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権丈英子 ·亜細亜大学経済学部教授

参議院内閣委員会(2024-05-23)での発言

第213回国会 ·第第16号号 ·2,071字
○参考人(権丈英子君) ありがとうございます。  先ほども申し上げたところと多少繰り返しにはなりますけれども、社会保障の役割としまして生活安定化の機能がございます。これは、どうしても賃金ですと、そちらの資料にもございますように、貢献度に、市場における一次分配は貢献度、生産要素を提供したことによる貢献による分配というふうになってまいります。そうしますと、ライフサイクルにおける必要性、子供の時期、また子育て期、そして高齢期といったところで生活のための収入が不足してくるという、そういったことが起こります。これに対して、消費を平準化し、将来に向けて、老後に向けて社会保障の制度を準備していくといったことがされてまいっております。  そうした中で、そうしますと、今度は一方で、子育て期においての所得がどんどん高くなっていく時代にはそういったところは吸収していけるわけですけれども、所得が余り伸びない、そして賃金自体が伸びず、あるいは非正規雇用で賃金が伸びないといった方が多くなってまいりますと、支えるのが非常に大変になってまいります。  そうした高齢期における社会保障を持続可能なものにしていくためには、どうしても社会全体として困っているところ、やはり子育て期ですね、子育てに費用が掛かるといったところについても補填していくということが必要性を持ってまいります。  そうした点、観点から、子育て期、従来は高齢期に向けての社会保障が医療、年金、介護等と充実してまいっておりますので、その中で、一方で、やや手薄になっておりました子育てにおける社会保障と、所得再分配と申しますが、みんなで支えていくという、そうした考え方が必要になってくると考えられます。  先ほども申し上げたんですが、そうしますと、この高齢期における社会保障を持続可能なものにしていく、その点で少子化が進んでくると難しくなるということでございますので、この少子化に対しても、子育て世代が十分に所得を確保し、そして結婚したり子育てすることに希望を持てるようにしていくということは非常に重要だというふうに考えております。そうした世代間の助け合いの仕組みをつくっていく、収入の、そういった賃金という分配システムの中で収入の途絶と支出の膨張に備える生活安定機能というところが弱くなっておりますので、その点を補填してあげて生活の安定化を図っていくということが大切になります。  そうした観点を考えますと、高齢期も含めたみんなで少子化対策とか子ども・子育ての支援のために拠出をしていくということは、整合性を持っているというふうに考えております。  こうした考え方なんですけれども、なかなか、やはり子育てに支援をするといたしましても、どうしても財源が確保されていないと、若い人たちが十分に安心して子供を産み育て、いつどうなるのか分からないということになってしまいますので、その制度をしっかりと確保するということが大切だというふうに考えております。  少子化がこうして進んできたことにつきましては、既に社会保障制度改革国民会議、二〇一三年の八月に報告書が出されておりますが、そちらにおいても、一九九〇年に一・五七ショックとして少子化問題が社会的に認識されたにもかかわらず、必要な施策が必ずしも十分に進まなかったのは、こうした政策が年金、医療、介護のように財源調達力の高い社会保険方式を取っておらず、当時急速に悪化した財政状況の下で必要な財源が確保されなかった点にも原因があったことに留意すべきであるというふうに書かれており、あわせて、二十一世紀日本モデルの社会保障については、必要な財源を確保した上で、子ども・子育て支援を図ることや、経済政策、雇用政策、地域政策などの施策と連携し、非正規雇用の労働者の雇用の安定、処遇の改善を図ること等を始めとして、全ての世代を支援の対象とし、また、全ての世代がその能力に応じて支え合う全世代型の社会保障とすることが必要であるというふうに書かれてございます。  具体的な検討としまして、今回、社会保険の徴収機構を活用するということになっておりますが、これが以前にもやはり検討されたことがございました。二〇〇三年の次世代育成支援施策の在り方に関する研究会報告書におきまして、社会連帯による子供と子育て家庭の育成、自立支援を基本理念として、新たな次世代育成支援システムの構築を図るという議論がされており、具体的な制度設計を考えるに当たっては、制度の効率的な運営などの観点から、既存の社会保険の徴収機構を活用する仕組みを検討すべきと当時論じられております。  当時は、それがまだ時期が早かったのか、機が熟さず、そのまましっかりとした財源確保の議論、またそうした制度が創設されるというところまではまいりませんでしたが、今般、こういう形で審議が進み、新たな制度ができていくということは、大変喜ばしいことだというふうに考えております。  以上でございます。

権丈英子 の他の発言

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2024-05-23 · 参議院内閣委員会
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○参考人(権丈英子君) ありがとうございます。  社会保障の制度ってやはり難しいところがあるんだろうなというふうには思います。そうしたところですので、やはり丁寧に説明するというこ…
2024-05-23 · 参議院内閣委員会
○参考人(権丈英子君) ありがとうございます。  私は、支援金制度ということで、この子ども・子育てを支える財源として新たな制度がしっかりつくられたというところが一番大切だというふ…
2024-05-23 · 参議院内閣委員会
○参考人(権丈英子君) ありがとうございます。  先ほど少し私の方でお話ししたこととも関係するかなというふうに思っております。  社会保障のこの負担の大きさ、規模の大きさを確認…
2024-05-23 · 参議院内閣委員会
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