 ·4,280字
○国務大臣(松本剛明君) おおつき議員から、十七問御質問いただきました。  まず、地方制度調査会の目的と今般の答申との関係についてお答えいたします。  地方制度調査会は、その設置法において、日本国憲法の基本理念を十分に具現するように現行地方制度に全般的な検討を加えるという目的に従って、地方制度に関する重要事項を調査審議することとされています。  第三十三次地方制度調査会においては、この目的に従って調査審議いただき、これまでの地方分権の成果を尊重した上で、国民の命を守っていくために求められる地方制度という重要なテーマについて答えを示していただいたものと受け止めています。  次に、補充的な指示と指揮監督権等との関係についてお答えいたします。  かつての機関委任事務制度においては、各大臣が、国の機関としての自治体の長に対し、包括的な指揮監督権を有していました。  地方分権一括法により機関委任事務制度は廃止され、国から地方への関与は、地方自治法に新たに定められた国と地方の関係の基本原則に従って行われることとされました。  本改正案の補充的な指示は、この基本原則の下で、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態に限って適用される、地方自治法に基づく関与として設けられるものであり、包括的な指揮監督権の復活や地方分権の後退等との御指摘は当たらないと考えています。  次に、国の判断の適切さについてお答えいたします。  国民の安全に重大な影響を及ぼす事態においては、国民の生命等を保護するため、国と地方が連携し、総力を挙げて取り組む必要があり、国は、果たすべき役割を責任を持って果たす必要があります。  その際には、今般の答申で指摘されているように、国と地方の間で十分な情報共有、コミュニケーションを図ることは、事態への対応を実効的なものとする前提です。このため、補充的な指示を行う際には、あらかじめ、自治体に対して意見提出の求めなどの適切な措置を講ずるよう努めなければならないこととしています。  次に、災害、感染症、武力攻撃の各分野、あるいはこれら以外の分野で個別法では対処できない具体的なケースについて、武力攻撃事態等及び存立危機事態が国民の安全に重大な影響を及ぼす事態に含まれるかについて、さらに、個別法の改正による対応の必要性についてお尋ねがありました。  国民の安全に重大な影響を及ぼす事態について、具体的にどのような事態が該当するのかは、本改正案は特定の事態の類型を念頭に置いているものではなく、実際に生じた事態の規模や態様等に照らし、その該当性が判断されるものです。  お尋ねの既存の法律で対処できないケース、現行法で対応できないケースについては、具体的に想定できるものについては必要な個別法改正が行われるものであり、現時点で具体的に想定し得るものはありませんが、本改正は、今後、想定ができない事態が生じ得るものであり、そうした場合に備えるものです。  過去に、当時の個別法では国の役割が明確化されていなかった事態として、例えば、新型コロナの発生時には、感染症法に基づき対応すべき保健所設置団体では十分な対応を講じることが困難であり、国による都道府県の区域を越えた患者移送等の調整が必要な事態や、島嶼部や広域での災害について、災害対策基本法における非常災害の規模に至らないものの、国による調整の下で対応することが必要となった事態が生じています。  今般の答申にあるように、もとより、個別法において備えるべき事態を適切に想定し、国が果たすべき役割、責任について規定を設けておくことが必要です。その上で、その時点における個別法では想定されていないものの、国の役割、責任において対応する必要がある事態は今後も生じ得ると考えており、国民の生命等の保護のための的確、迅速な対応に万全を期す観点から、所要の見直しを行う必要があると認識しています。  この答申に沿って、本改正案では、特定の事態の類型に限定することなく、大規模な災害、感染症の蔓延その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する国民の安全に重大な影響を及ぼす事態における特例を設けることとしています。  なお、事態対処法等で定められている武力攻撃事態等や存立危機事態への対応については、それぞれ想定される事態について法律で必要な規定が設けられており、本改正案に基づく関与を行使することは想定されていないものと承知しております。  次に、個別法の立法との関係についてお答えいたします。  これまでも、災害、感染症などの事態や、その対応に当たり生じた課題などを踏まえ、必要な個別法の改正が行われてきているものと認識しています。  本改正案は、個別法において備えるべき事態を適切に想定し、必要な規定が設けられることを前提としており、個別法の立法の取組を妨げるものではありません。  次に、自治体が本改正案による関与に従わない場合についてお答えいたします。  資料又は意見提出の要求については、現行法における資料の提出の要求と同様に、自治体に対して一般的な尊重義務を生じさせるものであり、それに応じないことをもって違法となるものではありません。  また、自治体が補充的な指示に従わない場合については、現行法の地方自治法に基づく関与と同様に、罰則を設けることはしておらず、国は、協議などを通じて、指示によって求めた措置を講ずることを促していくことが考えられます。  次に、立案過程での自治体の声の反映についてお答えいたします。  本改正は、地方六団体の代表も構成員とする地方制度調査会の答申に基づくものであり、地方六団体等からも意見聴取した上で取りまとめていただいたものです。  また、本改正案の検討過程においても、地方自治法の規定に基づき、地方六団体に情報提供を行うなど、自治体と丁寧な調整を行った上で立案したものです。  引き続き、本改正の趣旨や内容について、自治体に丁寧に説明してまいります。  次に、自治体の政策立案、執行の体制についてお答えいたします。  大規模な災害、感染症の蔓延等の事態においては、通常時を念頭に置いて構築されている政策立案、執行のための体制の再構築が必要になり、当該自治体のみでは必要な体制確保が困難になることがあります。新型コロナ対応においても、保健師等の応援などの自治体相互間の協力により対応が行われたと承知しています。  今般の答申で指摘されているように、自治体の体制の課題を含め、国と地方の間で十分な情報共有、コミュニケーションを図り、必要に応じ、国や都道府県が自治体間の応援や職員派遣のための調整の役割を担うなど、自治体における政策立案、執行の体制の課題を丁寧に解決していく必要があると考えています。  次に、国による応援の指示について御答弁申し上げます。  大規模災害では、被災自治体単独での対応はそもそも困難であり、全国の多くの自治体から被災自治体に入って対応いただいてきました。  その上で、今回の改正は、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態において国民の生命等の保護の措置を的確、迅速に実施するため、あらかじめ、応援や職員派遣に係る必要な要件、手続を整備するものです。  次に、公金の収納事務のデジタル化についてお答えいたします。  公金の収納事務のデジタル化については、今般の答申等を踏まえ、地方税以外の公金について、eLTAXを活用した収納を可能とするために必要な規定を設けるものです。  御指摘の規定は、自治体の長がeLTAXを活用する方法により納付する公金を定めた場合には、地方税共同機構に対して当該公金の収納事務を行うことを義務づける規定であり、そもそも、自治体が機構にその収納事務を行わせる公金の範囲については、任意に定めることが可能です。  次に、指定地域共同活動団体の具体的なイメージについてお答えいたします。  今般の答申では、コミュニティー組織、NPO法人といった地域社会の多様な主体が連携、協働し、サービスの提供や課題解決の担い手として、より一層、主体的に関わっていく環境を整備することが必要と示されており、本改正では、地域の多様な主体と連携して地域課題の解決に取り組む団体を、指定地域共同活動団体として市町村が指定する制度を創設するものです。  なお、具体的な指定要件などは条例で定めること、指定は団体からの申請に基づくことなど、制度を運用する市町村や団体の自主性を最大限尊重する制度としています。  次に、議会の関与や公平性の確保についてお答えいたします。  本制度において、市町村が指定地域共同活動団体を指定するためには、地域の実情に応じ、具体的な指定要件については、議会による審議を経て条例で定めることが前提となります。  また、団体の活動状況や団体に対する支援の状況の公表、市町村による報告徴収や措置命令の規定を設けることにより、適正な運用を確保することとしています。  次に、自治体の基礎体力を涵養する対策についてお答えいたします。  各自治体では、人口減少、高齢化の課題に直面する中、行政サービスを維持強化するとともに、地域の活性化を図ることが重要です。  国、地方におけるデジタル化の共通基盤の整備を進め、業務改革を行い、デジタルの力を最大限に活用し、連携中枢都市圏などの広域連携施策や、人材育成、確保の取組などを推進するとともに、行政サービスを安定的に提供できるよう、必要な一般財源総額を確保し、自治体をしっかりと支えてまいります。  最後に、本改正と分権改革との関係、地方の受け止めについてお答えいたします。  本改正案は、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態における国と地方の関係等について、地方分権一括法で構築された国と地方の関係等の基本原則の下で必要な特例を定めるものであります。  これまで地方六団体等と丁寧な調整を行っており、本改正については、それを踏まえ、配慮がなされたことは評価したいなど、一定の御理解をいただいているものと考えています。  なお、補充的な指示の行使についての運用の明確化などの要望をいただいているところであり、引き続き丁寧に対応してまいります。(拍手)     ―――――――――――――

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