○国務大臣(松本剛明君) 阿部議員から、十八問御質問いただきました。
まず、どのような自治体DXを目指すのかについて御答弁申し上げます。
本改正は、自治体DXの推進に係る自治体の情報システムの適正な利用や公金の収納事務のデジタル化に関する規定を整備するものです。
第三十三次地方制度調査会の答申では、デジタル技術を積極的に活用した業務改革、国、地方におけるデジタル化の共通基盤の整備などが提言されており、自治体DXによって、住民の利便性向上と、業務効率化により人的資源を対面や創意工夫を要する業務にシフトするなど、より質の高い行政経営の実現を図っていただきたいと考えます。
次に、自治体がBPR等を行うための支援についてお答えいたします。
DXは業務プロセスの見直しを実施するもので、その際には外部の視点を取り込むことも重要であることから、自治体への専門アドバイザー派遣制度などの支援策の活用を促進しています。
住民と自治体の接点であるフロントヤードの改革として、人口規模別の先進事例の構築を進めており、BPR実施のノウハウも含めた改革の手順書を策定する予定であり、横展開に努めてまいります。
次に、自治体の情報セキュリティーについてお答えいたします。
本改正は、各自治体に情報セキュリティー対策の策定及び実施を義務づけ、総務大臣が共通的に必要とされる対策を統一的な指針として示すことで、いずれの自治体においても一定水準以上の情報セキュリティー対策を担保しようとするものです。
また、サイバー攻撃などへの対処としては、関係機関と協力して実践的な訓練を提供してきたところであり、今後も、自治体の情報セキュリティーの確保、向上に取り組んでまいります。
次に、地域の多様な主体についてお答えいたします。
地域の多様な主体としては、自治会などの地縁による団体、NPO法人などといった地域社会における多様な主体を想定しています。
次に、地域の多様な主体の連携の推進についてお答えいたします。
本改正は、市町村の判断により、生活サービスの提供に資する活動を地域の多様な主体と連携して行う団体を指定地域共同活動団体として指定し、その活動を支援する制度を創設するものです。
本制度の活用により、地域の多様な主体による活動がより一層活性化され、住民が日常生活を営むために必要な環境が持続的に確保されることを期待しています。
次に、関係人口について御答弁申し上げます。
特定の地域に継続的に多様な形で関わる関係人口を創出、拡大することは、地域の課題解決や活性化に寄与する施策です。
全国の自治体にその取組が広がっており、地域の問題への取組やデジタル関係の人材確保など、地域の実態や課題に即した独自の取組が行われており、その内容は多種多様となっています。
地域の活性化の観点からは、各地の自主的、主体的な取組を尊重し、その取組を広く支援することが重要と考えます。
政府としては二地域居住をサポートする施策を展開しており、総務省としても、地方への人の流れの創出に加え、ポータルサイトによる情報提供、地方交付税措置を講じるなど、今後とも支援してまいります。
次に、透明性の確保についてお答えいたします。
指定地域共同活動団体については、自主性、自立性を最大限尊重する一方で、市町村による支援や調整を受け、随意契約等の特例が適用されます。
そのため、本制度では、団体に対し、民主的で透明性の高い運営の確保を要件とするとともに、これを確保するための仕組みとして、市町村による報告徴収や措置命令の規定を設けることとしています。
さらに、指定された団体の活動状況を市町村が公表することとしています。
次に、行政機能の強化と効率的な運営についてお答えいたします。
今般の答申にもあるとおり、地域社会において様々な課題や資源制約が顕在化する中で、住民の暮らしを支えていくためには、地域社会の多様な主体が連携、協働し、サービスの提供や課題解決の担い手として、より一層、主体的に関わっていく環境を整備することが必要と考えています。
また、市町村の行財政基盤の維持強化については、各市町村が、地域の実情や行政課題に応じて、市町村間の広域連携や都道府県による補完、自主的な市町村合併など、多様な手法の中から最も適したものを自ら選択することが最適であると考えています。
次に、新型コロナ対応の課題の受け止めについてお答えいたします。
新型コロナ対応では、従来の法制では想定されていなかった事態が相次ぎ、国と地方の役割分担などについて様々な課題が指摘されてきました。
今般の答申でも指摘されているように、このことを真摯に受け止め、国と地方の役割分担や関係等に関する課題について十分な対策を講じ、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態に対して、国と地方を通じた的確な対応が可能となるよう万全を期す必要があると考えています。
次に、本改正の基本的な考え方についてお答えいたします。
地方制度調査会の答申は、過去の災害や感染症の対応を踏まえ個別法の見直しが重ねられているが、これまでの経験を踏まえると、今後も個別法において想定されていない事態は生じ得るものであり、まずは、個別法において備えるべき事態を適切に想定し、必要な規定が設けられることを前提に、個別法で想定されていない事態において、国民の生命等の保護のための対応に万全を期す観点から、地方分権一括法によって構築された一般ルールを尊重しつつ、地方自治法の規定について所要の見直しを行う必要があると指摘しています。
本改正は、この答申に示された考え方に基づき立案したものです。
次に、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態についてお答えいたします。
まずは事態の規模について、本改正案では、大規模な災害、感染症の蔓延その他その被害の程度においてこれらに類する国民の安全に重大な影響を及ぼす事態としています。つまり、災害対策基本法、新型インフル特措法などにおいて国が役割を果たすこととされている事態に比肩する規模の事態を指すものです。
平時との切り分けについては、本改正案の規定は、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態において、各条文案に定められた要件に該当する場合に限って適用されるものです。平時においては、引き続き、現行の国と地方の関係に関する規定が適用されます。
次に、補充的な指示の行使後の検証についてお答えいたします。
個別法の規定では想定されていない事態において補充的な指示が行われた場合には、今般の答申で示されているように、各府省において、どのような事態においてどのような国の役割が必要とされたのか、自治体を始めとする関係者の意見を聞いた上で、適切に検証される必要があると考えています。
次に、補充的な指示に関する事務執行の担保についてお答えいたします。
新型コロナ対応においては、保健所を中心に業務が逼迫する事態が生じました。
今般の答申で指摘されているように、事務の執行体制の課題を含め、国と地方の間で十分な情報共有、コミュニケーションを図ることは、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態への対応を実効的なものとする前提であります。こうした観点から、補充的な指示を行う際にも、あらかじめ、自治体に対して意見提出の求め等の適切な措置を講ずるよう努めなければならないこととしています。
その上で、国や都道府県が自治体間の応援や職員派遣のための調整の役割を担うことも含め、事務の執行体制の課題を丁寧に解決していく必要があると考えています。
次に、一斉休校の要請の受け止めと補充的な指示の行使の在り方について御答弁申し上げます。
新型コロナ対応における全国一斉休校の要請は、地方教育行政法に基づく指導、助言として行われたものであり、その結果の分析については文部科学省において実施されているものと承知しています。
その上で、本改正案では、補充的な指示を行う際には、あらかじめ、自治体に対する資料、意見提出の求め等、適切な措置を講ずるように努めなければならないこととしております。
補充的な指示の行使に当たっては、本規定に基づき、自治体と十分な情報共有、コミュニケーションを確保することが重要であると考えています。
次に、新型コロナ対応における地方自治、地方分権に関する指摘についてお答えいたします。
新型コロナ対応では、全国の自治体で、現場の状況や地域の実情を踏まえ、様々な対策に御尽力いただきました。
国民の安全に重大な影響を及ぼす事態においても、自治体が自らの責任において現場の状況や地域の実情を踏まえた対策を講じていく地方自治の重要性は、今回の事態で改めて認識されたものと受け止めています。
その上で、新型コロナ対応における国と地方の役割分担等の課題については、御指摘の点も含めて、当時、様々な観点からの指摘がなされたところですが、今般の答申は、従来の法制では想定されていなかった事態が相次いだという点について指摘しているものと認識しています。
本改正は、この答申の認識に立って、個別法で想定されていない事態においても国民の生命等の保護のための対応に万全を期す観点から、地方分権一括法で構築された国と地方の関係の基本原則の下、地方自治法の規定について所要の見直しを行うものです。
次に、地方分権改革との関係についてお答えいたします。
本改正案は、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態に対して、国と地方を通じた的確な対応が可能となるよう、現行の国と地方の関係を規定する章とは別に新たな章を設けつつ、地方分権一括法で構築された国と地方の関係の基本原則にのっとって規定するものです。
このため、本改正は、今後の地方分権改革の推進の妨げとなるものではなく、自治体の自主性、自立性を高める地方分権改革は、引き続き着実に進めていく必要があると考えています。
次に、地方の自主財源の拡充についてお答えいたします。
地方税につきましては、これまで、地方税の充実と税源の偏在性が小さい地方税体系を構築する観点から、個人住民税における三兆円の税源移譲のほか、消費税率引上げに際しての地方消費税の拡充などに着実に取り組んできたところです。
消費税の地方税化につきましては、消費税が国、地方それぞれの社会保障の財源とされていることを踏まえれば、慎重な検討が必要と考えております。
今後も、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に取り組むとともに、地方税の充実確保に努めてまいります。
最後に、道州制について御答弁申し上げます。
道州制については、我が国の在り方に深く関わる統治機構の改革に関する問題であると認識しており、地方経済の活性化や行政の効率化の実現につながるとの考え方があると承知しています。
このため、政府としては、国会における各政党間の議論や国民的な議論が必要になってくるものと考えております。(拍手)
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