○勝目分科員 それでは、順次質問をしてまいりたいと思います。
現在、時代の大きな転換点にある、これは多くの方がおっしゃっているわけでありますけれども、経済についてもそのとおりだというふうに思います。
来し方三十年、簡単に振り返ってみますと、バブル経済があり、そしてそれが崩壊をして、雇用と設備とそして債務、この三つの過剰を何とかしないといけないということで、サプライサイドの改革ということをやってきた。企業はコストカットを進めて、結果、企業そのものは経営体力というものを回復をしたけれども、大きな副作用が残ったということだと思います。その内容というのが、不安定な雇用であり、上がらない給料であり、老朽化した設備であり、まあ、デジタル化が進まなかったのもその中に入れてもいいのかなというふうに思います。もちろん、これは一般論であって、個々の企業を見れば必ずしも当てはまらないところも多々あろうかと思いますが、社会全体としてはそういうことだったんじゃないか。しかも、リーマン・ショックという大不況期も経て、こうした副作用が更に増幅をされたということだと思います。
所得は増えない、消費が増えない、経済が振るわない、成長しない、そして所得が増えないといういわゆるデフレスパイラル、これが続いてきたということで、正当な対価を払わない経済でしのいできたんじゃないか、こういうことであります。これは人を大切にしない社会ということにもつながって、少子化もこういったところにも大きな要因があるんじゃないかというふうに思います。なので、こども未来戦略にもイの一番に、若い世代の所得向上というのが書いてあるということであります。
それで、こういった状況自体を批判することはたやすいわけでありますけれども、逆に言えば、バブル経済の崩壊というのはそれほどまでに傷痕が深かった、厳しいものであったということも言えるんだろうと思いますし、また個々の企業にとってみれば、それはもちろん、自分たちの経営を成り立たせるために所与の条件の下で最善の努力をした結果なんだということで、企業に対してある種批判、そしりをしたところでこういった状況というのは改善できたかというと、そうではなかったんだろう、こういうふうに思うところであります。
アベノミクス三本の矢というものを通じて、経済再生、デフレ脱却というものを目指したわけでありますけれども、成果がやっとこ上がってきたかなというところでコロナ禍に襲われたということだろうと思います。
ただ、コロナ禍も明けまして、足下の状況というのは大きく変化をしております。人手不足であるとか、あるいは生産性が必ずしも上がっていないということで供給制約を要因として、また円安による輸入物価の上昇といったようなこともあって、物価の上昇が続いており、今後も続く見込みだと。日銀総裁が先日答弁されたように、現象としてはデフレではなくてインフレの状況にあるということであります。また、株価も、今日も過去最高を更新したようでありますけれども、終わり値は若干下がったようですが、非常に高い水準にあるということであります。
それでは今政府がデフレからの完全脱却ということを掲げるのは間違いなのか、デフレなのかインフレなのかというような問いもあったわけですけれども、間違いなのかといえば、私はそうじゃないと思うんですね。
私たちにとって必要なことというのは、現象を描写をして言葉遊びをするのではなくて、三十年に及ぶデフレ経済の中でしみついた行政、企業、消費者、この行動変容に至るまで、デフレ経済に過度に適応してしまった社会システムを脱デフレの経済型に移行するように変革をしていかなければならないからだということです。そして、まさに今、その転換を図るべきときにあるんだということです。供給制約でインフレが起こっているときに、デフレ的にコストカットをしていたら、これはもう経済成長を伴わないインフレ時代を迎えることになるということであります。
マクロ経済の現状を見ますと、家計と企業が貯蓄超過にあって、政府が大変な債務を抱えているというのが今の状況。企業の内部留保も五百兆ですかね、非常に高い水準になっていて、国内の設備投資が低調なんじゃないか、こういう指摘もあるわけで、企業の過少投資というのが引き続き課題になっているというふうに考えています。
そういうことで、今、取るべき道というのは、やはり何といっても供給力を高めることだということであります。つまり、二十数年前に言っていたサプライサイドの改革と逆方向のサプライサイドの改革をしないといけないということで、テクノロジーと人にしっかり投資をしていくということ、それによって生産性を高めるということが非常に重要だということだと思います。企業を指弾するだけでは現実は動きません。
ということで、経産省さんとして、この脱デフレ経済への移行に必要な産業政策、一番根本になりますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
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API / MCP 利用
国立国会図書館 国会会議録 API を構造化
REST: /v1/diet/speeches/search?speaker=勝目康
MCP: search_diet_speeches(speaker="勝目康")